2023年07月24日

正中菱形舌炎

正中菱形舌炎

Median rhomboid glossitis caused by tongue-brushing


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 雑誌CLEVELAND CLINIC JOURNAL OF MEDICINEに正中菱形舌炎の記載がありました
ので、ブログします。


1) 症例は元来健康な57歳の女性です。
   彼女の子供から口臭を指摘されてから、舌をブラッシング始めたそうです。
   その後に写真のような舌炎が起きています。

2) 彼女は喫煙者ではなく、血液検査も異常なし、カビ検査も陰性でした。

3) 舌のブラッシングをやめて1か月後には、殆ど治癒しています。

4) 人口の1%までが本疾患を経験しています。
   鑑別に、糖尿病、免疫機能障害、抗生剤服用、歯科処置があります。







私見)
 介護施設でも親切に舌のブラッシングをしてもらっています。
 舌苔が厚い人は、個人的に歯ブラシで行ってもいます。
 注意が必要なようです。






舌磨き.pdf









posted by 斎賀一 at 18:01| その他

2023年06月09日

エイジングは可逆的、だけど時計の針は戻せますか?

エイジングは可逆的、だけど時計の針は戻せますか?
 <短 報>
Biological age is increased by stress and restored upon recovery

   

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 患者さんには運動を始めとして、毎日の努力が老化のスピードを遅らせることが出来るし、
少し前の自分にも回復出来ると説明していましたが、それを証明した論文が載っています。
実験動物と人間におけるデータです。


1) 人間を含めてエイジングの生物学的マーカーは、DNAmethylation(DNAm)と言われて
   います。
   若いマウスに年老いたマウスの血管を移植して、3か月経過をみます。
   劇的にそのマウスは臓器のエイジングが起きますが、その後にその血管を離しますと、
   そのマウスの臓器の生物学的マーカーはエイジングが若返っていました。

2) 人間にも同様の事が起こっています。
   大腿骨骨折の手術後、24時間以内に生物学的マーカーのエイジングが起きます。
   しかしその後1週間以内にベースラインに回復します。ただし外傷でない待機的手術の
   場合は同様なことは起きていません。
   一方で、妊娠にて女性は生物学的マーカーのエイジングは起きますが、出産後にはそれも
   回復します。重篤な新型コロナ感染で入院していても、退院後は生物学的マーカーは
   ベースラインに回復します。

3) このアンチエイジングが必ずしも起きるわけではありませんし、確かなものではないが、
   何がアンチエイジングに関与しているのか、今後の研究が待たれるとしています。







私見)
 残念ながら老化と病気とは一緒になってやってきます。
 黒沢監督の「生きる」を思い出しました。胃がん末期の宣告を受けた主人公が失意の中で、
 部下の若い女性の奔放さに魅力を感じるのです。
 偶然にもお茶の機会があり、自分が癌であることをこの若い女性に告白し、今後も会食を
 願うシーンがあります。キモイと感じた女性は「何かしてみたら」と突き放します。
 その後紆余曲折があり、主人公は公務員としての自分の仕事に最期の生きる意味を見出し
 心骨を注ぎます。

 先日のNHKで90歳の菅原洋一の「知りたくないの」を聞いて感動しました。
 初出場の時より味わいが増しています。単にエイジングは抗うばかりではないと思いました。
 
 アンチエイジングはベースラインには回復します。しかし若い頃をもう一度は、遥か彼方の
 夢物語です。抗わずに味を出せばいいと悟っています。
 私にとって、老化はどうにも止まらないのですから、妻の手鏡で時々見て、キモイ行動だけは
 避けようと思っています。








老化Biological age is increased by stress and restored upon recovery_ Cell Metabolism.pdf

















posted by 斎賀一 at 17:57| その他

2023年04月20日

ヨーグルトは更年期の体重増加に予防効果あり

ヨーグルトは更年期の体重増加に予防効果あり
 <短 報>

Dairy Foods, Weight Change, and Risk of Obesity During
The Menopausal Transition



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 更年期における肥満予防で、ヨーグルトに効果があるとの前向き研究がありました。
加えてヨーグルトを多く摂取すると、生活も活動的になるとの事です。
 更年期においては、ホルモンのアンバランスより体重増加を呈しますが、乳製品に関しては
これまでその効果は賛否が分かれていました。ヨーグルトに関しての結論の様です。


1) 116,429人の看護師が参加しています。25〜42歳(平均年齢45.8歳)で1989年から
   統計を取っています。平均BMIは25.0です。2年ごとのアンケートになっています。
   ヨーグルトは12年間の平均です。
   癌患者、糖尿病、心血管疾患は除外しています。
   12年間自己申告の報告を受けています。
   主要転帰は更年期周辺で12年間の体重増加です。

2) 1週間に2人前の量のヨーグルトを摂取した人は、1か月に1人前の量の摂取者と比べて
   体重は31%減でした。
   但し、1日に2人前以上のヨーグルトを摂取した人は1人前以下の人と比べて、体重減量の
   効果はたったの12%でした。






私見)
 私としましては、生活の活動性亢進に関心があるのですが ...。










ヨーグルト.pdf











posted by 斎賀一 at 13:31| その他