2020年02月17日

急性心不全・Time is Muscle

急性心不全・Time is Muscle

    <業務連絡・院内勉強用>


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 雑誌JAMAに、急性心不全の治療に関する論文が出ていました。
前知識として、この機会に書籍を調べてみましたのでブログ勉強会とします。

 心筋梗塞の場合は「door to door」つまりは開業医から専門病院への転送の時間が問題となります。
余分な検査で時間を費やすことなく、的確な判断で後方病院に紹介しなくてはなりません。
[Time is muscle]と言われる所以です。
この事は急性心不全でも同じことが言われています。
急性心不全の場合には統計学的に調べてみますと、病院に到着して診断するまでに8時間以上経過
しており、更に適切な治療までには22時間も要していたとのデータがあります。
急性心不全の原因は多岐に亘ります。血圧も不安定で呼吸困難が診られれば、本院では状態によって
2次施設との連絡を取りながら、必要最上限度の下記の検査で紹介状を書かなくてはなりません。

・血圧測定 ・Spo2 ・簡易心エコー(駆出率、右心負荷、下大静脈)以上で転送の判断をし、
 更に・心電図 ・トロポニン(現在はベリファースト) ・胸部レントゲン(省略もあり)

 以上を看護師にお願いしながら、紹介状作成と救急車の連絡をするようにします。

やや余裕があり、本院での治療計画が可能と判断できたら、早期介入を実現するためのMebazaaを
提唱したクリニカルシナリオを用いる事が有効です。


要点を纏めてみますと

1) 先ず急性冠動脈症候群の鑑別が重要

2) 右心不全の鑑別 (利尿薬は禁忌)
   肺性心、肺塞栓症、右心室梗塞

3) 次に血圧により3パターンに分類
   ・収縮期血圧が140以上のクリニカルシナリオ1
   ・収縮期血圧が100~140のクリニカルシナリオ2
   ・収縮期血圧が100以下のクリニカルシナリオ3

4) クリニカルシナリオ1
   長い事高血圧が続き、心筋が疲弊してしまった状態
   硝酸塩やhANP(ハンプ)の血管拡張薬、又はARBで血圧を下げる。

5) クリニカルシナリオ2
   比較的ゆっくりとした進行の心不全を想定
   浮腫も認められる。
   血管拡張薬と体液貯留があれば、利尿薬も用いる。

6) クリニカルシナリオ3
   急激な発症もあれば緩徐な場合もあり。
   プレショックの状態
   予後も悪く、治療も総動員が必要なため2次施設への紹介が賢明

7) 収縮期血圧が高かったら、先ず実地医家のやる事は酸素吸入や検査でなく、ミオコールスプレーの
   吸入である。



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私見)
 時代は利尿薬よりも血管拡張薬の時代の様です。
 血管拡張薬としては
 ・ニトログリセリン
  ニトロペン、ニトロダーム、ミオコールスプレー
 ・硝酸イソソルビド
  アイトロール、フランドルテープ、ニトロールスプレー
 ・ハンプ点滴用(血管拡張薬+利尿薬の働きがある)

 ニトログリセリンのほうが動脈系を拡張するため、血圧が下がる。
 どちらを使用するかはベースラインの血圧により判断する。
 最近ではニトロペンの使用はやや時代遅れのようで、念のための処方のようです。
  (オマジナイでしょうか)

 試案;
  CS1又はCS2の場合は、本院では
  ミオコールスプレー、ニトロダーム、ラシックス1/2A筋注か点滴
  ARBの増量
  (ニトロダームは不安定、ラシックスは注意、との意見もありますが、ハンプ(1バイアルを
   5%ブドウ糖50cc,3cc/hrで開始)は高価で入院が必要です。 取りあえず。)



  

◆参考文献及び書籍

 ・急性心不全(CS 1)の第一選択薬は利尿薬ですか。血管拡張薬ですか。
  ;Heart View Vol.18 No.12(増刊号), 2014

 ・極論で語る循環器内科 ; 香坂俊、丸善出版

 ・エクスプレス循環器病ファイル ; 村川裕二、
   メテ可カル・サイエンス・インターナショナル

 ・この薬を本当に使う理由 ; 村川裕二
   メテ可カル・サイエンス・インターナショナル








ハンプ注射用1000 _ 今日の臨床サポート - 診断・処方・エビデンス -.pdf

右心不全.pdf









posted by 斎賀一 at 18:30| Comment(0) | 循環器

2020年02月15日

妊娠と薬物

妊娠と薬物
      <業務連絡用>



 先日は、妊婦の喘息薬剤に関して協力を頂いて有難うございました。
今後も本院の職員と薬局の皆さんで共通の認識が必要だと思いますので、私のメモ書きをブログして
みました。追加する必要があれば、また連絡ください。





◆主な参考書籍は

  ・drugs in pregnancy and lactation  ; Briggs 

  ・妊娠と授乳 ; 南山堂  (FDAおよびBriggsの書籍を参考に記載されており最近ではこれで
                    十分な感じで患者さんの説明に用いています。)







1 妊娠時の喘息のmedicationについて.pdf

2 Safety of antihistamines during pregnancy and lactation.pdf

3 妊婦の生ワク.pdf

4 妊婦漢方.pdf

5 甲状腺、妊娠.pdf

6 ジスロマック妊婦.pdf

7 妊婦とタミフル.pdf

8 妊娠と糖尿病 - コピー.pdf

9 日本糖尿病・妊娠学会.pdf

10 妊娠と糖代謝.pdf


























新型コロナウイルスの新たな段階

新型コロナウイルスの新たな段階

        <業務連絡用>


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 新型コロナウイルスの感染が、日本国内で散発的に発生しています。


現時点での本院での対策としては

1) 病初期での診断は不可能
   対策;上気道及び下気道感染の症状があれば先ずcommon diseaseを鑑別
       次に新型コロナウイルスも想定し、患者さんとは電話連絡を密にして重症化のサインを見落と
       さないようにする。

2) 新型肺炎の診断
   対策;血液検査では予測が出来ない。胸部レントゲンを積極的に実施
       両側性の肺病変があれば、2次施設か保健所に連絡

3) 院内感染の防止
   何時もの慢性疾患の患者さんは迅速に診察し、血液検査の説明や問診等の補足は電話診療
   とする。
   必要ならば一時期完全予約診療
   薬剤の宅配も希望の場合は考慮

4) 職員の予防と院内感染拡大の阻止
   各人の意見と創意が必要






私見)
 感染症の大御所の 岡部 信彦先生 が述べています。
 「水際対策はある時点で一気に撤退しなくてはならない。多くの従事者が疲弊してしまいます。
  重症者の見極めが必要である。」
 検疫者が感染したとの報道は、まさにこの事を表しているものでしょう。
 さすがは英知ある 岡部先生 の言葉だと思います。
 ワクチンンの開発は期待薄です。PCR法、LAMP法、迅速診断キットの開発が開業医に早く届いて
 ほしいものですが、これさえもはっきりしません。
 現時点では診断も治療もないまま、敵に立ち向かわなくてはなりません。
 悲観論は戦意を消失します。楽観論は敵に侮られます。

 しかし私は意外に楽観論者です。
 テレビのワイドショーは鉦や太鼓で囃し立て、開業医を小バカにしています。
 我々の踏ん張りどころです。職員の前向きな意見を取り入れて、精神的にも肉体的にも疲弊しないよう
 頑張りましょう。









  
posted by 斎賀一 at 14:19| Comment(0) | 感染症・衛生