2020年02月22日

新型コロナウイルスが子供にも感染の報告

新型コロナウイルスが子供にも感染の報告

業務連絡用



 子供には感染しにくいとの報告ですが、日本でも感染例の報道がありました。
大人から子供への感染と考えられますが、今後教育機関での感染が生じますと、
感染症の多くが示すように、子供から大人への伝搬が心配されます。

 CDCより、教育機関における対応のガイダンスが発表されています。
 
  「生徒や学生、教育関係者において新型コロナウイルスの感染が疑われたら、
   診断が確定するまで14日間の自宅待機(dismiss)を実施する事も検討する。
   再開は当該学生の追跡調査による」

インフルエンザにおいては、日本の学級閉鎖が海外で高く評価されています。
今後、新型コロナウイルスにおいてこのような実施が無い事を祈ります。

本院でも今後は、10歳以下の場合でも新型コロナウイルスを鑑別してまいります。
週明けに診療方法を皆さんと再検討しましょう。


https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/index.html






posted by 斎賀一 at 14:56| Comment(1) | 感染症・衛生

2020年02月20日

牛乳と健康

牛乳と健康
 
Milk and Health
   n engl j med 382;7 nejm.org February 13, 2020



20220.PNG
 
   


 最初は面白くもない内容で、読み続けると人生を一変するような読後感を味わう小説がありますが、
今回のNEJMの総説は、最初から結論が分かってしまうような、ちょっと味気ない読後感でした。
天下の雑誌NEJMに対して不遜な意見を述べるようで申し訳ないのですが、掻い摘んで結論(conclusions)より解説します。



「ガイドラインでは牛乳をコップ2杯以上(3servings 以上)飲むようにとの事ですが、人それぞれで良い
のです。例えは成人では0~コップ1杯です。
しかも普通の牛乳で良いのです。発展途上国では牛乳の役割は大きいのですが、あなたの国ではもう
お役目御免かもしれません。


個別で解説しますと

・子供の頃に牛乳をいっぱい飲むと、牛乳に含まれているアミノ酸、特にロイシンなどは成長ホルモンを
 活性化するので、確かに背は伸びますが骨折の危険、特に大腿骨骨折が増えます。
 カルシウムを銀行の預金の様に蓄える事は出来ないんです。
 サプリメントでカルシウムを多く摂っても骨量には影響はないし、もちろん牛乳を多く摂取しても骨折の
 予防効果も認められていません。
 却って骨折のリスクが増加(危険率1.64)との報告もあります。
 つまり4~8歳の子供も閉経前の女性も、カルシウムのサプリメントや牛乳を飲むなら少量で十分で、
 その効果も摂取を中断すると一過性の効果となってしまいます。

・牛乳を摂取すると心血管疾患の予防になるとかダイエットに繋がるとか言われていますが、これすらも
 ハッキリしないのです。ヨーグルトはダイエットに良いと言うデータはあります。
 高血圧にDASH食が良いと言われていますが、その中でも牛乳の役割はしれています。
 低脂肪の牛乳が脂質異常には良いと言うエビデンスも希薄です。

・だからと言って牛乳を心配し過ぎる事もありません。
 喘息になり易いとか、湿疹や食物アレルギーのマーチに繋がるのではと言った懸念や、自己免疫疾患を
 誘発するから1型糖尿病になり易いとか言われていますが、これすら根拠は希薄です。
  (成人での牛乳摂取は、喘息の増悪に関係あるかもしれないと釘を刺しています。)
 乳牛に成長ホルモンを与えて飼育しているから心配とか、オーガニックでの飼育が体に良いとか言った
 事もエビデンスが無いのです。
 しかも、妊娠している乳牛が搾乳に一番効率が良いのですが、この時はミルクの中にホルモン物質が
 多く含有されています。オーガニックが何だろうと、全ての酪農家はこの方法で搾乳しています。

・成長因子との関係で、牛乳は乳癌と前立腺癌をpromote(促進)する可能性が論じられていますが、
 発癌は人生の早期から始まっているので、これすらも心配し過ぎではないでしょうか。
 但し結腸癌には良いようです。                                      以上      






私見)
 全く私事ですが、牛乳と言えば「脱脂粉乳」を思い出してしまいます。
 元来、牛乳は好みではありません。
 毎日果物入りの甘いヨーグルトを食べていますが、これすら 都市伝説 かもしれません。






         20220-2.PNG











  

2020年02月18日

急性心不全に対する血管拡張薬の積極的治療の効果は?

急性心不全に対する血管拡張薬の積極的治療の効果は?
 
Effect of a Strategy of Comprehensive Vasodilation vs Usual
 Care on Mortality and Heart Failure Rehospitalization
 Among Patients With Acute Heart Failure
   JAMA December 17, 2019 Volume 322, Number 23



20218.PNG


       

 前日のブログで紹介しましたが、急性心不全の治療の主体は血管拡張薬との事です。
ならば急性心不全の発症時に積極的に且つ包括的に血管拡張薬を増量したら、その効果も顕著かを
調べた研究が、雑誌JAMAに掲載されています。


その前に村川裕二先生の格言を紹介
「心不全を細かく考えると前に進まない。
 プロでないなら(実地医家なら)薬物療法で対処できる程度の心不全を扱う。
 冠動脈疾患、甲状腺疾患、貧血を鑑別する。
 新規の急性心不全は、体液貯留が無いので血管拡張薬を優先
 (血圧が100以上あればミオコールスプレーは使用できる。)
 慢性心不全の増悪は、体液貯留があるので利尿薬も用いる。
 新規か慢性の増悪かは考えても意味がない。
 体重50kgの人にはニトログリセリン5アンプル(50cc)を50時間(1cc/時間)を持続注入器で使用
 する。とパターンで決めておく。
 ハンプは1バイエルを5%ブドウ糖50ccに希釈して3cc/時間で開始」

肩の力を抜いて自分なりのアレンジで本論文を解釈すると、意外に簡単になってしまいました。
本論文の主旨とかなりずれてしまいますので、原文の一部を下記のPDFに紹介します。


さて本論文を纏めますと
1) 医者になりたての頃、セルアプとダイクロSだけを処方していました。
   オーベンの先生に怒られてばっかりいた頃の記憶が蘇ります。そんな訳でヒドララジンは
   最初から省略
2) 入院して血管拡張薬を増量する7日間の積極的治療と通常の治療を比較していますが、結果は同等
   でした。
   180日後の死亡率と再入院率に差はありませんでした。
   更に7日間の治療後の呼吸苦とBNP値においても、改善に両群で相違はないようです。
   治療の経過とデータは下記のPDFを参照


私の治療方針
 急性心不全に関しては、甲状腺疾患、冠動脈疾患、弁膜症、貧血をチェックして下記の様に一人旅の
 治療とします。
 ・血圧が100以上の場合は取り敢えず本院で治療
 ・基礎疾患を鑑別、簡易心エコーで検査、心電図、胸部レントゲン、BNP、トロポニン検査
 ・血圧を管理しながら、ミオコールスプレーを30分間に3回まで行う。
  その後はニトロダームかフランドルテープを貼付
 ・ARBを追加か増量
 ・IVCDが高ければルプラック、ラシックス、ダイアートを追加
 ・翌日、3日後、1週間後に再診





◆参考書籍

 循環器治療薬ファイル 第3版 ; 村川裕二

 メディカル・サイエンス・インターナショナル





私見)
    慌てないためにはシュミレイション
    なるべく簡単なシュミレイション
    職員が共有できるシュミレイション






JAMA論文より.pdf










posted by 斎賀一 at 19:57| Comment(1) | 循環器