2022年10月25日

ファイザー6か月〜4歳用ワクチンの開始

ファイザー6か月〜4歳用ワクチンの開始


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1) 厚労省の特例承認を受けて、6か月〜4歳用のファイザーワクチンの接種が始まります。
   本院は公開枠での接種となります。
   成人の1/10量の3μを3回接種となります。
   モデルナワクチンとは異なり、やや細かな設定となっています。
   ファイザーのデータを調べますと3μ3回接種の中和抗体が高値となっています。






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      赤が2〜5歳(3μ)の3回接種、緑が14〜25歳(30μ)の2回接種
      右2つはコントロール






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      赤が6か月〜2歳(3μ)の3回接種、緑が14〜25歳(30μ)の2回接種





      副反応に関しては



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NHKの資料が要領よく纏めてあるので、下記にブログします。


2) 2価ワクチンが承認されましたが、何れも追加接種(ブスター)で初回接種は不可です。
   6か月〜4歳用の3回接種はブスター接種ではありません。下記のPDFを参照ください。

3) アメリカのFDAは、6か月〜4歳用2価のワクチンの追加免疫(ブスター接種)を承認した
   との報道もあります。やがて日本も承認されると思います。
   日々刻々と変化していますので注意して参りましょう。

4) ファイザー社のワクチンは4種類あります。用法用量が異なります。
   その中でオミクロン対応の2価ワクチンは2種類ありますが、BA1対応はなくなり、
   BA4/5対応のみになるとの事です。
   2価ワクチンは追加免疫のみで、6か月〜4歳用は初回免疫のみです。






1 ファイザーワクチン 各製剤の比較表.pdf

2 コロナワクチン _ NHK.pdf

3 ワクチン 厚労省.pdf

4 ファイザー 文献.pdf








 
posted by 斎賀一 at 19:30| 小児科

2022年10月24日

生後6か月から5歳のモデルナワクチンの評価

生後6か月から5歳のモデルナワクチンの評価
 
Evaluation of mRNA-1273 Vaccine
In Children 6 Months to 5 Years of Age
[This article was published on October 19,2022, at NEJM.org]



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 日本で認可された6が月から5歳のコロナワクチンはファイザー社のワクチンです。
今回雑誌NEJMにモデルナ社のワクチンの評価が掲載されていますので、ある程度類推できると
思いブログしてみます。


1)本研究はパート1とパート2に分かれます。
  パート1で投与量を決定し、パート2で臨床試験を行っています。
  パート2では、6か月から5歳の参加者にワクチン接種群とプラセボ群を、3対1に振り分けて
  ランダマイズしています。
  投与量は成人の(100μ)の1/4量(25μ)を、28日間隔で2回接種です。
  主要転帰は、安全性と18歳から25歳の接種と比較しての中和抗体の値です。
  二次転帰は、接種後に新型コロナ感染の発生抑制です。

2) 効果
  2〜5歳の3,040人と6か月〜23か月の1,762人が、モデルナワクチンの25μを接種して
  います。2〜5歳の1,008名と6〜23か月の593名が、プラセボ群に登録されています。
  経過観察は、前者が71日間で後者が68日間です。副反応は概ね軽症で、一時的でした。
  全身症状としては37か月〜5歳では倦怠感、6か月〜36か月では不機嫌、啼泣、傾眠、
  食欲低下が主でした。
  重篤な副反応は2〜5歳では発生していませんが、6か月〜23か月では8例報告がありました。
  その中の1例は接種後2日で発熱、痙攣を起こしていますが、その後発疹が出現しており、
  他のウイルス感染の合併が示唆されています。
  本患者は、その後2回目の接種を実施しています。
  死亡例、心筋炎、MIS-Cは発生していません。
  発熱は2回接種時の方が多い傾向ですが、殆ど1〜2日間で軽快しています。
  発熱以外の副反応は、他の年齢層(若年者、成人、高齢者)よりも軽い傾向です。
  接種後57日時点での中和抗体は2〜5歳は1,410単位で、6か月〜23か月では1,781単位
  でした。100μを接種した若年者の場合では、1,391単位ですので遜色はありません。
  新型コロナ感染の統計処置後のワクチン効果は2〜5歳で36.8%、6か月〜23か月は50.6%
  でした。これはオミクロン株優勢の時点での評価です。
  オミクロン株優勢によりその効果は減弱していますが、入院率の予防効果は依然として
  あります。

3) 結論
   25μの2回接種は安全性が担保され、その免疫的効果は若年者に比較しても、非劣勢
   でした。



  
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私見)
 今シーズンは新型コロナとインフルエンザが同時流行するのではと懸念されています。
 特に小児では重症化リスクが高まります。
 本論文のイントロで述べていますが、「小児は新型コロナが重症化しないと言われているが、
 感染者が多くなれば、当然ながら重症者と入院も増加する」
 本院でも4歳以下の接種をお勧めします。
 上記の表から副反応としての重症例は、私としてはワクチンとの因果関係をハッキリと判断
 しかねます。
 冬においてはインフルエンザばかりでなく、突発性発疹をはじめ感染症のリスクが乳幼児に
 襲い掛かります。
 発熱の際にワクチンの副反応と簡単に片づけないことも大事かもしれません。












posted by 斎賀一 at 18:03| 小児科

2022年10月15日

乳幼児の発熱管理

乳幼児の発熱管理

 

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 アメリカの小児科学会(AAP)年次総会での発表が報道されています。
原文はアクセス出来ないため、報道のみのブログとなります。
実地医家の本院でも大いに参考になりました。


 1) 最近の数年間で、発熱乳幼児の治療方針は大きく変わってきています。
    抗生剤の使用の減少、特に経静脈投与の減少。細菌性感染症の観察期間
    の短縮。腰椎穿刺(ルンバール)の減少。入院率の減少などが
    挙げられます。

 2) 発熱乳幼児の7〜13%が、重篤な細菌性感染症です。
    生後8〜60日の乳児の38℃以上発熱した場合に、リスクの層別化が
    ガイドラインにされています。しかし、生後7日と8日で差がある
    わけでなく、リスクは連続性で、年齢が多くなるにしたがって、
    重篤な細菌感染症は少なくなります。

 3) 生後8〜21日では、全ての検査をすべきです。例えば、尿検査、
    腰椎穿刺、血液培養、炎症のマーカー血液検査です。
    38℃以上で、一見元気そうにみえて感染症の所見がなくても、
    あらゆる検査をすべきです。
    生後22〜28日では、炎症のマーカー検査は必要ですが、腰椎穿刺は
    必ずしも勧めていません。
    入院での経過観察期間は、施設によって異なり、24時間と36時間
    待機があります。

 4) 尿路感染症の場合に、炎症マーカーが正常ならば経静脈でなく、
    経口での抗生剤投与も可能です。
    生後29〜60日で尿路感染症がある場合に、一般状態が元気で
    良好ならば、細菌性髄膜炎の頻度は、尿路感染症のない場合と
    比較して低い傾向です。

 5) ウイルス性疾患の同定陽性の場合は、細菌性疾患の可能性が低下
    しますが、細菌性疾患の合併も視野に入れて検索を続けなくては
    なりません。




私見)
 大まかに言って、生後1か月ではフルスペックな検査体制、生後2か月では、
尿検査と炎症マーカー検査は必要最低限、生後3か月は、重篤な細菌感染は
低下となります。
 本院では従来通り、生後3か月以内で、38℃以上の患者さんは、二次施設
への紹介となります。小児(特に1歳以下)での尿沈渣と、炎症マーカーのCRPは
必須と考えます。感染症のシーズン到来となります。インフとコロナの迅速診断で
陽性となっても、細菌感染の可能性をストップすべきでないとの提言は参考になります。





小児発熱Treatment.pdf
















posted by 斎賀一 at 18:02| 小児科