ピーナッツアレルギーと母乳
The protective effect of moderate maternal peanut consumption
on peanut sensitization and allergy
on peanut sensitization and allergy
昔は食物アレルギーのある新生児に、母親も除去食をして授乳するよう指導した時期もあり
ましたが、現在では母乳からアレルゲンは移行しないので、授乳に関して心配はないと指導
していました。ところがまた、逆転的な論文が出ています。
1) 卵アレルギーがあるか、又はかなりの乳児湿疹を有するリスクの高い4〜11か月の乳児を
対象にしています。生後ピーナッツ摂取を避けた303人を登録しています。
その中の281人が授乳をしていました。母親を3つのグループに分けています。
・181人が授乳中にピーナッツを全く摂取しない群
・69人が5gr/週以下の少量摂取群(平均で1.45gr/週)
・31人が5gr/週以上の高用量摂取群(平均で16.1gr/週)に分けています。
全体の平均では2.55gr/週です。
2) 生後60か月でプリックテストの反応により、ピーナッツアレルギーの有無を判定して
います。
高用量群は25.8%の陽性率、低用量群は10.1%、全く摂取しない群では25.4%でした。
同様に生後60か月に経口摂取のチャレンジテストでも、高用量群は19.4%、
低用量群は7.2%、全く摂取しない群では18.8%の陽性率です。
3) 考察
授乳の際に母親がピーナッツを多く摂取する事と全く摂取しない事は、ピーナッツに
対する耐用を損なうことに繋がります。
母親への授乳中の指導をどうするかは今後の課題です。
この事は他の食物アレルギーにおいても当てはまるのか、研究が待たれます。
私見)
何事も「過ぎたるは及ばざるがごとく」でしょうか。
The protective effect of moderate maternal peanut consumption on peanut sensitization and allergy - ScienceDirect.pdf