2025年02月08日

FDAがオゼンピックを承認 2型糖尿病患者で腎臓病および心 血管死のリスクを低減

FDAがオゼンピックを承認
2型糖尿病患者で腎臓病および心 血管死のリスクを低減

FDA approves Ozempicレジスタードマーク (semaglutide) as the only GLP-1 RA to reduce
the risk of worsening kidney disease and cardiovascular death in adults
with type 2 diabetes and chronic kidney disease



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 以前のブログでも紹介しましたが、アメリカではオゼンピックが慢性腎臓病に対して承認
されたとの事です。
漸く実地医家でも供給されましたので、U型糖尿病患者さんに限り検討して参ります。
作用部位はマンジャロとやや異なりますが、以下の点で処方形態が異なります。
(メーカー確認)


・漸増に縛りはない。
・一日一回の血糖測定は保険適応範囲

下記の疾患がある場合は主治医に相談
・膵疾患
・糖尿病性網膜症
・胃の運動障害(gastroparesis)
・不眠薬の服用
・妊娠および授乳


禁忌又は注意

1. 禁忌(使用できない場合)
 ・重度の腎障害や末期腎不全
  腎機能が著しく低下している場合、脱水や電解質異常のリスクが増加する可能性があり
  ます。
 ・家族性または個人の甲状腺髄様癌(MTC)
  GLP-1受容体作動薬は、動物実験で甲状腺C細胞腫瘍の発生と関連が示唆されています。
 ・多発性内分泌腫瘍症2型(MEN 2)
  甲状腺髄様癌のリスクが高いため、禁忌とされています。

2. 注意が必要な疾患・状態
 ・膵炎の既往歴
  GLP-1受容体作動薬は急性膵炎を引き起こす可能性があり、腹痛などの症状が現れた場合は
  直ちに中止が推奨されます。
 ・胃腸障害(胃不全麻痺、重度の胃腸疾患)
  胃の排出を遅らせるため、胃不全麻痺(糖尿病性胃不全麻痺など)の患者では症状が悪化
  する可能性があります。
 ・低血糖のリスクがある患者
  インスリンやスルホニル尿素系薬と併用すると、低血糖のリスクが高まります。
 ・腎機能障害
  脱水や悪心・嘔吐が持続すると、腎機能が悪化する可能性があります。
 ・網膜症(糖尿病性網膜症)
  一部の研究で、糖尿病性網膜症の悪化がみられたとの報告があります。
 ・うつ病や自殺念慮
  一部のGLP-1受容体作動薬で、自殺念慮やうつ症状が報告されており、慎重な観察が必要
  です。
 ・妊娠・授乳中
  胎児毒性が示唆されているため、妊娠中は使用を避けるべきです。
  また、授乳中の安全性も確立されていません。

3. その他の注意点
 ・急速な体重減少
  食欲低下や嘔気により、急激な体重減少が起こる場合があり、特に高齢者や低栄養状態の
  方は注意が必要です。
 ・胆石症
  体重減少に伴い、胆石が形成されやすくなる可能性があります。







press.pdf

GLP-1作動薬について.pdf

オゼンピックは心不全の利尿薬の使用を削減する1.pdf

糖尿病患者の慢性腎臓病に対するオゼンピックの効果.pdf









posted by 斎賀一 at 16:27| 糖尿病

2025年01月11日

糖尿病治療薬・補足説明

糖尿病治療薬・補足説明

<院内勉強用>


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 前回のブログでガイドラインを掲載しましたが、院内勉強用に資料を纏めてみました。

・DPP阻害薬、GLP-1RA、マンジャロは同系統の薬剤です。
 いずれも膵臓のβ細胞から、インスリン分泌を促進します。
 一般的に2型糖尿病はインスリンの分泌(内因性インスリン)が枯渇していない病態のため、
 ガイドラインではCPRやHOMA指数などの検査をしないでDPP阻害薬、GLP-1RA、マンジャロ
 を開始しても良いとしています。
 (緩徐進行型1型糖尿病などの2型から1型に進行する場合は抗体検査をします。抗GAD抗体)

 DPP-4阻害薬は、GLP-1というホルモンを分解する酵素DPP-4を抑制します。
 GLP-1は食事摂取に応じて腸から分泌され、膵臓のβ細胞を刺激して食後にインスリン分泌を
 促進します。

 GLP-1RAは、GLP-1と同様の働きをする薬です。
 GLP-1受容体に直接結合し、膵臓のβ細胞を刺激してインスリン分泌を促進し、同時にグルカ
 ゴン分泌を抑制します。

 マンジャロはGIP(胃抑制ポリペプチド)とGLP-1の二つの受容体作動薬です。
 GIPはインスリン分泌をさらに強化し、脂肪細胞へのエネルギー貯蔵を調整します。


 纏めますと




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・CPRについて
 DPP阻害薬、GLP-1RA、マンジャロを投与する場合に、それなりに膵臓のインスリンの分泌能
 がなくてはなりません。
 それを調べる簡単な指標が、内因性インスリンのCPR検査です。
 臨床的には、空腹時CPRが 0.6 ng/mL(0.2 nmol/L)以上、または食後CPRが 1.5 ng/mL
 (0.5 nmol/L)以上であれば、ある程度インスリン分泌能が保たれていると考えられます。
 厳密にはCPRインデックス(CPR Index)を調べます。
 CPR値を血糖値で補正した指標で、0.8以上をインスリン分泌が比較的保たれている状態と
 判断されます。

  例えば、CPR = 1.0 ng/mL 血糖値 = 100 mg/dL
  CPRインデックス = 1.0 ÷ 100 × 100 = 1.0
  CPRインデックスの基準
  0.8以上   インスリン分泌が比較的保たれている
  0.5〜0.8   インスリン分泌が低下している
  0.5未満   インスリン分泌が著しく低下している

・本院では、持効型インスリンとGLP-1RAの合剤も汎用しています。
 ゾルトフャイはデグルデク (Insulin Degludec)(トレシーバ;超長時間作用型インスリン)と
 リラグルチド (Liraglutide)(GLP-1受容体作動薬)の合剤です。
 ソリクアは、グラルギン (Insulin Glargine)(ランタス;長時間作用型インスリン)とリキシ
 セナチド (Lixisenatide)(GLP-1受容体作動薬)の合剤です。




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ゾルトファイの使い方
1日1回、同じ時間帯に投与します。(食事に関係なく投与可)

ソリクアの使い方
1日1回、朝食前に投与します。
食後血糖を抑えるため、食前に打つことが重要です。

どちらを選ぶべきかは
長時間の血糖コントロールが必要な場合はゾルトファイ
食後血糖の管理が必要な場合はソリクア

・持効型インスリンでも差異があります。

 デグルデク(Insulin Degludec)商品名トレシーバレジスタードマーク(Tresiba)
 特徴は超長時間作用型インスリンで、持続時間は42時間以上と非常に長いです。
 1日1回の投与で済みますが、投与時間の柔軟性があります。(毎日同じ時間に打たなくても
 効果が安定します)
 血糖値の変動が少なく、夜間低血糖のリスクが低いのが特徴です。
 血中濃度が非常に安定しており、ピークがほぼありません。

 グラルギン(Insulin Glargine)商品名ランタスレジスタードマーク(Lantus)
 特徴は長時間作用型インスリンで、持続時間は約24時間です。
 1日1回の投与が基本ですが、場合によっては1日2回の投与が必要なケースもあります。
 血糖値の安定効果は高いですが一定のピークがあるため、デグルデクと比べると低血糖の
 リスクがやや高いです。







私見)
 オゼンピックとマンジャロの出荷調整がようやく解除され、開業医にも入荷されてきました。
 医療費の負担も含めて、患者さんと決定する事が大事です。






持効型インスリン注射薬のトレシーバとランタスの比較.pdf

持効型インスリンのトレシーバとランタスのガチンコ勝負.pdf













posted by 斎賀一 at 17:01| 糖尿病

2025年01月10日

糖尿病の薬物療法・2025

糖尿病の薬物療法・2025

Pharmacologic Approaches to Glycemic Treatment: Standards
of Care in Diabetes−2025
 


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 アメリカの学会ADAから本年度の糖尿病治療のガイドラインが出ていますので、ブログ
します。


§1型糖尿病(大幅に省略します。)

1) インスリン以外の治療として、SGLT-2iがあります。
   体重減少、A1c改善、血糖コントロールの効果が確認されています。
   しかし、日本では未だ上市されていないソタグリフロジンでは、ケトアシドーシスの
   発生が8倍多かったとの報告です。
   1型糖尿病にSGLT-2iを使用する場合は、リスクとベネフィットを考える事が大事です。

2) インスリン
   外因的なインスリン投与(インスリン注射)は、筋注ではなく皮下組織に注射する必要
   があります。
   筋注の場合は皮下注のインスリン吸収とは異なり、筋肉の活動にも影響されます。
   不注意に筋注すると予測不可能なインスリン吸収となり、たびたび原因不明の低血糖に
   関連してしまいます。
   皮下注でなく筋注になってしまうのは、体幹部位、腹部や臀部ではなく手足に注射する
   場合や、より長い針を使用する時に生じやすく、特に若くて痩せた人では注意が必要
   です。
   筋注でも注入部位をその都度変えるのは、脂肪肥大つまり複数回の注射部位にインスリン
   が及ぼす脂肪形成作用で、皮下脂肪が蓄積することを避けるためです。
   脂肪肥大は、幅が数センチメートルの柔らかく滑らかな隆起した領域として現れ、不安定
   なインスリン吸収、血糖変動の増加、および原因不明の低血糖エピソードの一因となる
   可能性があります。


§2型糖尿病

サマリー;
 ・2型糖尿病の成人では、治療開始時に併用療法を検討すれば治療目標達成までの時間を短縮
  することができます。(メトグルコとDPP阻害薬との合剤を意味しているのでしょうか。)

 ・2型糖尿病の成人で心血管疾患の合併またはその高いリスクがある場合には、心血管イベント
  を減らす効果が実証された薬物(GLP-1 RAまたはSGLT2阻害剤)の投与は、A1cに関係なく
  心血管リスク低減に繋がります。

 ・心不全(HFrEFとHFpEF;駆出率の低下または維持状態)のある2型糖尿病の成人では、血糖
  管理と、心不全入院の予防(A1Cに関係なく)の両方にSGLT2阻害剤が推奨されます。

 ・2型糖尿病で駆出率維持(HFpEF)の心不全および肥満を伴う成人では、GLP-1RAが血糖管理
  と心不全関連症状の軽減(A1Cに関係なく)の両方に効果が実証され、推奨されています。

 ・慢性腎臓病CKDを合併している2型糖尿病でeGFRが20〜60では、SGLT-2iとGLP-1RAが
  血糖管理とCKDの進行を抑制し、心血管疾患進行予防にも有効である。

 ・eGFRが30以下の場合は低血糖のリスクが低く、心血管疾患の減少にも有効なGLP-1RAが
  推奨される。

 ・脂肪肝(MASLD)を有する2型糖尿病では、GLP-1RAとマンジャロが血糖管理と肥満に有効
  である。

 ・肝生検で確診した脂肪肝(MASH)ではアクトス、GLT-1RA、マンジャロが推奨される。
  肝線維化の進行が懸念される場合は、アクトスとGLP-1RAの併用が検討される。

 ・DPP-4阻害薬とGLP-1RAやマンジャロとの併用は不要のため、推奨されない。

 ・血糖が300以上かA1cが10%以上の高血糖状態では、インスリンの導入を検討する必要が
  ある。

 ・内因性インスリンが保たれている場合(CPRが1.5以上;詳細は次回ブログで記載)は、
  先ずはインスリンよりGLP-1RAかマンジャロの方を推奨。

 ・インスリンを導入している患者で肥満があり低血糖のリスクがある場合は、マンジャロや
  オゼンピックを併用しても良い。但しインスリンの調整が必要。

 ・インスリンを使用している患者でも、血糖管理のために他の薬剤の併用追加も考慮しても
  よい。


1)薬剤の選択
  2型糖尿病と診断されたら、遅延なく薬物療法を検討すべきです。
  心血管疾患、CKDの合併を考慮して薬剤を選択をする。
  心血管疾患、CKDの合併がない場合は、肥満管理と脂肪肝を考慮して薬剤選択をする。
  (結局マンジャロという事でしょうか。)
  一般的には多剤併用する事となり、総合的に治療する事が大事です。

  ・メトグルコ
   安価で低血糖リスクも少なく体重減少もあり、心血管疾患にも有効です。
   スルホニル尿素系やDPP阻害薬よりも有効で、推奨されます。
   腎機能eGFRが30以上なら安全に使用できます。
   但し30以下の場合はメトグルコのオーバードーズの危険があり、極めて稀ですが乳酸
   アシドーシスのリスクが増します。
   また30〜45ではeGFRが変動するため注意が必要です。

  ・一般的にはA1cを最も低下させる薬剤は、インスリンとGLP-1RA(オゼンピック、リベル
   ザス)です。DPP-4阻害薬は弱いようです。

  ・重度の高血糖の場合に、スルホニル尿素系にGLP-1RAやマンジャロを併用するのは低血糖
   のリスク軽減にもなるが、A1cが10%以上での効果は不明です。

  ・GLP-1RAとマンジャロの併用はインスリン+スルホニル尿素系の併用よりも低血糖のリス
   クが低く、心血管系やCKD、肥満にも効果があります。

  ・併用療法
   以前よりメトグルコから徐々に併用薬を加えるのがオーソドックスでしたが、最近では
   最初から併用療法を始めるメリットがあり、推奨されています。
   メトホルミンにGLP-1RAまたはマンジャロを追加すると、通常A1cが2%以上低下します。
   血糖コントロールがさらに必要な時は、基礎インスリン、ヒトNPHまたは持効型インス
   リンのいずれかを開始する必要があります。
   ただし、まだGLP-1RAまたはマンジャロを投与していない場合は、これらの薬剤を最初
   に開始する必要があります。これはA1C目標を達成する可能性があるばかりでなく、
   低血糖のリスクが低く、体重、心血管系疾患、腎臓、および肝臓の病態に良好である
   ためです。

  ・心血管疾患のある患者
   心血管疾患やそのリスクがある患者、心不全、慢性腎臓病ではSGLT-2i又はGLP-1RA
   またはその併用が勧められます。
   他の薬剤でコントロールがされていても、あえてSGLT-2i又はGLP-1RAに変更する事を
   推奨しています。
   さらに現在は心血管疾患のリスクがなくても、SGLT-2i又はGLP-1RAに変更する事は将来
   のリスク軽減にも繋がるとしています。
   合併症の事を考慮すると、スルホニル尿素系やDPP阻害薬よりもSGLT-2iまたはGLP-1RA
   が優位です。

  ・慢性腎臓病のある患者
   CKD患者のグルコース管理に適した薬剤は、GLP-1RAおよびSGLT2阻害剤です。
   (eGFRが20 を超える場合に開始できます。)
   GLP-1RAは、腎機能に関係なく低血糖のリスクが低く、血糖値を下げるのに有効であり
   最近の臨床試験では、オゼンピックがCKD患者のCVD、死亡率、および腎臓の転帰に有益
   な効果があることが示唆されており、オゼンピックがCKD患者のもう一つの第一選択薬と
   して使用できることが推奨されています。
   マンジャロに関しては、まだエビデンスはありません。
   SGLT2阻害剤がCKDおよび心血管転帰の進行を遅らせるのに、有益な効果があることが
   示されました。しかし、eGFRが45を下回ると血糖値を下げる能力は低下します。
   メトグルコは、2型糖尿病のすべての人々に対する有効性と安全性プロファイルが十分に
   証明されています。CKD患者にも好まれる薬剤です。
   ただし、腎臓の直接的な利点は証明されていません。
   重要な点は、メトグルコはeGFRが45以下の患者では開始しない方が良いです。
   すでにメトホルミンで治療されている者にとっては、eGFRが45以下になったらメトグ
   ルコの用量を減らし、eGFRが30以下になったら休薬すべきです。
   進行したCKDや腎不全の患者では、低血糖のリスクが上昇する事に注意が必要です。

  ・インスリン
   基礎インスリン
   基礎インスリン単独は最も便利な初期インスリン治療であり、また非インスリン薬剤に
   追加することができます。
   2型糖尿病の場合、開始用量は体重(0.1〜0.2単位/ kg /日)と高血糖の程度に基づいて
   決定し、血糖目標を達成および維持するため、必要に応じて数日から数週間にわたって
   漸増します。
   基礎インスリンの主な作用は、肝臓のグルコース産生を抑制し、夜間や食事の合間に
   高血糖を制限することです。
   基礎インスリンの過剰投与に注意が必要です。(すなわち、臨床的に必要かつ適切な
   用量を超える基礎インスリンの使用は、不十分な食事時間帯のインスリンを隠して
   しまいます。)過剰な基礎インスリンの診断は就寝時から朝まで、または食前から食後
   までの血糖差が高いこと(例、就寝時から朝までの血糖差≥50 mg/dL )、低血糖症
   (意識しているか知らないか)、および高いグルコース変動性がある場合です。
   基礎インスリンの過剰と診断されたら、食後の高血糖症に対して、よりよく対処する
   ための治療計画の再評価をする必要があります。

   インスリン強化療法
   基礎インスリン療法を漸増し空腹時血糖値がある程度コントロールされたのに、A1Cが
   目標を上回っている場合や食後血糖値がまだ高い場合、または基礎インスリンが過剰と
   判断したら、併用注射療法が必要です。
   基礎インスリンにオゼンピックまたはマンジャロを追加するか、または速効型インスリン
   の食前複数回投与することを検討します。
   まだオゼンピックまたはマンジャロによる治療を受けていない場合は、GLP-1RA(単独
   製品のオゼンピック、または基礎インスリン製品との固定比率の組み合わせのゾルト
   ファイ、ソリクア)またはマンジャロを、低血糖のリスクおよび体重増加のリスクを下げる
   ために、速効型インスリン(インスリン強化療法)を開始する前に検討すべきです。
   速効型のインスリン食前投与量をする場合は、4単位又は基礎インスリンの10%を食後の
   過血糖が一番高い時、もしくは最大の食事前に投与します。
   2型糖尿病は、一般に1型糖尿病の方よりもインスリン抵抗性が高く、より多くの1日量
   (約1単位/kg)を必要としますが、低血糖の発生率は低いようです。
   インスリン療法の強化を開始する場合に、メトグルコ、SGLT2阻害剤、オゼンピックは、
   副作用(治療負担を含む)がなければ継続する事を勧めます。
   しかし、一部の患者では強化療法は実施上の複雑さ、合併症、治療負担を伴うため、
   シンプルな治療選択にリセットして、低血糖のリスクを減らすことも考慮するべきです。

   濃縮インスリン
   大量のインスリンを必要とするインスリン抵抗性患者を改善する可能性があります。
   現在、いくつかの濃縮インスリン製剤が利用可能です。
   (本院では採用していません。次回のブログで情報を掲載します。)





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     (左が合併症を有する場合で、右が一般と肥満がある場合です。
      何はともあれ、A1cよりも合併症の有無が治療選択には大事の様です。
      DPP阻害薬は下位にランクされています。)


      デュラグルチド(Dulaglutide): トルリシティ(Trulicity)
      リラグルチド(Liraglutide): ビクトーザ(Victoza)
      セマグルチド(Semaglutide): オゼンピック(Ozempic)
      チルゼパチド(Tirzepatide): マンジャロ(Mounjaro))






       70110-3.PNG  
  
      (マンジャロは現段階では肥満以外は試験中です。)






私見)
 経済的負荷を除けばSGLT-2iとGLP-1RAの花盛りです。
 肥満が問題ならマンジャロ。
 アクトスの復権、DPP阻害薬の衰退が個人的感想です。
 次回のブログで補足説明をし、院内勉強会とします。






Glycemic Treatment Standards.pdf









posted by 斎賀一 at 21:31| 糖尿病