低ナトリウム血症・補足説明 治療編
<院内勉強用>
uptodateを主体に纏めてみました。
無症候性の血清ナトリウム<130 mEq/Lの急性低ナトリウム血症患者では、通常、血清ナトリ
ウムがさらに低下するのを防ぐために、3%生理食塩水(すなわち、高張生理食塩水)の50mL
ボーラスで治療します。
ただし、低ナトリウム血症がすでに水利尿のために自己矯正されている場合、高張生理食塩水
は投与しません。
血清ナトリウム<130 mEq/L)の急性低ナトリウム症患者で、頭蓋内圧の上昇による可能性のある
症状(発作、曖昧、昏睡、呼吸停止、頭痛、吐き気、嘔吐、振戦、歩行または運動障害、または
混乱)がある場合は、3%生理食塩水の100mLボーラスで治療します。
軽度の低ナトリウム血症(血清ナトリウム130〜134 mEq / L)−軽度の慢性低ナトリウム血症
(血清ナトリウム130〜134mEq / L)の患者では、高張生理食塩水で治療しません。
中等度から重度の低ナトリウム血症(血清ナトリウム<130 mEq / L)−慢性低ナトリウム症および
血清ナトリウム<130mEq / L)の患者における初期治療は、症状の重症度(もしあれば)、既存の
頭蓋内病変(例、最近の外傷性脳損傷、最近の頭蓋内手術または出血、または頭蓋内新生物、
またはその他の空間占有病変)の有無によって異なります。
重篤な症状または既知の頭蓋内病変 − 低ナトリウム血症の重篤な症状 (例、発作、泣き止み、
昏睡、呼吸停止) のあるすべての患者で、3%生理食塩水の100mLボーラスで治療し、症状が
続く場合は、最大2回100mL用量 (合計用量 300 mL) を追加投与します。
各ボーラスは10分以上かけて注入されます。
生理食塩水は、浮腫性障害に関連する低ナトリウム血症の治療には使用しないでください。
SIADHでも生理食塩水を使用しないでください。
SIADHの患者に1リットルの等張生理食塩水を投与すると、ナトリウムは尿中に排泄されますが
水分の一部は保持され、低ナトリウム血症が悪化します。
SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)の治療
水制限: 1日800〜1000 mLに制限
サムスカ: V2受容体拮抗薬を使用して水排泄を促進
食塩摂取: 軽度の場合は食塩の追加摂取を考慮
3%食塩水の作り方
生理食塩水400cc+10%食塩水6A(120cc)
1.5%食塩水の作り方
生理食塩水200mLに10%食塩水を12mL加えると、1.5%食塩水ができます。
前回で紹介した論文のvery緩徐群は3%を倍時間かけて点滴しています。
ネットより
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=cXVRAtY5ExA
食事の時に食卓用食塩をふりかけるのも一法との事です。
私見)
診断のアルゴリズムに従い重症度を判定し、本院での身の丈にあった治療が大事です。