2018年05月14日

消化器内視鏡の感染制御;ASGEより2018年版

消化器内視鏡の感染制御;ASGEより2018年版
 
ASGE guideline for infection control during GI endoscopy
 


0514.PNG




 米国のASGEから本年度のガイドラインが出ましたので掲載します。
下記に日本のガイドラインもPDFで載せましたので、歴史と併せて参考にして下さい。


1) 細菌感染

   ・潜伏期は意外に短く、内視鏡関連の感染による症状は早期に出現する。
   ・サルモネラ感染は1974年と1987年に報告がされているが、その後は無い。
   ・最近ではグルタルアルデハイドに、耐性のpseudmonasが報告されている。
   ・ピロリ菌の感染報告は殆ど無い。ピロリ菌陽性患者が内視鏡検査をすると、最大で61%に内視鏡
    が汚染されるとの報告があるが、通常の洗浄方法により完全に消毒されクリーニングされるとの事
   ・結核菌を始めとしたmycobacteriaの感染伝播の報告はない。
   ・C difficileによる感染の報告もない。
   ・以前は多剤耐性菌の感染報告がなされていたが、現在での通常の洗浄消毒方法では報告されて
    いない。


2) 慢性ウイルス感染

   ・同定するのは統計学的に困難だが、基本的には感染は極めて稀とされている。
   ・C型肝炎ウイルスに関して、不完全な洗浄消毒により発生の報告があるが稀で殆ど無い。
    内視鏡による直接的な感染よりも、他の感染経路が想定されている。(注射針の針刺し事故
    など?)  0.042人/1000人/年の発生が推定される。
   ・B型肝炎ウイルスの感染は、少数だが報告がある。しかし適切なガイドラインの発表以降は報告が
    無い。120人の陽性者の後の内視鏡検査で、6か月の経過観察によって感染者は発生していない
    との論文がある。別の論文でも3/722の発生と極まれであった。
   ・HIVに関しても、通常の洗浄消毒で99.0%以上の安全性がある。感染は殆ど無いとして良い。


3) 洗浄消毒方法

   ・手動(用手)クリーニングを最初に行うのが最も大事である。
    内視鏡に付着した分泌物が固まる前に、ブラッシングにより用手洗浄する。
    この工程により、細菌のバイオフィルムが内視鏡表面で成長するのを防げる。
   ・消毒は色々な方法がFDAにより許可されている。  ガスや消毒薬である。
    消毒薬による方法は、自動洗浄消毒装置を使用する事が基本である。
    消毒の後に充分なリンス(すすぎ)と乾燥が大事。洗浄の後に70%アルコールによるフラッシュ
    洗浄も行う。
   ・移動内視鏡検査に関しては特に注意が必要
    (本院ではグルタラール使用の自動装置を使用しています。)
   ・要は、浸漬<洗浄<消毒<洗浄(すすぎ)<乾燥<保管 のプロセスが大事


4) 洗浄消毒の欠陥

   ・多くの原因は自動装置の欠陥か、人的失敗である。
   ・手動やハイレベルの消毒は実施者によるところが多いので、常にトレーニングとチェックを怠りなく
    しなくてはいけない。
   ・内視鏡による感染症は極めて稀であるが、倫理上常に公開を心掛けて、感染の拡大に注意が必要
    である。


5) 職員への感染防除

   ・血液サンプルへの注意
   ・注射器はリキャプせずに廃棄する事
   ・ピロリ菌の感染の機会は多いので、手袋の着用及び検査ごとの手洗いを励行する。


6) 内視鏡室の定期的な消毒も必要


7) 内視鏡検査における管理責任者を任命し、常に感染制御に関して教育、トレーニング、チェックを
   怠らないようにする。





私見)
 通常の内視鏡検査では感染は起らないとの事です。
 問題は人間がやる事だからとの批判に耐えるだけの、十分な管理体制が必須との趣旨の論文と重く
 受け止めます。





内視鏡消毒 ガイドライン.pdf

日本のガイドライン.pdf










posted by 斎賀一 at 20:10| Comment(1) | 消化器・PPI

2018年05月11日

内視鏡検査と抗血栓薬(本院における)

内視鏡検査と抗血栓薬(本院における)

業務連絡用



 本院の職員が私のためにストラテジーを作成してくれました。
 ありがとう!

 

  本院における内視鏡検査時の抗血小板薬の対応.pdf







posted by 斎賀一 at 21:32| Comment(0) | 消化器・PPI

乳酸アシドーシスについて

乳酸アシドーシスについて
            <業務連絡用>




 以前のブログで酸塩基平衡について記載しましたが、電解質の Na−Cl がアシデミアの判定に有効
です。
アシデミアでは水素イオンが多いので、プラスイオン同士の細胞の中のカリウムと交換して細胞外にカリウムが多くなります。
またイオン化Caも低下していますので、以上より
1) Na−Cl  2) 血清K  3) イオン化Ca 
の3点を調べてアシデミアを判定します。 (本院での話ですが)
乳酸アシドーシスを迅速に診断しなくてはなりませんが、判定には2〜3日かかります。よって疑いがあれば上記の3点を迅速に検査し、且つ乳酸も同日に検査して後日確定します。
 尚、乳酸アシドーシスとその診断ストラテジーに関しては、下記のPDFを参照して下さい。





 「今日の臨床サポート」を試験中



1 乳酸 日経メディカルより.pdf

2 アシドーシス乳酸.pdf

3 乳酸アシドーシス (2).pdf













posted by 斎賀一 at 20:12| Comment(0) | その他