2021年04月19日

グリセミックインデクスとグリセミックロード心血管疾患との関係

グリセミックインデクスとグリセミックロード心血管疾患との関係

Glycemic Index, Glycemic Load, and Cardiovascular Disease and Mortality
n engl j med 384;14 nejm.org April 8, 2021



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 グリセミックインデクス(GI)とグリセミックロード(GL)が、心血管疾患に関連性があることは、
既に色々な文献より報告がありましたが、今回は雑誌NEJMより、世界規模での、特にアジアにおける
調査を報告しています。


 1) 対象は5か国の35〜70歳の137,851人で、平均9.5年間(3.2年から11.9年)経過観察
    しています。
    有効登録者は119575人でした。
    お国柄の食事を配慮して、炭水化物食品を7分類しています。GIとGLを測定しています。
    クオリティの低い炭水化物食品とは、食物繊維成分が少なく、GIが高い食品をさします。
    主要転帰は、心血管疾患(心血管疾患による死亡、心筋梗塞、脳卒中、心不全)
    及び、死亡率です。

 2) 期間中に8,780人の死亡(3,229人が心血管疾患による死亡で、5,551人がその他の原因
    による死亡)と、8,252人の心血管疾患(3,579人が心筋梗塞、3,840人が脳卒中、
    923人が心不全)の発生です。
    高 GI 食品と、主要心血管イベントまたは、死亡のリスクが高いこととの関連が、
    心血管疾患を有していた参加者(危険率は 1.51)と、有していなかった参加者
    (危険率は1.21)の両方で認められています。主要転帰の項目のうち、GI 高値は、
    心血管死のリスクが高いこととも関連していました。
    特に、BMIが高い人にその傾向が著明です。
    しかし、運動、喫煙、降圧薬服用、スタチン服用とは独立した関連性でした。
    GL に関する結果は、ベースラインで心血管疾患を有していた参加者では、GI に関する
    結果と同様でしたが、有していなかった参加者では、有意な関連は認められませんでした。

 3) 考察

    GIは、耐糖能に直接的な関連性はありませんが、食後血糖に影響を及ぼし、
    BMIの増加となります。
    つまり、インスリン抵抗性となり、ひいては心血管疾患の発症となります。
    一方で、低GI食は、食後血糖を抑え、コレステロール値の低下とCRP低下、
    さらに血圧低下に繋がります。
    本研究では、地域的差異(国家間)は十分には解析できませんでした。




私見)
 一般的にGIはもう古く、今はGLの時代とする風潮がありますが、食後過血糖の観点からGIも捨てた
ものではないようです。むしろGLの方が、食事の併用やバランスが大事で、これがいけない、あれがいい
とは一概に言えないかもしれません。

  ネットで調べた一覧表を下記に掲載します。



1 gl ブログ.pdf

2 宇部小児科.pdf

3 gl.pdf










posted by 斎賀一 at 22:45| Comment(1) | 糖尿病

グリセミックインデクスとグリセミックロード

グリセミックインデクスとグリセミックロード

予習編

 

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 雑誌NEJMに、グリセミックインデクス(GI)と、グリセミックロード(GL)に関する論文が掲載
されています。
私も漠然としか理解していませんので、一度勉強してみました。
参考文献やネットで調べましたが、結局は漠然とした理解に終始してしまいました。
身内のブログですので、ご容赦ください。

グリセミックインデクスとは、炭水化物の吸収割合と理解しておきます。
食品によっては、炭水化物の性質も含有量も吸収度も異なりますので、先ず、食品に含まれている
炭水化物を50グラムとして、横一線に並べてその吸収力を比較しました。
当然ながら吸収力とは血糖値です。
単に、最大血糖値を比較したのでは不公平が起きます。血糖曲線の下の面積を比較しました。
基準はグルコース50grを100としています。
問題とする食品のグリセミックインデクスは、下記の式から求められます。


          0419-2.PNG


つまり、グリセミックインデクスとは、ブドウ糖の吸収割合が100とした場合に、対象食品に含まれる
炭水化物の吸収割合を表します。

 (サトウキビを洗浄濃縮した後、不純物を排除し加熱精製すると、結晶化した「ショ糖」が抽出されます。
  グラニュー糖は、ほぼショ糖の結晶そのものなので純度が高く、余計なものが少ないです。
  砂糖(上白糖)は、そこに転化糖が振りかけられ完成します。
  転化糖とは、ショ糖を分解したブドウ糖と果糖の混合物のことをいいます。
  
  砂糖といえば日本では「上白糖」で、欧米では「グラニュー糖」です。
  
  「上白糖」は、きめが細かくしっとりしたコクのある甘みが特徴です。
   グラニュー糖に比べ、焼き色がつきやすいです。
  「グラニュー糖」は、さらさらとしていて、さっぱりとした甘みが特徴です。
   香りを楽しむコーヒーや紅茶に好まれます)

食品に含まれるGI値は、大きく3つに分類でき、GI値が70以上を高GI、56〜69を中GI、
55以下を低GIと区別します。
しかし、実際は3つに分けて考えるより、低GIなのか、それ以上のGI値の食品なのかという分け方で
考えれば大丈夫のようです。

例を挙げてみますと、チョコレートのGIは91で中華そばのGIは54です。
ならば、チョコレートの方が中華そばよりカロリーが多いかと言えばそうとは言えません。
チョコレートに含まれている炭水化物と、中華そばに含まれている炭水化物を同じ量にしての比較です。
もちろん、そんな量のチョコレートは一般的に食べません。単にチョコレートに含まれている炭水化物の
吸収が、中華そばの炭水化物より2倍近く勝れているということです。実際の食事に即していません。

そこで登場したのが、グリセミックロード(GL)です。

グリセミックロード(GL)とは、一般的な一食当たりの食品を比較して、
どの程度その食品の炭水化物が吸収されるかを比較した指数です。序列です。
       
              GL = GI ×(⾷品に含まれる糖質量)÷ 100

例えば、1食分のインスタントラーメンの1袋は85grで、それに含まれている炭水化物(糖)は55grです。
インスタントラーメンのGIが73とすると、
 
       吸収割合(つまりGIとすると)×炭水化物の量÷100(指数として調えるため)
              73×55÷100=40 となります。
              
              ・低GL は10 or less
              ・中 GL は 11 to 19
              ・高GL は 20 or more

Uptodateより調べますと、GIとGLを考えて食事をすることは大事だが、一緒に食べる食事の内容も
考えて、バランス重視ということのようです。


Glycemic index and glycemic load
Foods containing the same amount of carbohydrate can have
significantly different glycemic effects. In general, foods with higher fiber content have a lower glycemic index. These differences led to the development of the concepts of glycemic index and glycemic load.
For patients with type 2 diabetes, low glycemic index diets may provide a modest benefit in terms of controlling post prandial hyperglycemia, especially
in individuals previously consuming a high glycemic index diet . However, in recent systematic reviews, low glycemic index diets in individuals with diabetes or at risk for diabetes had equivocal impact on A1C compared with other diets .
Increasing fiber intake preferably through food(vegetables, fruits, legumes, and intact whole grains) may help to modestly lower A1C and at the same time promote eating lower glycemic index foods .



私見)
 ラーメン屋に行くと、時々体格のいいお兄さんが隣に座ります。煽られたらいちころです。そんなお兄さんがラーメン、チャーハン、餃子の大盛をたいらげます。私は野菜ラーメンにネギのトッピングです。
これからも自分の人生を貫きます。









posted by 斎賀一 at 22:22| Comment(0) | 糖尿病

2020年11月28日

糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬の副作用 用量依存性に関する考察

糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬の副作用
用量依存性に関する考察

Clinical Adverse Events of High-Dose vs Low-Dose Sodium–Glucose
Cotransporter 2 Inhibitors in Type 2 Diabetes


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 糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬は、今や第一選択薬に上り詰める勢いです。
心臓疾患や腎臓疾患にも優位に働くため、使用の幅が広がっています。単独使用の場合には、
低血糖の心配もあまりなく、処方しやすい薬剤の一つです。
副作用として懸念されているのが、稀とは言われていますが、現段階ではカナグルとフォシーガに、
尿路感染症、ケトアシドーシス、急性腎障害があります。
カナグルに、下肢切断、骨折のボックス ワーニング(警告)もされています。
問題は血糖改善のために効果を上げるため、低用量から高用量に増量した時に副作用が出ないか
心配になります。今回、雑誌J Clin Endocrinol Metabの論文が全文medscapeに掲載されています
ので、纏めてみました。


 1) 2006年1月1日から2020年3月10日のメタ解析です。
    51の文献から、24,371人のSGLT-2阻害薬服用者を登録しています。
    それぞれのSGLT-2阻害薬の中で12,208人の低用量と、12,163人の高用量を比較して
    副作用を調べています。

    副作用のチェックは全体の安全性として、
    ・すべての副作用 ・重篤な副作用 ・副作用で薬の中断 ・死亡 などです。
    特別な安全性として、
    ・感染症 ・骨筋肉症状 ・胃腸症状 ・多尿 
    ・めまい ・腎障害 ・脂質異常症、高尿酸血症 です。

 2) 全体として、何らかの副作用出現は低用量群で69.3%、高用量群では69.4%でした。
    高用量群の低用量群に対する危険率は、1.08とほぼ同じです。
    血糖降下作用は容量依存性です。高用量により、HbA1cは0.5%から1.5%の低下です。
    加えてフォシーガは、尿酸を下げる効果もあり、用量依存性で5から50mg低下しています。
    心血管疾患と腎疾患に関しての効果に関しては、その用量依存性は証明されていません。
    カナグルにおいては、高用量の方に副作用が多いようです。ただし、それは頻尿においてでした。
    一般的に低用量より、高用量の方が副作用が多いのは26週以上の経過後です。

 3) 特別な副作用に関しては、性器真菌症は両群で同等でした。
    性器感染症は、フォシーガでは高用量の方が多い傾向です。
    尿路感染症は、両群で差はありませんでした。

 4) 多くの利尿薬(サイアザイド系とループ利尿薬)は、用量依存性で利尿効果が上がりますが、
    血清カリウム、耐糖能や尿酸値に影響を与えてしまいます。
    一方で、SGLT-2阻害薬における利尿効果は、尿細管に限局して作用し、バゾプレッシン
    (抗利尿ホルモン)を刺激し、尿の再吸収を誘導して、結局は体内の水分量は保持します。
    このことが従来の利尿薬と異なり、心不全に対するSGLT-2阻害薬の独特の有効性を発揮します。

 5) 結論としては、血糖コントロール不良の場合はSGLT-2阻害薬の増量は可能であり、
    副作用に関しては、低用量と高用量で差はありませんでした。



私見)
 SGLT-2阻害薬の安全性と有効性が証明され始めています。しかしながら、コストの問題と
それでも注意が必要のようです。



SGLT 副作用.pdf






posted by 斎賀一 at 17:31| Comment(0) | 糖尿病