限局性前立腺癌に対する部分治療
<短 報>
Evaluation of Outcomes Following Focal AblativeTherapy for Treatment
of Localized Clinically Significant Prostate Cancer in Patients >70 Years
:A Multi-institute, Multi-energy 15-Year Experience
of Localized Clinically Significant Prostate Cancer in Patients >70 Years
:A Multi-institute, Multi-energy 15-Year Experience
前立腺癌の治療は、患者さんの状態により選択肢があります。
今までのブログもご参照ください。
その中の一つにHIFU(高密度焦点式超音波療法)があります。
腰椎麻酔を行い超音波の発生する機械を直腸に入れ、前立腺を100℃近くに加熱し癌を治療する
方法です。そのHIFUに関連した論文がありましたのでブログします。
(下記のネット情報もご参照ください。)積極的治療(radical)と部分治療(focal)を
比較しています。
1) 2006年から2020年までに70歳以上(平均74歳)649人を登録しています。
60%が中間リスクで、35%が高リスクでした。
最終的には262人の部分治療・HIFU(アブレーション治療および冷却療法・cryo)と
262人の積極治療(多くがホルモン療法と放射線治療の併用)をマッチングして比較
しています。
2) 5年間の経過観察(平均24か月)を行っています。
主要転帰は更なる積極治療への追加、全身治療への変更、遠隔転帰の有無、前立腺癌の
死亡からのfreeな状態としています。
3) 113人(17%)は更なる治療が必要となっています。
16人が積極治療を要し、44人に全身治療が必要でした。
上記の主要転帰から、freeな状態が5年は経過していたかを比較しますと、
積極治療が96%、部分療法が82%でした。
部分療法の5年生存率は、96%でした。
4) 当然ながら、積極療法の方が結果は有効でした。
しかし、メイヨクリニックの筆者は高齢者で合併症や基礎疾患がある場合は、部分療法は
有効な選択肢と結論づけています。
私見)
定期的な市のPSA検診を受けるように指導して参ります。
エコーにて前立腺肥大があれば、本院でもPSA検査を原則5年に1回実施して参ります。
治療は早期なら早期ほど選択肢があります。
追伸
本日、労災病院の病診連携のパーティーがありました。
コロナ禍で久しぶりに会った先生も多く、楽しいひと時でした。
ドクターY先生が「先生のブログを読んでいるよ。」との言葉をかけていただき、望外の
喜びです。
ホーバスヘッドコーチの「試合はまだ終わっていない。」の言葉と共に、折れかかった気持ち
に鞭を打って今日はブログしました。
本論文 (2).pdf
フォーカルセラピー.pdf