2020年09月12日

新型コロナのワクチンは急がず、慌てず、安全に

 
新型コロナのワクチンは急がず、慌てず、安全に
 
Covid-19: Less haste, more safety



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 英アストラゼネカが、有害事象の発生を受けて新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を中断したとの報道があり、実用化の遅れが懸念されています。
雑誌BMJの論説にも、ワクチン開発は慎重にとのコメントがありました。



意訳しますと

 新型コロナの免疫が解明され、ワクチンがやがて実用化されるものと、ほとんどの人が信じています。
しかし、WHOはワクチンに対する最低限の条件を付けています。
50%の効果、温度に対する安定性、比較試験の適正化、製品の迅速な改良などです。
しかし、巷にはワクチンはないよりもましだろうとか、重症化を抑制できればそれでよしとする考えが広がっています。そこに各国の国家戦略も加わり、ロシアでは第三相試験を省略して実施にこぎつけています。
既に世界は冷戦の様相です。まるでマラソンが始まった瞬間に先頭に躍り出たからと言って、自分が勝者だと認定しているようなものです。

 新型コロナが流行し始めたとき、医療従事者は不十分な防御で働いていました。
もう医療従事者はスケープゴートではありません。
当初は不十分であった公衆衛生的な介入も、適切に運用しなくてはなりません。
インフルエンザの流行、慢性疾患の適切な医療体制など迫りくる危険がありますが、ほんの少しだけ時間的な余裕があります。
物事を条件反射的に決めるのでなく、考え抜かれた戦略が大事です。





私見)
 よくよく反省しますと、今までの人生で慌てて飛び乗って、いいことは何もありませんでした。






Covid-19_ Less haste, more safety.pdf










posted by 斎賀一 at 13:34| Comment(1) | 小児科

2020年09月08日

小児の新型コロナ・韓国からの報告

小児の新型コロナ・韓国からの報告
 
Clinical Characteristics and Viral RNA Detection in Children
With Coronavirus Disease 2019 in the Republic of Korea



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 今回の新型コロナに関して、韓国ではプライバシーを抑え徹底的なPCR検査を実施していました。
患者及びその接触者、疑いの人、外国からの帰国者はすべて追跡調査、並びに隔離政策を行って
います。今回の論文はそれらの人全員のPCR検査なので、特定患者でない点がより広い意味合いと
なっています。
 2020年2月18日から3月31日までの19歳以下の小児を対象に報告しています。


纏めてみますと

1) 91人を登録して繰り返しPCR検査を実施し、平均で22日間の経過観察です。

2) 家庭内感染が63%です。
   無症状が22%、軽症が51%、中等症が22% (胸部レントゲン所見あり)
   重症例は2%でした。

3) 発熱は68% (そのうちで56%は37度台です。)
   呼吸器症状は60%、消化器症状は18%、味覚嗅覚障害は16%です。

4) PCRの持続陽性期間は、症状のある71人で平均11日間ですが、そのうち7人(10%)は21日間も
   陽性でした。
   しかし無症状の人でも平均で14日間陽性で、4人は21日間も陽性でした。
   呼吸器症状のある小児では、平均で20日間の陽性が続いています。

5) 死亡例はありませんでした。

6) 論評では、症状のある小児だけを封じ込めるだけではパンデミックを抑制できないとしています。





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私見)
 私の嫌いな言葉にウイズコロナがあります。
 この論文を読んでウイズコロナ感染者の印象です。
 
 あの人もあの頃ははつらつとしていました。
 私は開業医としての総決算のつもりで、今は粛々と千曲川を渡る気持ちです。
 相手はもちろん正面突破のインフルエンザです。






小児 コロナ jama (2).pdf











 
posted by 斎賀一 at 18:28| Comment(1) | 小児科

2020年09月04日

新型コロナの小児における無症状感染率

新型コロナの小児における無症状感染率
  
Prevalence of SARS-CoV-2 Infection in Children
Without Symptoms of Coronavirus Disease 2019
  


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 小児は新型コロナに感染しにくいと一般的には思われていましたが、注意する必要がありそうです。
雑誌JAMAより無症状の小児(0〜18歳)を検査して陽性率は1%以下(250/33,041)でしたが、感染の状況(週刊情報)と地域による差が大きく関与して、0~2.2%の幅があると報じています。






31 無症状小児 コロナ .pdf













posted by 斎賀一 at 22:30| Comment(0) | 小児科