2019年11月14日

小児の外科における5つのべからず

小児の外科における5つのべからず

Five Things Physicians and Patients Should Question


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 アメリカの小児学会より、小児における外科手術の際の注意事項が発表になりましたので、私の関心のある点だけ意訳しました。
患児の保護者用にもなっていますので参考にして下さい。






1 意訳.pdf

本論文.pdf








posted by 斎賀一 at 12:24| Comment(0) | 小児科

2019年11月13日

安全な乳児の睡眠

安全な乳児の睡眠
 
Prevalence and Factors Associated
With Safe Infant Sleep Practices
PEDIATRICS Volume 144, number 5, November 2019



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 アメリカでは、現在でも乳児突然死症候群(SIDS)が年間で3,500人発生するとの事です。
1992年、アメリカ小児学会(AAP)からの仰向け寝(back to sleep)の提唱により、SIDSは45%減少と
なっています。しかしその後は横ばいの状態で、10%しか減少していない様です。

 今回、母親からの調査とケアワーカーの報告により、アメリカの州ごとに社会的背景も加味して
現状分析した論文が雑誌PEDIATRICSに掲載されていますので纏めてみました。
(尚、アメリカでは乳児の寝かせ方は多種類ありますが、適切な用語が見つからないのでベビーベッド類と
 します。)

1) 学会が提唱している安全な乳児の睡眠は、下記の4点です。
   ・うつぶせ寝を排して仰向け寝 (back sleep position)
   ・乳児専用の安全なベビーベッド類を使用 (separate approved sleep surface)
   ・添い寝はしないで保護者と同じ部屋 (room-sharing without bedsharing)
   ・柔らかい寝具は避ける (no soft objects or loose bedding)

2) 母親からの報告では
   仰向け寝は78.0%、添い寝はしないは57.1%、柔らかい寝具を避けるは42.4%、
   乳児専用ベビーベッド類は31.8%でした。

3) 小児科医や専門のケアワーカーのアドバイスを受ける率は、州や社会構成の違いにより異なって
   いました。 (この点は本ブログでは省略します。)

4) 小児科医などの専門家からアドバイスを受けた母親は12~28%程、乳児の睡眠に対して安全を
   施していました。

5) 授乳は乳児の突然死のリスクを軽減すると言われています。
   しかし授乳により当然ながら乳児とベットを共有しますが、母親が眠気を催したら速やかに乳児を
   別のベビーベッド類に移し替える必要がある。

6) 喫煙と乳児突然死症候群とは関連性が言われている。
   また、喫煙者は乳児専用の別の寝具を使用しない場合や柔らかい寝具を避ける事も低率で、
   アメリカでは乳児の睡眠に対する安全策を怠る傾向でした。
   乳児との共通の部屋で喫煙をしないよう指導する事も大事であるとしています。

7) アメリカでは多種類のベビーベッド類が発売になっているが、その安全性は十分に検証されて
   いない。
   また本来は乳児の成長に合わせて寝具を変えていかなくてはならないが、多くの母親は一つの
   ベビーベット類でまかなっている。
    (アメリカでのベビーベット類を下記のPDFに掲載します。)





  
私見)
 アメリカにおける人種や社会的背景も本論文では指摘していますが、日本でもマスコミで取り
 上げているように、幼い子供にとって受難の時代です。
 これまで日本には、畳と言う素晴らしい家族のコミュニケーションの場がありました。





1 乳児 睡眠 Safe Infant Sleep Practices.pdf

2 ベビー.pdf







 
posted by 斎賀一 at 19:12| Comment(0) | 小児科

2019年10月19日

アメリカにおける抗生剤の第一選択薬は?

アメリカにおける抗生剤の第一選択薬は?
 
First-line antibiotic selection in outpatient settings
 


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 抗生剤の適正使用に関して、各学会よりガイドラインが出ています。
しかしそのガイドラインに沿って、抗生剤が各施設でどの様に運用されているかを調査した研究は少ないようです。

今回論文が出ていましたので簡単に紹介します。


1) 主に抗生剤を最初から処方する疾患は
   副鼻腔炎、咽頭炎、小児の急性中耳炎でした。

2) たったの50%しか、ガイドラインに沿った抗生剤の第一選択処方を行っていませんでした。
   ちなみにどの疾患も、ペニシリン系が主に第一選択薬となっています。

3) それでも成人の41%に比べて、小児科領域では62%とガイドラインに沿った処方をしているよう
   です。各医療機関においては、小児に対して慎重を期しているようです。

4) アメリカでの外来患者のアクセスには日本と異なる点がありますが、特にretail clinicsは
   馴染みがありません。取り敢えず原文を下記に掲載します。






私見)
 抗生剤の適正使用に関して、よくstewardshipと言う言葉が出てきます。
 それに関して明快な解説が東京医療センターより発信されています。

 「Stewardshipという言葉はあまり聞き慣れない言葉かと思いますが、一体どういったことを表す言葉
 なのでしょうか。
 その語源を調べてみると、stewardという言葉は古典英語のstig(城や邸宅)とweard(管理人)を組み
 合わせたstigweardに由来しており、城内の執事などに与えられた管理責任を意味する単語のよう
 です。
 現在では、管理責任や受託責任という形で使われることが多いようですが、"environmental
 stewardship"などに代表されるように「我々の世代だけでなく、子や孫などの未来の世代まで、きちん
 と継続可能な形で管理すること。」という意味もあり、そこからantimicrobial stewardshipという言葉
 のもつ意味を感じることができるかと思います。
 そう考えると"抗菌薬適正使用"という日本語訳では、そういった言葉の持つ意味が正しく伝わっていない
 ような気がします。」


 抗生剤の適正使用に関して、ペニシリンアレルギーは避けて通れない重要な問題です。
本院の職員が知恵を絞って検査方法を検討しています。
私ももう一度stewardshipを勉強して、近々ブログします。








First-line antibiotic selection in outpatient settings.pdf










posted by 斎賀一 at 18:01| Comment(0) | 小児科