2019年10月26日

ペニシリンアレルギーの経口負荷試験

ペニシリンアレルギーの経口負荷試験

業務連絡用



 以前よりペニシリンアレルギーの経口負荷試験を本院でも実施に向けて検討しておりましたが、
なかなか具体的に実現しませんでした。
今回、職員の努力で素案が完成しました。

具体的には、
 
 ・ 以前にペニシリンアレルギーがあったと思っている人に対して、JAMAの問診表を参考にし、
   やはり職員が作成した本院の問診表で事前に調べる

 ・ 抗生剤の服用において、多くの疾患が第一選択がペニシリンである事を理解してもらう。

 ・ ペニシリンアレルギーについて理解してもらい、負荷試験の内容も説明する。

患者さんには本院のブログを事前に閲覧してもらう。
(ペニシリンアレルギーにて検索)
尚、本院の問診表、本院用に改訂したJAMAの問診表、ペニシリンアレルギーを下記に掲載します。




1 ペニシリンアレルギーに対する経口負荷試験.pdf

2 本院における問診表 (1).pdf

3  jama改訂.pdf

4 JAMAより.pdf








2019年10月05日

ペニシリンアレルギーに対する直接チャレンジテスト

ペニシリンアレルギーに対する直接チャレンジテスト
 
Comparing Direct Challenge to Penicillin Skin Test
in for the Outpatient Evaluation of Penicillin Allergy:



1005.PNG



 私の以前のブログでも紹介しましたが(ペニシリンで検索)、ペニシリンアレルギーだと思っていても真の症例は稀のようです。
統計学的には、90%以上がペニシリンアレルギーではなかったとの報告もあります。厳格な問診が大事です。
しかも、ペニシリンを避けて広域性の他の抗生剤を投与した結果、耐性菌を生じる可能性が増加傾向との警告もあります。ペニシリンアレルギーを診断する事が、実地医家の場合に重要な課題となります。

 ペニシリンアレルギーを診断するには皮内テスト(PST)が基本ですが、軽症と想定されていれば直接の経口服用によるチャレンジテスト(DC)も有効との論文が出ましたので、ブログにしてみます。



纏めてみますと

1) 対象者は、アレルギー反応が低リスクで単純な皮膚反応(発疹、発赤、蕁麻疹)の人を登録して
   います。IgE関連の反応(アナフィラキシー、血管浮腫、呼吸器症状、循環障害)は除外しています。
   5歳以下の場合は、皮膚反応があった場合は全てPSTとDCを実施。
   5歳〜17歳の場合は1年以上前の既往歴を参照し、18歳以上では10年以上前の既往歴を採用して
   います。
   家族歴や本人で、その後ペニシリンの服用が可能な例は対象にしていません。

2) PSTは従来からの方法を採用。DCは2段階法を採用しています。
   DC2段階法とは、最初は1/10量を服用し30分間の経過観察後に全量を服用します。
   実際にはアモキシリンを20と200mg、又は40と400mgです。

3) 2,465名の対象者の中で、問診により363名がペニシリンアレルギーと判定して、PSTとDCのテスト
   に振り分けています。
   367名の中で280名(77.1%)はアレルギー反応が皮膚反応のみでした。内訳は171名が皮膚発疹
   (rash)、109名が蕁麻疹です。
   結局、367名中185名(51%)は完全に本論文のテスト評価ができました。

4) PST実施の80名の内10名(12.5%)が陽性、70名(87.5%)が陰性でした。
   DC実施の79名の内3名(3.89%)が陽性、76名(96.2%)が陰性でした。
   結果的には、PSTと比較してDCは約8.7%陽性率が低い事になります。
   しかしこの結果はPSTの誤診断の範囲であるとしています。
   しかもDCで急なアレルギー反応を起こしたのはたったの3名で、何れも抗ヒスタミン薬で対応が可能
   でした。エピペンの使用もありませんでした。
   又PST及びDCともに、30分以上の遅発性反応はありませんでした。

5) 結論として、高リスクの患者にはPSTが基本ですが、低リスクの患者ではDCの2段階法が十分に
   有効であったとしています。







私見)
 ペニシリンアレルギーだと思っていても、厳格な問診と直接的なチャレンジテストでその率は3%程度に
 低下出来そうです。
 下記に、以前本院の職員が作成した問診表とJAMAの文献も掲載します。
 実際の2段階チャレンジテストの方法は、職員と相談し作成しましょう。
 尚、ロセフィンの注射ではPSTを行いたいと思っています。







1 本論文より .pdf

2 問診表.pdf

3 suppl2.pdf

4 JAMAE38288E3828A.pdf

5 JAMA.pdf


























2019年09月03日

ジェネリック薬品の光と影

ジェネリック薬品の光と影
 
インド製ジェネリックの恐るべき実態  Newsweek 日本版




 厚労省の方針で、ジェネリック薬品の使用が増加しています。本院でも基本的にその方向です。
今回Newsweek日本版に、ジェネリックに関する記事が載っていましたので、丸ごと拝借してブログに
しました。Newsweekは公平でグローバルに、情報を教えてくれる数少ない雑誌だと思っています。
 (ゴマを擦らなくては後で怒られそうなので。)


 先般、世界でも有数な多国籍製薬メーカーのジェネリックが、突然発売中止となりました。
メーカーに問い合わせますと、原材料は色々な国から輸入していたが、その中で中国からの物を厚労省に申告していなかったため、日本では許可が取り消されたとの事でした。製品内容には全く問題ないとの説明でした。

環太平洋経済連携協定(TPP)11が承認されましたが、先発メーカーの要望で知的財産権の延長が認められ、ジェネリックに対しては逆風となっています。
しかし、逆にTPPが推進されたら多国からの医薬品が日本に上陸し、その果てはしっかりとした品質管理が出来るのか不安になります。

経済産業省のホワイト国における輸出管理のカードも大事だと思いますが、輸入管理の厳格化を厚労省
にお願いしたいです。





1 インド製ジェネリックの恐るべき実態.pdf

2 tppは .pdf

3 TPP11_kaisetsu.pdf