2020年09月17日

 糖尿病治療薬のメトグルコで軽度の貧血

糖尿病治療薬のメトグルコで軽度の貧血
 
Risk of anaemia with metformin use in type 2 diabetes



20917.PNG

 

 メトグルコは糖尿病の第一選択薬です。
それでも私は少量を旨としていますが、専門家の方や外国ではかなりの量を処方されています。
少し私に味方してくれる文献が出ていますので、ブログしてみます。


1) ランダマイズされたスタディのADOPT研究とUKPDS研究を中心に、メタ解析しています。
   もう一つはreal-world 研究のGoDARTS研究です。

2) ADOPT研究は3,967人を対象にメトグルコ、アクトス、スルフォニール系をそれぞれ単独に処方
   して、6か月、1年、最長5年間経過観察しています。
   UKPDS研究は新規糖尿病患者の1,473人を対象にメトグルコ、インスリン、スルフォニール系で
   3年、6年、9年の経過で比較しています。
   GoDARTS研究では、貧血のない糖尿病患者3,485人を1996年より調査しています。

3) 結果は
   ・ADOPT研究では、スルフォニール系と比較して危険率はメトグルコが 1.93  
    アクトスが 4.18でした。
   ・UKPDS研究は、食事療法と比較して危険率はメトグルコ 3.4 スルフォニール系 0.96 
    インスリン 1.08 でした。
   ・GoDARTS研究では、メトグルコ 1g/day増加に従って、貧血リスクが2%/年 上昇していました。




         20917-2.PNG
         20917-3.PNG




  
     
3) 考察
   メトグルコを服用していると、ビタミンB12欠乏のみでは説明できない、軽度ながらも貧血を誘発
   しています。
   十分に注意が必要ですが、メトグルコの有益性が勝るので、貧血があるからと言って中断を勧めて
   はいません。







私見)
 そんなわけで、本院でのメトグルコ(250mg)の処方は4錠までで堪忍してください。






1 本論文図.pdf

2 Risk of anaemia with metformin use in type 2 diabetes_ A MASTERMIND study.pdf









posted by 斎賀一 at 12:33| Comment(1) | 糖尿病

2020年07月20日

メトグルコは中等度の腎機能低下でも処方可能

メトグルコは中等度の腎機能低下でも処方可能
 
Hospitalization for Lactic Acidosis Among Patients With Reduced
Kidney Function Treated With Metformin or Sulfonylureas



20720..PNG




 メトグルコは安価で低血糖の心配も少なく、体重増加の副作用もありません。
そのため糖尿病治療薬の第一選択薬です。ただし、シックデイ(下痢や嘔吐、造影剤使用)の場合と乳酸アシドーシスの発生に注意が必要です。特に腎機能低下の患者さんには十分な配慮が大事だとされて
います。
 しかし最近のエビデンスは、中等度の腎機能低下では必ずしも禁忌ではないとされています。
この点に関しましては私のブログでも以前に紹介しています。

 今回、雑誌Diabetes Careから、腎機能低下(eGFRが60mL/minute以下)で服用しても禁忌では
なさそうとの論文が掲載されています。


纏めますと

1) メトグルコの対照薬としてス、ルフォニル系薬剤を選んでいます。
   ある期間服用後に、eGFRが60mL/minutesを切った時点から調査を始めています。
   下記のsuppleの図をご参照ください。



          20720-2.PNG





2) 結論
   腎機能が低下してからの服用で、乳酸アシドーシスによる入院の発生の頻度は、メトグルコと
   スルフォニル系薬剤と有意差はありませんでした。



          20720-3.PNG




メトグルコ群では4.2人/1,000人に対して、スルフォニル系薬剤は3.7人/1,000人でした。
サブグループとして腎機能がさらに低下した45mL/minutesでは、メトグルコ群で12.9人/1000人で
スルフォニル系薬剤では8.6人/1000人でした。
やはりsuppleの方が分かりやすいので、下記に掲載します。



          20720-4.PNG







  
私見)
 サブグループとして腎機能のeGFRが30mL/minutes以下は検討していません。
 FDAの勧告通りに禁忌とした方が良さそうです。
 結局、メトグルコは60以下で処方しても良いのですが、45以下になったら要注意と言うことでしょうか。






メトグルコ 本論文.pdf










posted by 斎賀一 at 20:34| Comment(0) | 糖尿病

2020年05月12日

糖尿病治療薬のフォシーガが心不全の治療として承認

糖尿病治療薬のフォシーガが心不全の治療として承認
 
FDA approves new treatment for a type of heart failure



20512.PNG




 アメリカでの話ですが、FDAがフォシーガ(糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬)を心不全での使用として
承認したとの事です。
しかも糖尿病の有る無しに関わらず適応になります。心不全には収縮力の低下したHFrEFと拡張機能
の低下したHFpEFがありますが、心不全症状のNYHA分類3~4のHFrEFが適応となります。
心不全の一般的な治療薬となった感じです。
 一方で、心臓専門家の意見として今回の薬事承認により、糖尿病治療薬としての使用頻度が却って
少なくなるのではと考えているようです。
本院でも糖尿病患者さんで心不全を合併している場合に、他の心不全治療薬に追加の方向としてフォシーガを考慮して参ります。






1 フォシーガ 心不全.pdf

2 フォシーガ.pdf










posted by 斎賀一 at 19:05| Comment(0) | 糖尿病