2019年03月19日

薬物性肝障害と薬剤熱:uptodateより

薬物性肝障害と薬剤熱:uptodateより



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 前回のブログに引き続き、薬物性に関して纏めましたので掲載します。


薬物性肝障害(DILI)

1) 医療薬ばかりでなくサプリや漢方、ハーブに至る広範囲にDILIが認められ、その数はおよそ
   1000以上に及ぶ。
   アメリカで最も多いのは、アセトアミノフェン、抗生剤である。
   抗生剤に関して世界的にはオーグメンチン、クラバモックスに報告が多い。

2) 臨床的な分類 (下記のPDFに纏めました。)
   ・肝細胞性障害
   ・閉塞性障害
   ・混合型

3) 臨床経過
   ・急性 ; 3か月以内
   ・慢性 ; 3か月以上

4) 機序
   ・用量依存性 (predictable)
   ・非用量依存性 (idiosyncratic、代謝性か免疫性が関与)

5) 臨床症状
   ・急性 ; 症状が無い事が多い。閉塞性の場合は痒み、黄疸症状が時にある。
   ・慢性 ; 他の慢性肝疾患(自己免疫性肝疾患、PBC、アルコール性肝疾患など)に似ている。
         肝線維化や肝硬変に進行する事もある。
         発熱や発疹を伴う事や、伝染性単核症様の症状があり鑑別が必要

6) 病理組織的分類 (下記のPDFに纏めました。)
   ・肝細胞障害
   ・胆汁閉塞
   ・脂肪変性
   ・肉芽形成
   ・signs of hepatic venous outflow obstruction
   ・sinusoidal obstruction syndrome
   ・phospholipidosis
   ・peliosis hepatis


薬剤熱(drug fever)

1) 発熱の出現時期は診断の価値がない。
   平均で投与後8日(24時間〜数か月) 時には数年

2) 微熱から消耗熱(hectic)まで色々
   中止から3~4日で解熱するが、時に一週間かかる事もある。

3) 発熱以外には、発疹、蕁麻疹、肝腎障害、口内炎、血液障害
   原因不明の発熱で肝腎障害があればdrug feverを疑う。
   発疹に診断価値はあるが頻度は18%程度

4) 除脈は10%、好酸球増加は20%

5) 当該薬剤としては
   てんかん薬、ミノマイシン、ザイロリック、ヘパリン、抗がん剤など





私見)
 人生を振り返ると若い頃は何とボーっとしていた事かと、思い出すだけで一人小声で叫びたくなります。
 病理学教室にいる頃、ある造影剤検査後に、肝障害を起こした症例の肝生検を見たことがありました。
 下記のPDFに掲載しました 「peliosis hepatis」 でした。






薬物性肝障害.pdf










posted by 斎賀一 at 21:13| Comment(0) | 肝臓・肝炎

2019年03月14日

薬物性肝障害(DILI)に関する6つ最新情報

薬物性肝障害(DILI)に関する6つ最新情報

Drug-induced liver injury: 6 recent reports on risk factors, outcomes



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 ネットのhealioより薬物性肝障害(DILI)に関する最新情報が載っていました。

6つの情報とは、

 1) アメリカでは一般的に、ドラッグ・ストアーでアセトアミノフェン(カロナール等)を購入して
    大量服用の危険があります。そのため、アセトアミノフェンによるDILIを発症した場合には、
    血中濃度が測定不能にまでなっている事が約半数あるとの事です。
    日本では考えられない状況ですが、やはり対岸の火事と安心してはいられないかもしれません。

 2) 解熱鎮痛薬(NSAIDs)やアスピリンは、大腸にmicroscopic colitis(私のブログの
    オルメテックで紹介したcollagenous colitisと同義です。)を起こす。

 3) 免疫療法によるDILIは増加傾向である。

 4) DILIに対する血液検査(biomarker)が確立されつつある。

 5) 肝移植後の胆道系の損傷を予防する治療も確立され始めている。

 6) DILIとアルコール摂取量とは直接的には関係ない。



私見)
 他の文献も纏めて下記のPDFに掲載します。
 Uptodateよりも纏めようとしましたが、時間切れのため次回といたします。

 参考文献
  日本医師会雑誌;2015 V144 N7
  日本消化器病学会誌;2015 V112 N5
  Medical practice; ?



1 薬物性肝障害.pdf

2 薬物性肝障害1.pdfk (2).pdf

3 Acetaminophen is Undetectable in Plasma From More Than Half of Patients Beli.pdf

4 Heavy Consumption of Alcohol.pdf

5 liver-biliary-disorders.pdf

6 denovo B型肝炎.pdf








posted by 斎賀一 at 16:08| Comment(1) | 肝臓・肝炎

2019年03月07日

C型肝炎治療薬の進歩

C型肝炎治療薬の進歩



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 C型肝炎の経口治療薬であるDAAの進歩は、更に新しい段階を迎えています。

一つには治療期間の短縮で、6〜8週間が可能となっています。
そして代表的DAAのハーボニーに効果が認められなかった、耐性ウイルスに対する新たなDAAも登場
しました。更にウイルスの様々なジェノタイプに対して対応できるDAAも増えてきました。
また非代償性肝硬変患者にも、かなりの確率で治癒(SVR)が期待できるDAAが上市されました。


・マヴィレット
 今やハーボニーを抜く勢いです。治療期間は8週間と短縮されています。
 更にパンジェノタイプといって、ジェノタイプに関わらず適用されます。

・エプクルーサ
 一度目のDAA治療で効果が認められなかったC型肝炎患者に対しても適用が認められています。
 更に非代償性肝硬変(症状のある肝硬変患者)にも効果を認めており、適応範囲が広がっています。

・JNJ-4178
 パンジェノタイプです。
 治療期間は更に短縮され、6週間で効果が90%以上です。
 現在治験の第V相の段階ですが、内容は下記のPDFの通り報告されています。
 (開発メーカーのヤンセンは、DAAの開発から撤退したとの報道が以前ありましたが、下記のPDFの如く
 研究報告は続いています。大いに期待したいところですが、その点を担当者にしばらく前から質問して
 いるのですが明確な回答を頂いておりません。興味のある方は直接ヤンセンに連絡してみてください。
 飽きっぽい私はもう諦めました。)





私見)
 どんな分野でも進歩、発展はものすごい勢いです。
 ほんの少し前までは無理と思っていた医療環境が一変して、可能な世界へと開けています。
 プライマリケアの私も「チコちゃん」に叱られないようにしなくてはいけません。
 叱られないための奥の手として、下記のアクセスが有効です。



http://chiba-kantomo.com/



1 daa hcv.pdf

2 マヴィレット.pdf

3 c型肝炎.pdf

4 daa 新薬.pdf

5 エプクルーサ配合錠1.pdf

6 JNJ‐4178 (AL‐335, Odalasvir, and Simeprevir) for 6 or 8 Weeks in Hepatitis C.pdf

7 JNJ-4178.pdf











posted by 斎賀一 at 15:34| Comment(0) | 肝臓・肝炎