2020年02月10日

米国予防接種スケジュール・2020年版

米国予防接種スケジュール・2020年版
 
Recommended Adult Immunization Schedule, United States, 2020*
 


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 残念ながら、ワクチンのガイドラインは多くがアメリカ発に追従の印象です。
今年度も例年とさほど違いはないようです。


1) インフルエンザ
   各学会のガイドラインに沿っています。
   卵アレルギーの場合は、発疹程度なら特に接種しても構わない。
   発疹以上の症状があれば専門家の監視の基に接種

2) 麻疹、おたふく、風疹
   専門学校や大学(postsecondary)の学生で
   以前にMMRの接種が無い場合は、4週間あけて2回接種
   以前に1回接種してあれば、1回の追加接種
   (日本では抗体検査を行う事が多いので、若干異なります。)



          20210-2.PNG



     
3) 肺炎球菌ワクチン
   65歳以上の人が23価ワクチン(ニューモバックス)を接種して、5年以上経ってから2回目を
   考慮した場合、13価ワクチン(プレベナー)を接種するかは特に勧奨するのでなく、医師
   (shared clinical decision-making)との相談で総合的に決定となっています。






私見)
 下記に文献をPDF化して掲載します。
 肺炎球菌ワクチンについては以前にブログしてありますので、ご参照ください。







1 スケジュールワクチン .pdf

2 本論文.pdf

1  65歳以上の肺炎球菌ワクチンについて_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

2 肺炎球菌ワクチン雑感_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

















posted by 斎賀一 at 18:00| Comment(0) | ワクチン

2019年12月12日

 65歳以上の肺炎球菌ワクチンについて

 
65歳以上の肺炎球菌ワクチンについて
 
Use of 13-Valent Pneumococcal Conjugate
Vaccine and 23-Valent Pneumococcal Polysaccharide
Vaccine Among Adults Aged ≥65 Years


  
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 アメリカのCDCのMorbidity and Mortality Weekly Reportから、65歳以上の肺炎球菌ワクチンに対する最新の勧告が発表になっています。
CDCとACIP(advisory committee on immunization practices)の見解では若干の相違があり
そうですが、結論的には全ての65歳以上の人に23価ワクチン(ニューモバックス)の後、13価ワクチン
(プレベナー)を接種する必要はないとの事です。


以前に私のブログでも紹介しましたが、もう一度予備知識として纏めてみます。

1) 肺炎球菌ワクチンは2種類あり、日本では小児には13価ワクチン(プレベナー)を、65歳以上の
   成人には23価ワクチン(ニューモバックス)を接種します。作用の違いは下記のPDFを参照ください。
   結論的に比較しますと
  ・13価ワクチン(プレベナー)の利点
    細胞免疫と液性免疫の両方を刺激するため、何回も接種するとブスター効果が認められ小児にも
    効果がある。
    長期の免疫維持が可能。
  ・13価ワクチン(プレベナー)の欠点
    粘膜の抗体を刺激して菌の増殖を抑制するので、キャリアの肺炎球菌叢に変化を及ぼす。
  ・23価ワクチン(ニューモバックス)の長所   
    侵襲性肺炎球菌感染症の70%をカバーしている。
    咽頭の肺炎球菌叢に変化を及ぼさない。
  ・23価ワクチン(ニューモバックス)の欠点
    液性免疫のみを活性化するので、何回接種してもブスター効果は無い。
    長期の免疫維持は出来ない。

2) 具体的な事例として仮想空間で考えたいと思います。
   お爺ちゃんとお孫さんが週末に抱き合ったとします。・・・その危険率は?



         1212-2.PNG

   
  ・お爺ちゃんが23価ワクチン(ニューモバックス)を接種していて、お孫さんが13価ワクチン
   (プレベナー)を接種していない場合は、お爺ちゃんの細菌叢には変化がないので、危険率は同じ。
  ・お爺ちゃんが23価ワクチン(ニューモバックス)を接種していて、且つお孫さんも13価ワクチン
   (プレベナー)を接種していれば、双方の危険率に変化はまずない。
  ・お爺ちゃんがなにも接種しておらず、お孫さんが13価ワクチン(プレベナー)を接種していれば、
   お孫さんの細菌叢に変化が起きている可能性があり、お爺ちゃんも危険があるかもしれない。
   しかし現実的には子供の接種により成人の肺炎球菌の感染は低下している。
  ・お爺ちゃんが23価ワクチン(ニューモバックス)の後に13価ワクチン(プレベナー)を接種していて
   お孫さんが13価ワクチン(プレベナー)を接種していない場合は、お爺ちゃんの細菌叢に変化が
   起きていてお孫さんの危険率もあがる。
   しかし、基本的には肺炎球菌の温床は子供から大人です。

Morbidity and Mortality Weekly Report

前置きが長くなりましたが、本MMWレポートを纏めてみます。

1) 施設に入居している高齢者は、13価ワクチン含有の肺炎球菌感染症の危険がある。
   特に13価ワクチン(プレベナー)を接種していない子供の多い地域では、その危険がある。

2) ACIPは全ての65歳以上の人に、23価ワクチン(ニューモバックス)の後に13価ワクチン
   (プレベナー)を接種する事を勧奨してきたが、子供の13価ワクチン(プレベナー)が行き渡り、
   65歳以上の人に13価ワクチン含有の肺炎球菌感染症の危険が低下しているのに、更に13価
   ワクチン(プレベナー)を接種しても社会として効果はあまりない。



         1212-3.PNG



  
3) 結論として、65歳以上の人には23価ワクチン(ニューモバックス)の後に13価ワクチン
   (プレベナー)を接種するかは、臨床家と相談して決める事としています。
   接種する事に賛成の立場も表として記載していますので、参考にして下さい。

参考までにUPTODATEの最新版This topic last updated: Nov 27, 2019

1) 23価ワクチン(ニューモバックス)は以前85~90%をカバーしていたが、最近では50~60%と低下
   している。

2) 13価ワクチン(プレベナー)が成人にも有効と言うハッキリした科学的根拠はないが、ハイリスクの
   成人に使用されている。

3) 23価ワクチン(ニューモバックス)を、ハイリスクの人には5~10年後に再接種する事を勧めている。
   これは5~10年後に効果が減少するからである。
   しかし、適切な時期とその後の回数は不明である。
   一般的なリスクとしての慢性疾患のある人では、10年後の再接種を推奨している。

4) 23価ワクチン(ニューモバックス)の再接種を5年以内に行うと、免疫反応が鈍くなってしまう。
   5年経てばこの免疫反応は回復する。

5) 何れのワクチンも接種していない成人は、最初に13価ワクチン(プレベナー)を接種してから23価
   ワクチン(ニューモバックス)を接種する事を勧めている。
   細胞免疫のB細胞が最初に活性化されていると、免疫応答が活発化されるからである。

6) インフルエンザワクチンとの同時接種は、安全性が確立されている。

7) 結論的にはMMWレポートと同じ勧告です。






私見)
 現時点では65歳以上での23価ワクチン(ニューモバックス)の再接種は、一般的には10年後で良さそう
 です。しかも何を接種するかは未だはっきりとしません。
 取りあえず理想形としてのマニュアルは下記の様です。



         1212-4.PNG 
 
         上記の図は今回の勧告前のものです。







1 本論文.pdf

2 肺炎球菌ワクチン1.pdf

3 私のブログより.pdf










posted by 斎賀一 at 13:50| Comment(0) | ワクチン

2019年10月17日

ロタウイルス・ワクチンは安全

ロタウイルス・ワクチンは安全
 
Association Between Rotavirus Vaccination
and Risk of Intussusception Among Neonates and
Infants A Systematic Review and Meta-analysis



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 現在日本では、2種類のロタウイルス・ワクチンがあります。
ロタリックス(GSK社)とロタテック(MSD社)です。
効果においては同等です。

 ・ロタリックスは2回接種 : 1回接種量1.5ml、4週間以上の間隔をおいて2回接種(経口接種)
                   します。ワクチンを嘔吐した場合、再投与できます。
・ロタテックは3回接種 : 3回接種量2.0ml、4週間以上の間隔をおいて3回接種(経口接種)
                 します。ワクチンを嘔吐した場合、もう一度服用することができません。

しかし何れのワクチンも多くの弱毒ウイルスが含まれていますので、少し吐いても心配ありません。




         1017-2.PNG


 

 今回雑誌JAMAから、ロタリックスとロタテックの両方をまとめてその安全性を証明したメタ解析の論文が
掲載されていますので、纏めてみました。

1) 以前からロタウイルス・ワクチンによる予防効果は、36~96%と言われています。
   ワクチンの副反応として腸重積がありますが、一般的には予防効果の方が勝るとされています。
   今回の論文は、25の研究のメタ解析でその安全性を検討しています。

2) 1999~2018年間の調査です。
   200,594名が対象で、その内104,647名がワクチン接種群で、95,947名がコントロール群です。

3) 結果は
  ・31日以内での腸重積の発生は20例です。  0.17/10,000人です。
   ワクチン群が11例で、コントロール群が9例でした。
  ・1年以内での腸重積の発生は74例です。  0.65/10,000人です。
   ワクチン群が37例で、コンロトール群も37例でした。
  ・2年以内での腸重積の発生は59例です。  0.48%/10,00人です。
   ワクチン群が29例で、コントロール群が30例でした。
  
  メタ解析のため、期間発生に関しての例数の同次元性はありません。
  結局ワクチン群とコントロール群での差異はありませんでした。






1 ロタワクチン.pdf

2 本論文.pdf











   
posted by 斎賀一 at 14:14| Comment(2) | ワクチン