2020年08月28日

離乳食のガイドラインの運用について

離乳食のガイドラインの運用について
 
Recommendations on Complementary Food
Introduction Among Pediatric Practitioners
 


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 アメリカの離乳食のガイドラインも、学会により見解が若干異なります。
そのために小児科の開業医においても、指導する際に齟齬が生じています。
簡単に本論文の趣旨を纏めてみます。



1) 離乳食の開始月例は、完全母乳とそうでない場合とで若干の違いはありますが、概ね4~6か月に
   実施している。

2) 疑われるアレルギー食品の早期介入がその後のアトピーや喘息の誘因を防いでいるとの認識は、
   多くの実地医家の間でも認識されている。

3) しかしアレルギー体質が疑われていない場合でも、離乳食を開始するにあたり一品目当たり
   3〜4日の間隔を空ける小児科医が多い。
   ピーナッツに関しても早期の介入が絶対に必要なので、そのような間隔を空けていてはピーナッツの
   開始が遅れてしまう。

4) アレルギー体質の乳児でない限り、離乳食の開始により不都合なアレルギー反応が起こることは
   極めて稀であるので、複数の離乳食開始を促すことが大事である。






私見)
 日本でも新たなガイドラインが出ています。以前のブログを参照してください。
 また纏めた総説が雑誌小児科に掲載されていますので、下記に拝借いたします。
 本院の取り組みに関しても下記のPDFをご参照ください。
 結論的には、アレルギーを起こす可能性の食品は卵、大豆、小麦、牛乳、そば、ピーナッツです。
 これらを最初に与えるときは、間隔を3日間空けるように指導します。
 その他の食品に関しては、アレルギー体質のない乳幼児の場合は間隔を空けなくてもよいと考え
 早期介入を指導します。







本論文.pdf

卵アレルギーは微量のゆで卵で防ぐ.pdf

離乳食.pdf

離乳食 (2).pdf

離乳食の進め方をアレルギー発症予防から考える.pdf

離乳食前にアレルギー検査って必要なの?〔小児科に行く前に〕 - MEDLEYニュース.pdf











posted by 斎賀一 at 20:13| Comment(0) | 小児科

2020年07月25日

5歳以下の小児の情操教育にペットは有効

5歳以下の小児の情操教育にペットは有効
 
The relationship between dog ownership, dog play, family dog
walking, and pre-schooler social–emotional development:
findings from the PLAYCE observational study


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                                           by  ayako


 以前より子供の情操教育に動物を飼うことは有効と思われていました。今回の論文ではそれを
科学的に解析し、しかも5歳以下を対象にしています。

纏めますと

 1) ペットを犬に限定していますが、犬の種類は定めてはいません。
    対象は5歳以下の1,646名(平均:3歳)

 2) 77%が週に数回、犬と遊んでいました。
    53%が少なくとも週に1回は犬と散歩をしていました。

 3) 神経精神学上の観点から、行動異常、仲間とのコミュニケーション、社会生活の準備などを
    チェックしています。

 4) 結論
    筆者は仮説として、2~5歳の発達障害のある入学前児童にとって、犬との一緒の遊びや散歩は
    その後の精神的発達に、改善が期待されるとしています。
    5歳以下の小児は、学校に通学しないのでより多くの時間をペットと過ごすことができます。
    特に週1回以上の犬との散歩は一層の効果を認めています。



私見)

 私も子供の頃に犬と猫を飼っていました。犬はペットというよりは番犬でした。
 残飯をやるのが私の勤めでしたが、ある時、餌をお皿に近づけようとして吠えられてからは、
 遠巻きにしか餌を与えませんでした。
 猫はゴロゴロいいながら、いつも私のそばにいてくれていました。
 なので私は猫派です。
 そんな訳で、 血統書付きの職員の皆さんの気持ちを理解できずごめんなさい・・・。







ペット 小児.pdf






posted by 斎賀一 at 13:31| Comment(1) | 小児科

2020年05月09日

小児におけるPPI使用は骨折の危険?

小児におけるPPI使用は骨折の危険?

 
Association Between Proton Pump Inhibitor
Use and Risk of Fracture in Children



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 胃酸分泌抑制薬の中でもPPIは最も効果的です。
その使用方法は、経験的データからと言うよりは専門家による意見に基づいています。
小児でもその使用は増加傾向ですが、安全性に関してのデータは少ないようです。


スウェーデンからの報告です。

1) 対象は18歳以下の小児です。2006年1月から2016年12月までの調査です。
   PPIを使用した115,933人に対して、使用しない115,933人を比較しています。
   5年間の経過観察です。

2) 結果は骨折がPPI群で5,354例、服用しない群では4,568例でした。
   PPI群の危険率は1.11です。1,000人当たりの年間発生率は、20.2対18.3でした。
   上肢の危険率は1.08、下肢は1.19、
   経年性の累積では、30日以内が1.08、31日〜364日が1.14、365日以上が1.34でした。
   長期処方で危険率が上がります。
   (1か月続けても効果が無ければ中止、効果があれば隔日服用かH2ブロッカーに変更が選択肢
   でしょうか。)

3) PPIを小児で使用する場合はリスクとベネフィットを考慮し、注意する必要があるとしています。






私見)
 咳喘息としてPPIを処方するのには、いささか抵抗を感じます。










posted by 斎賀一 at 15:46| Comment(0) | 小児科