子宮頸がんワクチンの英国での効果報告
Effect of the HPV vaccination program on incidence of cervical cancer
and grade 3 cervical intraepithelial neoplasia by socioeconomic deprivation
in England: population based observational study
子宮頸がんワクチンは日本でも再開されていますが、いまだ接種率は上がっていません。
米国ではエスニックなどの人種格差問題もあり、やはり普及率は低いままの様です。
英国ではそれらを克服して、子宮頸がんワクチンの効果が格差問題を乗り越え等しく認め
られているとの報告です。
1) 2006年から2020年にかけて英国に在住の20〜60歳の女性で、子宮頸がん29,968人と
前がん状態のCIN3の335,228人が対象です。
【CINは3段階に分類され、数字が大きくなるほど異常の程度が重くなります。
CIN1: 軽度の異形成(軽い異常細胞の変化)
CIN2: 中等度の異形成(中程度の異常細胞の変化)
CIN3: 重度の異形成(高度な異常細胞の変化)、がんに近い状態
CIN3は、まだがんではないものの、治療が必要とされる状態です。
しかしCIN3から2に変化する場合もあり、経過観察が重要です。】
英国では2008年に12〜13歳を対象に頸がんワクチンが開始され、2008年から2010年
にかけて19歳以下のキャッチアップのキャンペーンが行われています。
2) ワクチンを接種していない人に比べて、接種した人は子宮頸がんを83.9%、
CIN3を94.3%減少させていました。
この事は2020年の中頃までに、英国ではワクチン接種により、子宮頸がんを687人予防
して、CIN3を23,192人減少させたことに繋がります。
14〜16歳のキャッチアップにより、格差の少ない地域と多い地域で、CIN3の減少率は
72.8%対67.7%とほぼ同じ効果が証明されました。
私見)
本院では極細の針を使用し、接種後は15分程度安静臥床をお願いしております。
接種時の疼痛の事象もなく安全に推移しておりますので、これからも子宮頸がんワクチン
の啓蒙に、職員共々努力して参ります。
本論文.pdf厚労省.pdfHPV・子宮頸がんワクチン.pdfシルガード
9.pdfヒトパピローウイルス(HPV) 9価ワクチン(シルガード).pdf子宮頸がんワクチン_.pdf子宮頸がんワクチン(HPV)の早期導入.pdf本院でも子宮頸がんワクチンの再開.pdf