2020年07月25日

5歳以下の小児の情操教育にペットは有効

5歳以下の小児の情操教育にペットは有効
 
The relationship between dog ownership, dog play, family dog
walking, and pre-schooler social–emotional development:
findings from the PLAYCE observational study


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                                           by  ayako


 以前より子供の情操教育に動物を飼うことは有効と思われていました。今回の論文ではそれを
科学的に解析し、しかも5歳以下を対象にしています。

纏めますと

 1) ペットを犬に限定していますが、犬の種類は定めてはいません。
    対象は5歳以下の1,646名(平均:3歳)

 2) 77%が週に数回、犬と遊んでいました。
    53%が少なくとも週に1回は犬と散歩をしていました。

 3) 神経精神学上の観点から、行動異常、仲間とのコミュニケーション、社会生活の準備などを
    チェックしています。

 4) 結論
    筆者は仮説として、2~5歳の発達障害のある入学前児童にとって、犬との一緒の遊びや散歩は
    その後の精神的発達に、改善が期待されるとしています。
    5歳以下の小児は、学校に通学しないのでより多くの時間をペットと過ごすことができます。
    特に週1回以上の犬との散歩は一層の効果を認めています。



私見)

 私も子供の頃に犬と猫を飼っていました。犬はペットというよりは番犬でした。
 残飯をやるのが私の勤めでしたが、ある時、餌をお皿に近づけようとして吠えられてからは、
 遠巻きにしか餌を与えませんでした。
 猫はゴロゴロいいながら、いつも私のそばにいてくれていました。
 なので私は猫派です。
 そんな訳で、 血統書付きの職員の皆さんの気持ちを理解できずごめんなさい・・・。







ペット 小児.pdf






posted by 斎賀一 at 13:31| Comment(1) | 小児科

2020年07月20日

メトグルコは中等度の腎機能低下でも処方可能

メトグルコは中等度の腎機能低下でも処方可能
 
Hospitalization for Lactic Acidosis Among Patients With Reduced
Kidney Function Treated With Metformin or Sulfonylureas



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 メトグルコは安価で低血糖の心配も少なく、体重増加の副作用もありません。
そのため糖尿病治療薬の第一選択薬です。ただし、シックデイ(下痢や嘔吐、造影剤使用)の場合と乳酸アシドーシスの発生に注意が必要です。特に腎機能低下の患者さんには十分な配慮が大事だとされて
います。
 しかし最近のエビデンスは、中等度の腎機能低下では必ずしも禁忌ではないとされています。
この点に関しましては私のブログでも以前に紹介しています。

 今回、雑誌Diabetes Careから、腎機能低下(eGFRが60mL/minute以下)で服用しても禁忌では
なさそうとの論文が掲載されています。


纏めますと

1) メトグルコの対照薬としてス、ルフォニル系薬剤を選んでいます。
   ある期間服用後に、eGFRが60mL/minutesを切った時点から調査を始めています。
   下記のsuppleの図をご参照ください。



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2) 結論
   腎機能が低下してからの服用で、乳酸アシドーシスによる入院の発生の頻度は、メトグルコと
   スルフォニル系薬剤と有意差はありませんでした。



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メトグルコ群では4.2人/1,000人に対して、スルフォニル系薬剤は3.7人/1,000人でした。
サブグループとして腎機能がさらに低下した45mL/minutesでは、メトグルコ群で12.9人/1000人で
スルフォニル系薬剤では8.6人/1000人でした。
やはりsuppleの方が分かりやすいので、下記に掲載します。



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私見)
 サブグループとして腎機能のeGFRが30mL/minutes以下は検討していません。
 FDAの勧告通りに禁忌とした方が良さそうです。
 結局、メトグルコは60以下で処方しても良いのですが、45以下になったら要注意と言うことでしょうか。






メトグルコ 本論文.pdf










posted by 斎賀一 at 20:34| Comment(0) | 糖尿病

2020年07月18日

甲状腺結節の診断

甲状腺結節の診断
 
Thyroid Nodules: Advances in Evaluation and Management


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 エコー検査の際に偶然、甲状腺に腫瘤を見つけることがあります。
大まかに言って下記の疾患を鑑別していきます。


・腺腫様甲状腺結節
  一見、良性の腺腫様に見える過形成疾患です。
  時間の経過とともに濾胞性変性、線維化、石灰化、骨化、出血という二次的変化が起きます。
  上皮が濾胞内腔に乳頭状に一見増殖することがあり、乳頭癌と誤診しないよう注意が必要です。
   (飯島病理より)

・腺腫様甲状腺腫
  上記の腺腫様甲状腺結節が多発している場合です。病理的には過形成疾患です。
  言葉的に注意が必要です。良性の腺腫に見えるが単に甲状腺が腫れている、つまり甲状腺腫です。
  (脾臓が腫れれば脾腫といいますが、甲状腺が腫れているから甲状腺腫ということになります。
   外国ではgoiterと言って混乱が生じません。)

・良性の甲状腺濾胞性腺腫
  さすがに腺腫は甲状腺から言葉的に離れています。
  単純性腺腫、コロイド腺腫、好酸性細胞腺腫、異型腺腫があります。
  (ルービン病理より)
  異型腺腫は、病理的にも癌との鑑別が困難です。

・甲状腺癌
  乳頭癌と濾胞癌がありますが、細胞の形で決めてしまいますので乳頭癌が多くなります。


 甲状腺の結節を鑑別するのは、実地医家にとってはかなりしんどいです。
勉強すればするほど袋小路に入ってしまいます。
勢いで専門家に紹介することが多いのですが、その際に一度単純に考えて、それから詳細に検索した
方がよい場合があります。
それにぴったりの論文が雑誌american family physicianの総説に載っていましたので、
纏めてみました。


1) 甲状腺に結節病変が見つかるのは、68%といわれています。
   しばしば偶然に発見され、ほとんどが良性です。甲状腺刺激ホルモン(TSH)が正常、または高値の
   場合は、原則としてFNA(穿刺細胞診)が勧められる場合もありますが、一般的には低エコーの充実
   性で1cm以上の結節性病変の場合に推奨されています。

2) 最近では、細胞診に分子生物学的診断を併用する傾向です。
   残念ながらエビデンスが十分でない点と長期予後のデータに乏しく今後の研究が待たれますが、
   臨床家も積極的に取り入れることが大事です。

3) 悪性の可能性があれば、6〜9ヶ月のエコーの再検が必要です。

4) 完全な嚢胞性(cystic)の場合やスポンジ状または嚢胞性が優位の場合は、ほとんどが良性のため
   2cm以上の場合のみFNAを勧めます。
   もしもFNAを行わない場合は、12~24ヶ月後のエコー再検を推奨します。

5) 実地医家の場合は結節が増大傾向の場合は紹介が必要であるが、繰り返しのFNAで悪性の診断が
   なければ、その後はエコーのみの経過観察で増大に注意すればよい。




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私見)
 参考文献を下記のPDFに掲載します。
 さすがに厚かましい私でも、ガイドラインのテキストは一部とさせていただきます。
 閲覧希望の方は医院長に申し出てください。または是非購入してください。






甲状腺エコー 伊藤病院.pdf

甲状腺腫瘍の超音波診断.pdf

抜粋.pdf








posted by 斎賀一 at 16:33| Comment(0) | 甲状腺・副甲状腺