2018年11月12日

痛風の原因は食事よりも遺伝子

痛風の原因は食事よりも遺伝子
            <ツイッター版>




 Medical-tribuneに、痛風の原因に関しての記事が載っていましたのでご紹介します。
雑誌BMJからの紹介記事です。
対象は18歳以上で高尿酸血症の治療薬や利尿薬の使用歴がなく、腎臓疾患又は痛風発作の既往が無い人を対象に16,760人(男性8,414人、女性8,346人)登録しました。
 DASH食や地中海食などの健康的な食事をしている人の方が尿酸値は低下していましたが、その変化率は0.3%程度でした。更に個々の食品に関して調べてみますと、尿酸値の変化は0.06~0.99%しかありませんでした。
 一方で遺伝子解析では、尿酸値の変化率は23.9%と頻度が高い塩基多型で説明できました。
この結果は限定的で、尿酸値に関しては健康な人を対象にしており、現に痛風発作の患者さんに直接関連するかも定かではありません。
 しかし論者も指摘していますように、「痛風は自己管理が悪いからだ。」との一般的な誤解が、却って患者の医療回避に繋がってはいないかと懸念しています。
高尿酸血症や痛風は、個人の自助努力のみでは修正不能とのエヴィデンスを提示していると、纏めています。





1 高尿酸血症.pdf








posted by 斎賀一 at 20:26| Comment(0) | 整形外科・痛風・高尿酸血症

2018年11月10日

糖質制限はやせるのか? 健康にもよい?

糖質制限はやせるのか? 健康にもよい?



1110.PNG


    

 糖質制限はダイエットばかりでなく、糖尿病の食事指導でも市民権を得てきています。
今回雑誌Newtonに特集が組まれていましたので内容を抜粋してみました。


1) 日本人のエネルギー産生栄養素としては、たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物
   50~65%が目標とされています。

2) 糖質制限は小規模研究ですが、2〜6カ月後の体重減少は他の食事制限よりも効果があった
   ようです。
   但し無気力、頭が働かないといった副作用も報告されています。

3) 低糖質食では死亡リスクや心血管疾患のリスクも高まるとの指摘もあります。
   糖質50~55%の時に最も死亡率が低かったようです。





私見)
 短期的には痩せられますが、長期的にはリスクも疑われているようです。
 論者も言っていますがほどほどが無難の様で、本院で行っている週に二回の主食制限が一般的で
 しょうか。
 本論文のグラフは下記のPDFを参照ください。





Newton.pdf







posted by 斎賀一 at 14:25| Comment(0) | 糖尿病

2018年11月08日

C型肝炎の母子感染について

C型肝炎の母子感染について

 
Quasispecies Diversity Is a Major Risk Factor
for Vertical Hepatitis C Virus Transmission



1108.PNG



 B型肝炎とは異なり、C型肝炎は母子感染による垂直感染は稀と言われています。
C型肝炎に罹患すると血液内に抗体が出来ますが、C型肝炎ウイルスは賢くて肝細胞の中に隠れてこの抗体の攻撃を逃れ、慢性の肝炎へと進展してしまうと想像されています。最近では遺伝子的にアプローチされています。
よって他の疾患と異なり、C型肝炎の患者さんがC型肝炎ウイルスの抗体があったとしても治癒した事にはなりません。
 しかし、母子感染の場合には母親のこのC型肝炎ウイルス抗体が有効に働き、胎児の出産における垂直感染を防止するようです。
今回の論文では、HIVとの混合感染の時にその免疫機能が作動しない場合を調べています。
C型肝炎ウイルスもHIVウイルスと同様に変異が激しく、ワクチンを作るのが困難です。 (最近は明るい報告もあります。)
下記にウイルスの遺伝子配列を示します。



         1108-2.PNG



C型肝炎ウイルスを包むエンベロープにはE1とE2がありますが、その中のE2の末端にHVR-1と呼ばれる変異が激しく起こる領域があり、この部位が抗体から逃れる機能に関係しているようです。
つまり、母体のHVR-1の変異により垂直感染の有無が決まります。しかし母体がHIVと混合感染しますと、HVR-1の変異と関係せずに免疫機能が作動しなくなり、垂直感染を起こしやすくなるとの事です。





私見)
 C型肝炎の垂直感染は稀ですが、HVR-1の変異によっては成立してしまいます。
 HIV感染との混合感染では、変異に関係せずに垂直感染の頻度が増すようです。



hcv.pdf
















posted by 斎賀一 at 13:28| Comment(0) | 肝臓・肝炎