2023年08月16日

糖尿病に良いコンブチャは昆布茶ではありません

糖尿病に良いコンブチャは昆布茶ではありません

<短 報>
Kombucha Shows Potential Diabetes Benefit inSmall Trial



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 医学ネット情報ですが、コンブチャはU型糖尿病の血糖値を下げる作用があるようです。
この発酵性の紅茶は、空腹時血糖をU型糖尿病の場合は164から116に低下させますが、
正常なコントロール群では162から141程度の低下でした。
コンブチャを飲んでも特に不快感はなく、たった1人だけ腹部膨満感を訴えています。
甘いものを好むU型糖尿病の患者には、コンブチャは受け入れやすいものと勧めています。
コンブチャの微生物が、代謝を改善していると想定しています。
acetic acid bacteria とDekkera yeastが関与しているものと思われます。







コンブチャ.pdf

管理栄養士が解説!コンブチャの効果.pdf

【2023年】コンブチャのおすすめ人気ランキング21選.pdf








posted by 斎賀一 at 18:16| 糖尿病

2023年08月02日

糖尿病治療薬SGLT-2阻害薬は痛風にも有効

糖尿病治療薬SGLT-2阻害薬は痛風にも有効

<短 報>
Comparative Effectiveness of Sodium–Glucose Cotransporter-2Inhibitors
for Recurrent Gout Flares and Gout-Primary Emergency Department Visits
and Hospitalizations



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 以前のブログでも尿酸値とSGLT-2阻害薬との関連性を紹介しましたが、今回、糖尿病
治療薬のSGLT-2阻害薬は尿酸値を下げるばかりでなく、痛風での救急受診率も低下させる
との論文が載っています。
またSGLT-2阻害薬は、心筋梗塞と脳卒中のリスクを軽減します。
痛風は心血管疾患、メタボリックシンドローム、糖尿病、慢性腎臓病とも関連し、痛風の治療は
心血管疾患などのメタボリックな疾患においても重要な疾患となります。
SGLT-2阻害薬が尿酸値を下げる事は今までも報告されていますが、実臨床で痛風発作を
どの程度軽減しているかは不明でした。


1) U型糖尿病と痛風のある人8,150人を対象に、糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬と
   DPP-4阻害薬を比較検討しています。

2) SGLT-2阻害薬が52.4人/1,000人/年に対して、DPP-4阻害薬は79.7人/1,000/人で、
   危険率は0.66でした。
   SGLT-2阻害薬は、痛風発作の再発を34%減少させます。
   また、SGLT-2阻害薬は心筋梗塞の危険率(ハザード比)を0.69、脳卒中を0.81
   削減します。






私見)
 SGLT-2阻害薬は、一粒で3つ味わえそうな勢いです。







SGLT 尿酸.pdf

SGLT2阻害薬.pdf

糖尿病治療薬.pdf











posted by 斎賀一 at 18:42| 糖尿病

2023年06月26日

高齢の糖尿病患者に対するHbA1cの目標値

高齢の糖尿病患者に対するHbA1cの目標値

A National Physician Survey of Deintensifying Diabetes Medications
for Older Adults With Type 2 Diabetes



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 雑誌Diabetes Careによりますと、アメリカの多くの臨床家は、高齢者の糖尿病患者に
必要な時に、適切な治療の緩和をしていないとの調査結果を示しています。


1) アメリカの学会ADAは、65歳以上の糖尿病患者に対しては比較的健康な状態では
   HbA1cは7.0〜7.5が適切で、多疾患を合併している場合は8.0以下を目標と定めて
   います。重症の基礎疾患があり、寿命との関係が問題になっている患者には特段の
   HbA1cを設定せず、高血糖と低血糖の症状を回避する治療をすべきとしています。
  
2) 本調査では70歳の糖尿病患者の目標値を設定し、3グループに分けて調べました。
   @健康な女性はHbA1cが6.3%
   A心疾患又は慢性腎臓病を有する男性はHbA1cが7.3%
   B進行性の認知症の女性はHbA1cが7.7%、以上の3グループに分けています。

3) 結果は
   ・ガイドラインとは異なり、AとBグループに対して、60%の医師が緩和せずに
    そのまま積極的な従来の治療を続けています。
   ・癌の転移、透析、ホスピスの緩和医療など、新たな疾患が生じても臨床家の5人に
    1人は治療の変更をしていません。
   ・AとBの患者に対して約半数の臨床家は、ガイドラインに沿わない形でHbA1cを
    従来通りに低めに設定しています。
   ・以上の結果は一般内科も専門医も同じ傾向でした。







私見)
 以前の私のブログでも高齢者のHbA1cに関して紹介しましたが、70歳以上の糖尿病患者さん
 にはHbA1cばかりでなく、ホリスティックな医療が必要な様です。





糖尿病 高齢者 本論文.pdf













posted by 斎賀一 at 18:46| 糖尿病