2019年03月14日

薬物性肝障害(DILI)に関する6つ最新情報

薬物性肝障害(DILI)に関する6つ最新情報

Drug-induced liver injury: 6 recent reports on risk factors, outcomes



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 ネットのhealioより薬物性肝障害(DILI)に関する最新情報が載っていました。

6つの情報とは、

 1) アメリカでは一般的に、ドラッグ・ストアーでアセトアミノフェン(カロナール等)を購入して
    大量服用の危険があります。そのため、アセトアミノフェンによるDILIを発症した場合には、
    血中濃度が測定不能にまでなっている事が約半数あるとの事です。
    日本では考えられない状況ですが、やはり対岸の火事と安心してはいられないかもしれません。

 2) 解熱鎮痛薬(NSAIDs)やアスピリンは、大腸にmicroscopic colitis(私のブログの
    オルメテックで紹介したcollagenous colitisと同義です。)を起こす。

 3) 免疫療法によるDILIは増加傾向である。

 4) DILIに対する血液検査(biomarker)が確立されつつある。

 5) 肝移植後の胆道系の損傷を予防する治療も確立され始めている。

 6) DILIとアルコール摂取量とは直接的には関係ない。



私見)
 他の文献も纏めて下記のPDFに掲載します。
 Uptodateよりも纏めようとしましたが、時間切れのため次回といたします。

 参考文献
  日本医師会雑誌;2015 V144 N7
  日本消化器病学会誌;2015 V112 N5
  Medical practice; ?



1 薬物性肝障害.pdf

2 薬物性肝障害1.pdfk (2).pdf

3 Acetaminophen is Undetectable in Plasma From More Than Half of Patients Beli.pdf

4 Heavy Consumption of Alcohol.pdf

5 liver-biliary-disorders.pdf

6 denovo B型肝炎.pdf








posted by 斎賀一 at 16:08| Comment(1) | 肝臓・肝炎

2019年03月07日

C型肝炎治療薬の進歩

C型肝炎治療薬の進歩



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 C型肝炎の経口治療薬であるDAAの進歩は、更に新しい段階を迎えています。

一つには治療期間の短縮で、6〜8週間が可能となっています。
そして代表的DAAのハーボニーに効果が認められなかった、耐性ウイルスに対する新たなDAAも登場
しました。更にウイルスの様々なジェノタイプに対して対応できるDAAも増えてきました。
また非代償性肝硬変患者にも、かなりの確率で治癒(SVR)が期待できるDAAが上市されました。


・マヴィレット
 今やハーボニーを抜く勢いです。治療期間は8週間と短縮されています。
 更にパンジェノタイプといって、ジェノタイプに関わらず適用されます。

・エプクルーサ
 一度目のDAA治療で効果が認められなかったC型肝炎患者に対しても適用が認められています。
 更に非代償性肝硬変(症状のある肝硬変患者)にも効果を認めており、適応範囲が広がっています。

・JNJ-4178
 パンジェノタイプです。
 治療期間は更に短縮され、6週間で効果が90%以上です。
 現在治験の第V相の段階ですが、内容は下記のPDFの通り報告されています。
 (開発メーカーのヤンセンは、DAAの開発から撤退したとの報道が以前ありましたが、下記のPDFの如く
 研究報告は続いています。大いに期待したいところですが、その点を担当者にしばらく前から質問して
 いるのですが明確な回答を頂いておりません。興味のある方は直接ヤンセンに連絡してみてください。
 飽きっぽい私はもう諦めました。)





私見)
 どんな分野でも進歩、発展はものすごい勢いです。
 ほんの少し前までは無理と思っていた医療環境が一変して、可能な世界へと開けています。
 プライマリケアの私も「チコちゃん」に叱られないようにしなくてはいけません。
 叱られないための奥の手として、下記のアクセスが有効です。



http://chiba-kantomo.com/



1 daa hcv.pdf

2 マヴィレット.pdf

3 c型肝炎.pdf

4 daa 新薬.pdf

5 エプクルーサ配合錠1.pdf

6 JNJ‐4178 (AL‐335, Odalasvir, and Simeprevir) for 6 or 8 Weeks in Hepatitis C.pdf

7 JNJ-4178.pdf











posted by 斎賀一 at 15:34| Comment(0) | 肝臓・肝炎

2018年12月07日

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
 
Diagnosis and Management of Nonalcoholic Fatty Liver Disease



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 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とは、非アルコール性脂肪肝(NAFL)と非アルコール性脂肪
肝炎(NASH)を含む疾患概念です。
肝脂肪変性を画像検査(腹部超音波検査、CT、MRI)で確認し、有意な飲酒歴がなく(エタノール換算で
男性30g/日、女性20g/日未満)、他の肝疾患が除外されればNAFLDの診断となります。
NAFLDの10人に1人の割合でNASHの症例が含まれます。非侵襲的な手段で初期のNASHを診断するのは困難であり、肝生検を行うか、定期的な経過観察を行う事が大事です。 (今日の臨床サポートより)
以前の私のブログもご参照ください。


 今回雑誌JAMAより、NAFLDのガイドライン(学会AASLD)の概要が記載されていましたので、纏めて
みました。

1) 脂肪肝を画像で見つけたら、肝機能が正常で症状が無くてもメタボリック症候群(糖尿病、肥満、
   脂質異常症)の検索を行う事。更にアルコール性、薬剤性その他の脂肪肝の鑑別をする。

2) 運動とダイエットによる体重減少は、一般的に脂肪肝を好転する。

3) 薬物療法は、進行性の肝線維化やNASHの治療には限定的である。

4) 脂質異常症を合併したNAFLD、NASH、代償性NASH肝硬変には、スタチン系の薬剤が有効。

5) 糖尿病治療薬のアクトスに関しては、学会で異なった見解です。
   学会AASLDではU型糖尿病が有る無しに関わらず、生検で確認されたNASHはアクトスの適応と
   していますが、学会NICEでは肝線維化が進行した例に適応としています。




私見)
 アクトスの適応に関して、UPTODATEで調べました。
 ・あるガイドラインでは、U型糖尿病が無くても生検で確診したNASHにアクトスを投与する事を推奨して
  いるが、副作用の懸念から、U型糖尿病を合併した場合のみ投与する事を勧めています。
   (下記のPDFに抜粋しました。)
 
 本院では、積極的にエクササイズとダイエットによる体重の減少を指導します。
 更に脂質異常症があれば、当然スタチンの処方も考慮する。
 U型糖尿病を合併してNASHの線維化が進行性と診断されれば、アクトスも投与の視野に入れる。
 といった戦略でしょうか。





Nashとアクトスの効果.pdf

NAFLD JAMA.pdf



















posted by 斎賀一 at 19:18| Comment(0) | 肝臓・肝炎