めまいの原因についてリスクを層別化するための
臨床スコアの開発
臨床スコアの開発
Development of a Clinical Risk Score to Risk Stratify for a Serious Cause
of Vertigo in Patients Presenting to the Emergency Department
of Vertigo in Patients Presenting to the Emergency Department
めまいの臨床診断は、日常茶飯事です。
勢い脳外科に依頼する事も間々ありますが、リスクのスコア化を記した論文が出ましたので
ブログします。
めまいを表す言葉にdizziness,vertigo,imbalanceがありますが、本論文では明白な区別を
なくし、めまいとして一括しています。
重大な疾患として、脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、脳腫瘍、椎骨動脈解離としています。
めまいの30〜50%がCT検査を受けています。その中の98%が正常でした。
CTによる脳卒中やTIAの診断確率は報告者により異なり、7〜16%です。
しかし、めまいで入院し良性として退院した人は、マッチングしたコントロール群と比較して
7日以内の脳卒中の発生は50倍と高率でした。
1)カナダの3病院で2019年7月から2022年8月までにめまいで救急外来受診者を対象にして
います。
救急外来を受診した18歳以上の2,618人の内、2,078人が登録しています。
症状が発症したのが14日以上前の場合、過去14日間に頭頸部外傷がある場合、グラスゴー
昏睡スケールスコアが15未満、収縮期血圧が90mm/Hg 未満、過去14日間で失神エピソード
がある場合、または活動性の悪性腫瘍がある場合は、本研究から除外されました。
平均年齢は77.1歳。59%が女性。重大な疾患は111人(5.3%)でした。
7項目を予測因子としました。
男性、65歳以上の年齢、高血圧、糖尿病、運動/感覚障害、小脳の徴候/症状、良性発作性
頭位めまいの項目です。
2)結果
重大原因の確率は、スコア<5で0%、スコア5から8で2.1%、スコア>8で41%の範囲
でした。
患者の3分の1以上がCTを受けました。
重篤な診断を除外するための検査としてCTを使用することは、感度が低く、利益が限られて
います。コホートでは45.9%(95%CI 36.8%〜55.2%)の感度でした。
3)結論
結論として、サドベリーめまいリスクスコアは、患者のめまいの原因として深刻な診断の
リスクを特定します。
検証されれば、医師の調査、診察、治療の決定を導き、リソースの利用を改善し、診断の
見逃しを減らすのに役立つ可能性があります。
私見)
基本的にはBPPV(良性頭位変換眩暈)との鑑別が重要となります。
BPPVのめまい発作は一過性で、特定の頭位でのみ生じます。
Dix-Hallpike(ディックス・ホールパイク)法とRoll test(ローリングテスト)が基本です。
安易にCTやMRIに頼らないことも大事です(?)
スコアのPDFとアクセスを、下記に記載します。
・Dix-Hallpike
https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=dix-hallpike%ef%bc%88%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%91%e3%82%a4%e3%82%af%ef%bc%89%e3%83%86%e3%82%b9%e3%83%88&mid=C1A625F5650D6ACAA5A8C1A625F5650D6ACAA5A8&FORM=VIRE
・Roll test
https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=Roll%20test&mid=6A360D2EA9BA0885F6E36A360D2EA9BA0885F6E3&ajaxhist=0
本論文.pdf
めまいのスコア.pdf