2018年12月28日

亀田病院は今回ゾフルーザを見合わせる

亀田病院は今回ゾフルーザを見合わせる
           <ツイッター版>



 色々なネットで、亀田総合病院が今シーズンのインフルエンザに新規インフルエンザ薬のゾフルーザを見合わせたとの掲載があり、注目されています。

 日経メディカルに、感染症科部長の細川直登氏の見解が載っていましたので下記に掲載します。
説得力のある内容ですが、一点だけ私の無理解かもしれませんが異なる点がありました。
ゾフルーザ投与後のアミノ酸変異はタミフルの耐性化と異なり、その後のゾフルーザの耐性化には繋がらないと理解していました。
 現時点では本院でもゾフルーザを処方していますが、効果はかなりありそうですし、タミフルにおける
嘔気もなく、薬価を抜きにしますとかなり有力な薬剤だと思っています。
そうは言っても天下の亀田の感染症科の見解ですし、十分に症例を選ばなくてはならないと思いました。





ゾフルーザ 亀田病院.pdf














posted by 斎賀一 at 18:51| Comment(1) | インフルエンザ

2018年12月26日

インフルエンザの新薬・ゾフルーザ

インフルエンザの新薬・ゾフルーザ

Clinical Practice Guidelines by the Infectious
Diseases Society of America: 2018 Update on Diagnosis,
Treatment,Chemoprophylaxis, and Institutional Outbreak
Management of Seasonal Influenza



1226.PNG




 今シーズンのインフルエンザも流行期となっています。
現在は殆どがA型インフルエンザウイルスですが、稀にB型も発生しています。
各年度により流行のウイルスは違いますので、当然抗インフルエンザ薬の効果も若干異なる印象が
あります。

 新薬のゾフルーザは実験段階ですが、ウイルスの型に関係なく効果があるようです。
IDSAのガイドラインからゾフルーザの部分を抜粋して纏めてみました。
 (PDFの本論文で目次を添付しましたので開いてみてください。)
現段階では、本院も成人で発症2日以内の早期の場合は、ゾフルーザは有効な選択肢と考えています。
特にB型インフルエンザの場合は考慮すべきかもしれません。
私の以前のブログから “ゾフルーザ” で検索してみてください。


1) ゾフルーザはコントロールと比較して26.5時間症状を軽減する。

2) タミフルとの臨床効果において差はあまり無いが、副作用に関してはコントロールと比較しても
   差は無く忍容性はある。

3) ウイルスの呼吸器組織での存在期間は、明らかにタミフルよりゾフルーザの方が短い。
  (ゾフルーザが24時間、タミフルが72時間、つまり2次感染に関してはゾフルーザの方が予防できる。)

4) 症状が長引いた人や治療後5日以上でウイルスが同定された場合は、ゾフルーザに対するウイルス
   の抵抗性が10%程証明された。

5) B型インフルエンザウイルスに対しては、明らかにゾフルーザの方がタミフルより有効であった。

6) 以上の結果は、ガイドライン作成後に発表になっている。



           1226-2.PNG
           Healioより






Seasonal Influenzaa.pdf










posted by 斎賀一 at 19:59| Comment(2) | インフルエンザ

2018年12月25日

非ビラン性胃食道逆流症(NERD)における治療抵抗性

非ビラン性胃食道逆流症(NERD)における治療抵抗性
 
Prevalence and clinical characteristics of refractoriness to optimal
proton pump inhibitor therapy in non‐erosive reflux disease
Aliment Pharmacol Ther. 2018;48:1074–1081



1225.PNG
         


 胃食道逆流症(GERD)と非ビラン性胃食道逆流症(NERD)の関係を示した図は色々と探しましたが
残念ながら「今日の臨床サポート」が一番的確で分かりやすいので、ご迷惑を顧みず借用させて頂き
ます。




         1225-2.PNG


今日の臨床サポート

 GERDの治療はPPI(胃酸分泌抑制薬)が基本で効果もありますが、中には治療抵抗性(refractoriness)の症例もあります。
対策としてはPPIの増量、力価の高いPPIに変更、朝食前での服用に変更等が考えられています。
食道症状があり胃カメラで食道にビランが無い事を確認してPPIを処方し、それでも食道の症状が軽快
しない場合はどの程度か、またその場合にNERD、逆流の過敏症、機能性の胸焼けの割合はどうかを
調べた論文が出ていますので、ブログにしてみました。


1) GERD症状としての 胸焼け、胃内容の逆流、胸痛 : つまりSAP(symptom association
    probability)、及びその他として嚥下障害、ゲップ、心窩部痛、食後不快感、過敏性腸症候群、
   咽喉頭異常感症(globus)、ENT症候群(耳、鼻腔、喉頭の症状)等の症状がある患者573名を
   登録し、更に事前の問診によりPPIで軽快しない患者を92名選んで研究対象としています。
   (VISIT-1)
 
2) このPPI抵抗性の92名に対して、ネキシウム40mg(通常の倍量)を8週間服用し、その後8週間の
   経過観察中(VISIT-2)に食道症状が3回/週以上ある人の60名を更なる治療抵抗性として、食道の
   24時間逆流モニタリングの測定検査をしています。

3) 食道の24時間逆流モニタリング測定検査において、逆流は1日平均で64±17回で、内訳は酸逆流
   が31±11回、混合が26±11回、近位まで逆流が19±11回でした。
   モニタリングで逆流が陽性の定義 : AET(acid exposure time) : 食道内の酸のPHが4以下
   がモニタリング全体で6%以上あるか、4〜6%の場合は逆流が80回以上としています。
   以上によりモニタリングによる分類では
    ・NERD : SAPに関係なくAETがある場合      19名
    ・逆流過敏症 : SAPはあるがAETが無い場合   25名
    ・機能性胸焼け : SAPもAETもない場合       16名      合計60名

4) 下記のグラフのPDFをご参照ください。
   結論的には、PPIを適切に服用すれば治療抵抗性は20%程度で、治療抵抗性の1/3がNERDで
   残りの2/3は機能性か逆流過敏症である。






私見)
 胃カメラで逆流性食道炎が無い事を確かめた後にPPIを服用しても、食道症状が改善されなければ
 殆どが機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群関連疾患を考えなくてはいけない様です。
 特に心窩部痛、食後不快感、過敏性腸症候群の場合は、PPI処方よりも他の治療戦略を考えなくては
 なりません。
 多種にわたる腹部違和感は 「押してもだめなら引いてみな」 でしょうか。 

 全論文がMedscapeに転載されていましたが、内容が不明確のため元文献も調べてみました。
 残念ながら全く同じものでした。図表だけ元文献よりPDFにし、Medscapeの方を下記に添付します。





元文献より.pdf

ppi gerd Refractoriness to Optimal.pdf

患者さん用GERD.pdf

日経より.pdf















posted by 斎賀一 at 22:11| Comment(0) | 消化器・PPI