2019年10月26日

ペニシリンアレルギーの経口負荷試験

ペニシリンアレルギーの経口負荷試験

業務連絡用



 以前よりペニシリンアレルギーの経口負荷試験を本院でも実施に向けて検討しておりましたが、
なかなか具体的に実現しませんでした。
今回、職員の努力で素案が完成しました。

具体的には、
 
 ・ 以前にペニシリンアレルギーがあったと思っている人に対して、JAMAの問診表を参考にし、
   やはり職員が作成した本院の問診表で事前に調べる

 ・ 抗生剤の服用において、多くの疾患が第一選択がペニシリンである事を理解してもらう。

 ・ ペニシリンアレルギーについて理解してもらい、負荷試験の内容も説明する。

患者さんには本院のブログを事前に閲覧してもらう。
(ペニシリンアレルギーにて検索)
尚、本院の問診表、本院用に改訂したJAMAの問診表、ペニシリンアレルギーを下記に掲載します。




1 ペニシリンアレルギーに対する経口負荷試験.pdf

2 本院における問診表 (1).pdf

3  jama改訂.pdf

4 JAMAより.pdf








2019年10月25日

インフルエンザ情報・日経メディカルより

インフルエンザ情報・日経メディカルより



1225-2.PNG

 


 最新情報が日経メディカルから数編発表になっていますので、まとめて報告します。


1) 沖縄からのインフルエンザ流行の知らせで、今シーズンは早い流行と考え準備を早急にしなくては
   と慌てましたが、下記のグラフより一旦は終息しているようです。 (厚労省の報告より)



         1225.PNG
         

   
   インフルエンザは赤道直下では一年中流行しており、6月から9月にかけてのモンスーンと共に東南
   アジアに拡大し、その地域からの旅行者がウイルスを沖縄に持ち込むこととなり、沖縄では例年夏季
   と冬の2回流行すると推定されています。

2) 2009年に起きたパンデミックH1N1は、最近では流行の間隔が短縮し流行の規模も縮小の傾向
   です。
   やがて消失するかもしれません。しかし遺伝子的には毎年変化しており、一気に病原性の変化を
   きたす可能性もあり危惧されています。

3) 昨シーズンに処方されたゾフルーザは、今シーズンは逆風のようです。
   ・耐性株の出現により、人―人感染が認められている。
    (ゾフルーザを服用している患者から、耐性ウイルスが萌出する。)
   ・ゾフルーザに対する低感受性株の出現が多く認められている。
    (小児では、ゾフルーザ服用により罹患期間が長引く可能性あり。)
   この事から、日本の各学会は小児(12歳以下)でのゾフルーザは慎重に、とのコメントです。

4) 吸入薬のイナビルが、コンプレッサーを用いる新製品を今季より上市しました。(下記PDF参照)








1 インフ情報.pdf

2 沖縄 インフ.pdf

3 インフルエンザ h1n1.pdf

4 ゾフルーザ 小児.pdf

5 ゾフルーザ 慎重 小児.pdf

5 小児 ゾフルーザ.pdf

6 ゾフルーザ 人人感染.pdf

7 イナビル吸入薬.pdf

8 イナビル.pdf

9 ゾフルーザ 授乳.pdf











  
posted by 斎賀一 at 20:30| Comment(0) | インフルエンザ

2019年10月24日

心血管疾患に対する脂質異常症の管理

心血管疾患に対する脂質異常症の管理
 
Lipid Management for the Prevention 
of Atherosclerotic Cardiovascular Disease
  n engl j med 381;16 nejm.org October 17, 2019
 


1024.PNG
         


 心血管疾患の予防のための脂質管理に関する総説が、雑誌NEJMに載っていましたので纏めてみま
した。


1) 心血管疾患のリスクを軽減するために、悪玉のLDLコレステロールだけを漫然と管理していては
   不十分である。冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)を発症した人の40%はLDLが200mg以下でした。
   逆にLDLが中等度に高い人が必ずしも冠動脈疾患を発症はしません。
   最近ではハイリスクの患者さんは、LDLの更なる低下を目標にする傾向です。

2) 患者のリスク評価に、10年リスクを採用するのが一般的です。
   分類としては
     低リスク : 5%以下、境界リスク : 5~7.5%、中等度リスク : 7.5~20%、
     高リスク : 20%以上
      (下記にAHAのアクセスを掲載します。)
    ・低リスク患者には生活習慣の改善
    ・中等度リスク患者にはスタチン服用でLDL、30%減少を目標
    ・高リスク患者にはスタチンでLDL、50%減少を目標とします。

    リスクを増悪する因子にも考慮すべきである。
    ・妊娠中毒症 ・早期閉経 ・関節リウマチ ・家族歴 ・慢性腎臓病(CKD)
    ・持続する高中性脂肪血症 ・アキレス腱肥厚 ・アポB ・高感度CRPの高値
   CT検査による冠動脈石灰化のスコアー化が、境界〜中等度リスクの治療評価には最適である。
   40歳以下や40~60歳の10年リスクが7.5%以下の場合は生活習慣の改善が有効であり、最初に
   試みる戦略である。

3) 75歳以下で心血管疾患を有する患者は、LDLを50%減少が目標
   ストロングスタチンを処方してもLDLが70mg以下にならない場合は、ゼチーアを追加する。
   75歳以上の場合、スタンダードスタチンを継続処方する。

4) スタチンについて
   一次予防効果は同等に認められている。 (前日のブログと、やや趣が異なりますが)
   副作用としての横紋筋融解症は0.1%以下で、重症の肝障害は0.001%と極めて低い。
   スタチンによる糖尿病の誘発は0.2%/年であり、スタチンの利点の方が上回る。
   筋肉痛に関しては論争があり「nocebo effect」の一面もある。
   5年間スタチンを服用し続けると、レガシー効果としてその後20年間も効果の持続が認められる。
   スタチンが不耐用の場合とは、2回の異なるスタチンを使用した場合です。
   この中には用量を減少した場合も含まれます。

5) ゼチーアについて
   メバロチン単独ではLDLが70mgであったのが、ゼチーアを追加する事により54mgまで低下する。
   ゼチーア単独での心血管疾患の予防効果は、エビデンスとしてはない。 
   通常はスタチンに追加する薬剤である。

6) N-3fatty acids(エパデール等)
   中性脂肪が500mg以上ではエパデール4gr/日が適応
   20~30%の減少が認められる。
   日本からの報告(JELIS研究)では心血管疾患のリスク減を認められているが、最近の研究では
   著明な効果が認められないとする報告もある。
   しかし、反対にリスクの高い患者や糖尿病患者を登録したREDUCE-IT研究ではエパデール4gr/日
   で、心血管疾患を25%減少させている。
   この場合はスタチンでLDLがコントロールされているが、中性脂肪が135~500mgと高値の患者で
   ある。
   サプリメントではその効果が無い。
   また、エパデールには抗血小板作用や抗炎症作用も期待されている。
   (私のブログの “エパデール” で検索してください。)

7) フィブラート型
   (残念ながら本論文からは省略され、supplementに追い出されています。)
   中性脂肪が500以下では、スタチンと生活習慣の改善を指導する。
   持続して中性脂肪が500以上の場合は、スタチンに追加する。
   トライコアがスタチンに追加する場合に副作用が最も低い。
   ACCORD研究ではスタチンにトライコアを追加しても心血管疾患のリスク減に繋がらなかったが、
   サブグループ解析では、スタチンを服用している患者で中性脂肪が高値で、しかも善玉のHDLが
   低値の場合は、トライコア追加による効果が認められています。

8) 結論として、筆者はスタチンを服用してなお中性脂肪が高値の場合は、エパデールを追加するのが
   心血管疾患の予防になるとしています。





私見)
 前日のブログと相まって、ややすっきりした感じです。
 多剤併用が社会的に問題視されています。


   「飲んだら乗るな。使うなら貯めろ。注意するなら最初は褒めろ。増やしたら減らせ!」






 http://www.cvriskcalculator.com/










posted by 斎賀一 at 14:49| Comment(0) | 脂質異常