2019年10月19日

アメリカにおける抗生剤の第一選択薬は?

アメリカにおける抗生剤の第一選択薬は?
 
First-line antibiotic selection in outpatient settings
 


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 抗生剤の適正使用に関して、各学会よりガイドラインが出ています。
しかしそのガイドラインに沿って、抗生剤が各施設でどの様に運用されているかを調査した研究は少ないようです。

今回論文が出ていましたので簡単に紹介します。


1) 主に抗生剤を最初から処方する疾患は
   副鼻腔炎、咽頭炎、小児の急性中耳炎でした。

2) たったの50%しか、ガイドラインに沿った抗生剤の第一選択処方を行っていませんでした。
   ちなみにどの疾患も、ペニシリン系が主に第一選択薬となっています。

3) それでも成人の41%に比べて、小児科領域では62%とガイドラインに沿った処方をしているよう
   です。各医療機関においては、小児に対して慎重を期しているようです。

4) アメリカでの外来患者のアクセスには日本と異なる点がありますが、特にretail clinicsは
   馴染みがありません。取り敢えず原文を下記に掲載します。






私見)
 抗生剤の適正使用に関して、よくstewardshipと言う言葉が出てきます。
 それに関して明快な解説が東京医療センターより発信されています。

 「Stewardshipという言葉はあまり聞き慣れない言葉かと思いますが、一体どういったことを表す言葉
 なのでしょうか。
 その語源を調べてみると、stewardという言葉は古典英語のstig(城や邸宅)とweard(管理人)を組み
 合わせたstigweardに由来しており、城内の執事などに与えられた管理責任を意味する単語のよう
 です。
 現在では、管理責任や受託責任という形で使われることが多いようですが、"environmental
 stewardship"などに代表されるように「我々の世代だけでなく、子や孫などの未来の世代まで、きちん
 と継続可能な形で管理すること。」という意味もあり、そこからantimicrobial stewardshipという言葉
 のもつ意味を感じることができるかと思います。
 そう考えると"抗菌薬適正使用"という日本語訳では、そういった言葉の持つ意味が正しく伝わっていない
 ような気がします。」


 抗生剤の適正使用に関して、ペニシリンアレルギーは避けて通れない重要な問題です。
本院の職員が知恵を絞って検査方法を検討しています。
私ももう一度stewardshipを勉強して、近々ブログします。








First-line antibiotic selection in outpatient settings.pdf










posted by 斎賀一 at 18:01| Comment(0) | 小児科

2019年10月07日

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)


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 2007年にガイドが作成され約10年が経過しましたが、新しい知見を踏まえて本年度2019年3月に
改訂版が作成されています。

雑誌小児科に、紹介の論文が載っていましたのでそれを拝借し、本ガイドラインの本文も下記に掲載
します。(何時もご迷惑をおかけします。)
長いガイドラインですので、要約してPDF化しました。
職員の方も勉強して指導してください。






私見)
 子育ては「信念や主義」ではありません。






離乳食.pdf

厚労省 授乳ガイドライン.pdf

授乳 離乳の支援ガイド(2019改訂版)作成における提言.pdf











posted by 斎賀一 at 20:00| Comment(0) | 小児科

2019年09月28日

アナフィラキシー治療の評価

アナフィラキシー治療の評価
 
Evaluation of Prehospital Management in a Canadian
Emergency Department Anaphylaxis Cohort


       
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 主として、食物アレルギーによるアナフィラキシーの治療はエピペン注射が中心です。
アナフィラキシーとは、全身症状(嘔吐、喘鳴、血圧低下など)を意味しますが、蕁麻疹程度の軽症の場合は抗ヒスタミン薬や経口ステロイド薬を用いる事が多いようです。しかし問題は、軽症と思ってもアナフィラキシー症状が引き続き発現する事もあり、油断は出来ません。アナフィラキシーの既往のある方は、エピペンを常時携帯しておかなくてはなりません。

 アナフィラキシーで救急外来を受診、もしくは入院の前にどの様な治療をしていたかを調べた論文が、
カナダから発表になっています。


纏めますと

1) 3,498例のアナフィラキシー患者を調べています。
   80.3%が小児です。
   救急外来、もしくは入院前にエピペン使用は31%、抗ヒスタミン薬使用は46%、経口ステロイド薬
   使用は2%でした。

2) 集中治療室及び病棟への入院を危険率で調べますと、エピペンが0.23、抗ヒスタミン薬が0.61、
   経口ステロイド薬が2.84でした。

3) 基本は迅速なエピペン注射が大事です。
   またエピペン注射と抗ヒスタミン薬を併用する事により、
   救急外来でのエピペン注射の2回法を回避する事が出来ます。一方経口ステロイド薬は副作用も
   あり、治療としては勧められないとしています。





私見)
 私の経験では、喘鳴を伴うアナフィラキシーのショック状態で、ステロイドの点滴療法を行い奏功した
 例が多々あります。
 但し、経口ではステロイドの効果が遅延するものと思われます。
 また食物アレルギーの治療に抗アレルギー薬が抗ヒスタミン薬(ポララミン)と同じ、とのエビデンスも
 少ないようです。

 本院では、食物アルルギーの患者さんには下記のような戦略を考えています。
 ・原則、抗ヒスタミン薬のポララミンを持参
  アナフィラキシーの心配がある患者さんにはエピペンも携帯
 ・代替としては、ポララミンとボスミン鼻用スプレーを複数の場所に置いておく。
  この場合は、安価で誰でも直ぐに治療が可能です。
 ・私の推奨はポララミン、エピペン、ボスミン鼻用スプレーの全てを準備しておく。


 私のブログより、アナフィラキシーで検索して参考にしてください。





Anaphylaxis.pdf









posted by 斎賀一 at 15:22| Comment(0) | 小児科