2019年08月22日

スタチン(脂質異常症治療薬)は高齢者でも継続服用を!

スタチン(脂質異常症治療薬)は高齢者でも継続服用を!
 
Cardiovascular effect of discontinuing statins for
primary prevention at the age of 75 years:
a nationwide population-based cohort study in France
 


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 75歳でもスタチンを継続服用していないと、その後に心血管疾患を起こす可能性が増すとの論文が、
フランスより発表になりました。


纏めますと

1) 登録者は2012〜2014年に75歳になった人で、更に下記の条件をクリアーした人です。
   ・心血管疾患の既往がない人 (つまり一次予防効果)
   ・試験(トライアル)の2年前まで、スタチンを正確に80%以上服用していた人

2) トライアルは、その後もスタチンを継続服用した群と、連続して3か月間以上服用を中断した群で
   比較検討しています。

3) 主要転帰は心血管疾患による入院率です。
   全体で120,173名が登録しています。
   両群の比較期間は、平均で2.4年間です。
   中断した群は、17,204名(14.3%)です。
   心血管疾患で入院した人は、5,396名(全体の4.5%)です。

4) 中断した群の危険率は
   ・全ての心血管疾患では、1.33
   ・冠動脈疾患では、1.46
   ・脳卒中では、1.26
   ・その他の心血管疾患では、1.02 でした。

5) 結論として
   75歳になったからと言って急にスタチンを中断すると、そのリスクは33%も増加する。






私見)
 以前の私のブログで紹介しましたスタチンのレガシー効果(遺産効果)に対して、高齢者の場合は
 「そんなのないよ。」と言いたいような結論です。
 「なんなんだよ。年寄はたったの3か月以上何もしなかったら遺産はパーかよ!」
 75歳を迎える私としましては、この論文はまるで僕の事みたい。






effect of discontinuing statins.pdf










posted by 斎賀一 at 14:53| Comment(0) | 脂質異常

2019年01月28日

夕食はやっぱり軽めがいい

夕食はやっぱり軽めがいい
 
Energy intake at different times of the day: Its association
with elevated total and LDL cholesterol levels



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 夕食が高カロリーだと栄養分が体内に蓄積されてしまうと、以前より指摘されていました。
それを証明する論文が掲載されています。
台湾からの報告です。


纏めてみますと

1) 1,283人の健康な人を対象にしています。
   24時間の食物摂取量のデータを回収し、それを炭水化物、蛋白、脂肪に分けて計算し調査して
   います。

2) 食事の時間帯は6分類としています。
   メインの食事としては、午前中(午前5時から午前9時29分まで)、正午(午前11時30分から
   午後1時39分まで)、夜間(午後5時30分から午後8時30分)
   軽食としての追加の3つの時間帯が含まれています。
   午前中(午前9時30分〜午後11時29分)、午後(午後1時30分〜午後5時29分)及び
   夜間(午後8時30分〜午後4時59分)

3) 回収データの解析後に1~3週間して受診し、空腹時の中性脂肪、総コレステロール、HDL、LDLを
   測定しました。
   結果、コホートにおける平均エネルギー摂取量は、午前中に385 kcal(95%CI、353-416)、
   正午に522 kcal(95%CI、483-561)、夜は557 kcal(95%CI、516-597)でした。
   軽食に関しては、午前の軽食が123 kcal(95%CI、106-140)、午後の軽食は171 kcal
   (95%CI、141 200)、夜食は169 kcal(95%CI、139-200)

4) 結果として
   夜間に100kカロリー増加する毎にLDL-コレステロールは0.94mg増え、特に脂肪が100kカロリー
   増加する場合、LDL-コレステロールは2.98mg増えます。
   一方夜間の食事の100kカロリーを朝か正午に移すと、それぞれ、LDLは5.21mg、3.19mg減少
   しました。

5) 筆者は、コレステロールが夜間に栄養分から代謝形成されるためと説明しています。






私見)
 台湾からの報告ですので、食生活が若干、日本と異なるかもしれません。
 軽食つまり間食が多い気がします。飲茶の習慣でしょうか。
 一日全体での総摂取カロリーは、約2,000kカロリーです。
 又、本論文では研究期間が短い気もします。LDLに対する食事の影響はかなり時間を要すると思い
 ますが、 短期間でも結果が出るとも言えます。
 欧米では夜間は少ないと聞いていますが、特に日本では脂質異常症の患者さんに食事を摂る時間帯
 の指導も必要な様です。






コレステロール 食事 HL.pdf















posted by 斎賀一 at 19:39| Comment(1) | 脂質異常

2019年01月18日

イコサペント酸(EPA製剤)は高中性脂肪血症の心血管疾患を軽減する

イコサペント酸(EPA製剤)は高中性脂肪血症の心血管疾患を軽減する
 
Cardiovascular Risk Reduction with
Icosapent Ethyl for Hypertriglyceridemia
n engl j med 380;1 nejm.org January 3, 2019



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 脂質異常症は心血管疾患のリスク因子ですが、中性脂肪(TG)は悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)とは異なった独立リスク因子と捉えられています。
中性脂肪を低下させるナイアシン系やフィブラート系の薬剤は、心血管疾患の軽減にはエビデンスが不十分だとされています。
日本のJELIS研究では、スタチン系にEPA製剤1.8gを追加する事により心血管疾患を19%軽減されたとする報告が以前にされています。

 今回は雑誌NEJMよりREDUCE-IT研究の報告がされています。


纏めてみますと

1) 対象者は45歳以上で心血管疾患の既往のある人か、50歳以上で糖尿病と他の危険因子を有し
   既にスタチンを服用している人です。
   空腹時トリグリセリド値 135〜499 mg/dL、低比重リポ蛋白コレステロール値41〜100 mg/dLを
   対象にしています。

2) 精製されたEPA製剤2gを1日2回(1日量 4g)投与する群と、プラセボを投与する群に無作為に
   割り付けました。
   主要評価項目は、心血管死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠血行再建、不安定狭心症
   の複合としています。

3) 8,179 例を登録し、4.9年間追跡しました。
   主要評価項目のイベントはEPA群の 17.2%で発生したのに対し、プラセボ群では 22.0%でした。
   心房細動や心房粗動による入院の割合は、EPA群のほうがプラセボ群よりも高かった。
    (3.1% 対 2.1%)
   重篤な出血イベントは、EPA群の 2.7%とプラセボ群 2.1%の発生でした。

4) 考察として
   ・心房細動に関する入院率がプラセボ群よりEPA群で多い結果となっていますが、その頻度は極めて
    少ないとの事です。
   ・本研究では精製されたEPA製剤4gに対して、JELIS研究では1.8gでした。
   ・EPA製剤ではLDL-コレステロールの増加は認められませんでしたが、DHA製剤を基本とした研究
    では、LDLは増加していました。
   ・中性脂肪のベースラインの違いや到達値の違いに関係なく、EPA群の方がイベント発生を減少して
    いました。この事から、単に中性脂肪の低下だけでなくEPA製剤そのものの生理薬学的作用が働い
    ていると推定しています。
    現にそのようなプラスの効果は、服用後暫くしてから認められている事と、炎症の指標のCRP値が
    低下している事からも推測できるとしています。

5) 結論として、スタチンに精製されたEPA製剤を追加する事は、心血管疾患に対して有効としています。






私見)
 本論文でも述べていますが、EPA製剤と言っても精製されたもので、サプリにも適応するかは不明です。
 出血傾向の心配がない点や中性脂肪が下がらなくても良い点は何ともありがたい報告ですが・・・。
 さて4gとは、薬価が高いのが気になります。
 差し当たり心血管疾患の既往のある人が4gの対象でしょうか。
 単にリスクが心配な場合は、従来通りに少ない量で様子をみたいと思います。





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       ネットより
       nもωも同じ意味の様です。






1 nejmより.pdf

2 薬物治療の適用とその意義.pdf

3 EPAの使い方.pdf

4 脂質異常症.pdf

5 DHAとEPAの違い.pdf

6 エパデールとロトリガ.pdf








posted by 斎賀一 at 21:51| Comment(0) | 脂質異常