2021年06月15日

大腸がんの一等親血縁者のリスク

大腸がんの一等親血縁者のリスク

Risk of colorectal cancer in first degree
relatives of patients with colorectal polyps



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 大腸がんは遺伝しますかとよく質問されます。
今回スウェーデンより論文が発表されています。


纏めてみますと

1) 大腸がんの危険因子としてポリープがありますが、本論文では従来型の腺腫性ポリープに、
   鋸歯状ポリープ、絨毛状ポリープを含めています。
   (その他、tublovillous、sessile serrated polyp)

2) 1965年から2017年のスウェーデンの統計から分析しています。
   大腸がんの68,060人と、コントロール群の333,753人を比較検討しています。

3) (かなり詳細に層分類していますが、所詮覚えきれませんので要点だけ記載しました。
    下記の図譜をご参照ください。)

    ・一等親血縁者で2人以上にポリープがあれば、大腸がんのリスクが1.73と高い。 
    ・一等親血縁者の1人に大腸がんがいれば、大腸がんのリスクは1.7 
    ・一等親血縁者の2人以上に大腸がんとポリープがあれば、リスクは5.0となる。
    ・若くして大腸がんかポリープを発症した人がいれば、リスクが高い。





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   上の図の訳注
    FDRs;一等親血縁者   CRC;大腸がん   early onset;50歳以前の発症 
    No of FDRs with colorectal polyps and CRC;ポリープおよび大腸がんを伴う一等親
    血縁者の数

4) 結論
   一等親血縁者に50歳以下で大腸がんを発症した人がいれば早期での大腸がん検診をすべきです。
   また一等親血縁者で2人以上にポリープがあれば同様に注意が必要です。






私見)
 細かい層分類は本論文をご参照ください。
 いずれにしましても、リスクのある人は60歳以降注意が必要です。







Risk of colorectal cancer in first degree relatives of patients with colorectal polyps_ nationwide case-control study in Sweden.pdf













posted by 斎賀一 at 19:41| Comment(0) | 癌関係

2021年06月09日

ファイザーワクチンの青少年における効果と安全性

ファイザーワクチンの青少年における効果と安全性
 
Safety, Immunogenicity, and Efficacy of the BNT162b2
Covid-19 Vaccine in Adolescents
This article was published on May 27, 2021,at NEJM.org



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 健康な成人に対して、ファイザーのワクチンは中和抗体ばかりでなく免疫細胞のCD4とCD8を活性化
して新型コロナに対しての免疫機能を発揮します。
16-25歳のファイザー・ワクチンの効果と安全性は承認されています。
 今回は12-15歳と16-25歳とを比較して、効果と安全性に関して非劣勢(劣っていない)であることを
証明する研究がなされ、雑誌NEJMに掲載されています。


纏めてみますと

1) 12-15歳の青少年2,260人に、ファイザー・ワクチンを接種した1,131人とプラシーボの1,129人
   に振り分けて比較検討しています。


2) 結果、副反応は 


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          局所反応におけるA図が1回目、B図が2回目の接種です。
          12-15歳は16-25歳と比較しても非劣勢です。



  全身症状の副反応は


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          1回目の接種後の全身症状です。




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          2回目の接種における全身症状です。


これにおいても12-15歳は16-25歳に比べて安全性に関して遜色がありません。
12-15歳においても重篤な副反応はありませんでした。重度の副反応も稀でした。
重度な副作用は、12-15歳で0.6%、16-25歳では1.7%でした。
40度以上の高熱が1例報告されていますが、翌日には解熱しています。
12-15歳の接種群では、リンパ節腫大が9例(0.8%)でプラシーボ群は2例(0.2%)ありました。 
アナフィラキシー反応や血栓症の報告はありません。死亡例もありませんでした。

効果として
中和抗体の値も12-15歳は16-25歳と比べて1.76と非劣勢です。
    
ワクチンの2回接種後、7日以降で新型コロナの発症はありませんでしたが、プラシーボ群では16例発生
していました。


3) 考察
   12-15歳においては、2回接種後の7日でその効果は100%認められました。
   ワクチンの接種後の副反応で、全身症状は1回目より2回目の方が多い傾向ですが、16-25歳と
   同様の結果です。解熱剤の使用は12-15歳の方が16-25歳より多く服用していました。
   以前から若い人の方に副反応が強く出ると懸念されていましたが、結果的には差はありません
   でした。   
   しかも少数例ですが、コロナにすでに感染した人でも接種による副反応は強くありませんでした。
   このことは不顕性感染の青少年でも、安全に接種が出来る事を示しています。
   筆者は12-15歳の青少年の接種を強く勧めています。

   ・若い人は軽症な事が多いが感染源となっている。
   ・集団免疫を推進するためにも重要なポピュレーションである。
   ・若い人は集団での関わりが多い。
   ・ワクチンにより免疫を獲得することが若い人の行動範囲を広げ、安心かつ積極的な行動に繋がる。
   ・ワクチンは病気の予防ばかりでなく、感染をも抑制している。
   ・ワクチンは若い人の無症状感染も予防しており、社会全体の感染抑制に効果がある。




私見)
 青少年および小児での接種も、今後は視野に入れなくてはなりません。      
 保護者との十分な説明責任が不可欠です。
 現時点での青少年に対する集団接種には反対です。











posted by 斎賀一 at 19:21| Comment(1) | ワクチン

2021年06月08日

若年者の新型コロナ・ワクチンについてのパンフレット

若年者の新型コロナ・ワクチンについてのパンフレット
 
Children and COVID-19 Vaccines



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 雑誌JAMAより若年者(12歳以上)の保護者の方への新型コロナ・ワクチン接種に対する啓蒙のパンフレットがありました。和訳してブログします。




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下記に全文をPDF化して掲載します。
グーグル翻訳を利用しました。







私見)
 後日、若年者のワクチン接種に対するNEJMの文献もブログします。
 ワクチン接種の流れは小児へと向かっています。しかしこのポピュレーションでの集団接種には抵抗感
 があります。 ワクチンパスポートとあわせ、有事だからと言って大事な視点を置き去りにしたくはない
 ものです。








JAMA 日本語.pdf

JAMA コロナ・ワクチン 12歳以上.pdf











posted by 斎賀一 at 20:47| Comment(1) | ワクチン