2018年09月13日

大腸癌の予防のための5つのライフスタイル

大腸癌の予防のための5つのライフスタイル
 
Healthy Lifestyle Factors Associated With Lower Risk
of Colorectal Cancer Irrespective of Genetic Risk



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 大腸癌の予防のために、少量アスピリンを勧める文献もありますが賛否両論のようです。
今回の論文は一見、当たり前と論評されそうですが、心すべき内容と思いブログしました。
 最近では大腸癌が西洋諸国や日本でも増加傾向です。先進国のライフスタイルと関連性があるのでは
との観点から、下記のライフスタイルを調べています。

 ・喫煙 ・アルコール摂取 ・ダイエット ・運動 ・肥満  の5項目です。


纏めますと

1) 大腸癌の4,092人と、コントロール群の3,032人を対象にしています。
   大腸癌の45%は5項目に不一致でした。 (5項目には気を付けていない。)

2) ライフスタイルで、0か1つしか気を付けていない場合と比較すると
   2個では危険率は0.85、3個では0.62、4個では0.52、5個全部では0.33と、段階的に減少して
   います。

3) 論者も5項目すべてを守る事は現実的でないとしていますが、出来るだけライフスタイルの改善に
   取り組めば、危険率は約半分になるとしています。






Healthy Lifestyle Factors Associated With Lower Risk of Colorectal Cancer Ir.pdf












posted by 斎賀一 at 14:12| Comment(0) | 消化器・PPI

2018年08月21日

憩室炎に抗生剤は必要か?

憩室炎に抗生剤は必要か?
 
Long-Term Effects of Omitting Antibiotics
in Uncomplicated Acute Diverticulitis



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 以前より軽症(合併症のない)の憩室炎には、抗生剤は必要でないとする論文が散見されています。
今回も合併症がない左側憩室炎(下行結腸から直腸まで)に対して、抗生剤服用の有用性を研究した論文が出ていました。


纏めますと

1) 軽症憩室炎(合併症のない)528例を2年間経過観察しています。

2) 抗生剤の服用の有無に関わらず、両群とも憩室炎の再発は約15%でした。
   経過中の合併症の有無は、抗生剤服用群が3.3%、未服用群が4.8%です。
   S字状結腸の切除術施行頻度は、服用群で5%、未服用群で9%でした。


 筆者は症例数と経過が短いため明白には結論付けられないと前置きをしていますが、抗生剤の効果はそれなりにあるように私には見えますが・・・?



 日本での見解を「今日の臨床サポート」で調べてみました。

1) 憩室症の5%が、憩室炎や憩室出血を起こす。

2) 憩室内の細菌感染や虚血性変化により、憩室炎が生ずる
   憩室炎は周辺の腹膜の炎症が主体のため、疼痛は限局性である。

3) 約20%で膿瘍形成があり、1%が穿孔に至る。

4) 長期的な再発率は20~40%である。

5) 合併症のない憩室炎の治療ガイドラインは禁食、補液、抗菌薬投与としています。
   抗菌薬の投与は7~10日間の継続を推奨


 
憩室炎のHinchey分類を下記のPDFに掲載します。




私見)
 憩室炎の診断は本院ではエコーで行っていますが、不明確な点もありCTを依頼する事があります。
 CTでの診断確率は90%以上の様です。
 本論文でのS字状結腸手術は、抗生剤服用に関係なく5~9%有るとのデータはかなりの頻度と解釈
 します。
 尚、私の以前のブログも参照ください。( 憩室炎 で検索 )





hinchey分類 (2).pdf

憩室炎.pdf













posted by 斎賀一 at 20:49| Comment(1) | 消化器・PPI

2018年06月25日

内視鏡検査後の感染症

内視鏡検査後の感染症
 
Rates of infection after colonoscopy and osophagogastroduodenoscopy
in ambulatory surgery centres in the USA



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 胃内視鏡及び大腸ファイバー検査後の細菌感染症発生(大腸菌、クレブシェラなど)に関して、英国の
医師会雑誌のBMJのGUTより論文が出ていましたので掲載します。
 (なんでアメリカのデータなのでしょうか?)


纏めますと

1) 2014年のアメリカの6州で調査をしました。
   外来診療のセンター(ambulatory surgery center)で実施した胃カメラ700万人と大腸ファイバー
   1,500万人を、マンモグラフィーと比較しています。(マンモグラフィーは感染を誘発しないとの前提
   です。)

2) 検査実施後1週間以内での感染症発生頻度は
   マンモグラフィーで    0.6人/1,000人 
   大腸ファイバーのスクリーニング検査では    1.1人/1,000人
   非スクリーニング性大腸ファイバーで    1.6人/1,000人
   胃カメラでは    3.0人/1,000人 でした。

   検査後1か月では、マンモグラフィーで    2.9人/1,000人  
   大腸ファイバースクリーニングで    4.0人/1,000人
   非スクリーニング性大腸ファイバーで    5.4人/1,000人
   胃カメラで    10.8人/1,000人 でした。

3) 施設間差がありました。この点の解析が必要と述べています。

4) この論文には明らかな限界とバイアスがあります。
   従来から感染症があり、検査を実施しなくても細菌感染症は起きていたかもしれません。
   しかし、検査後の胃腸症状の増悪に関しては、因果関係を検討すべきとしています。
   また危険因子として、高齢者、1か月以内の入院歴、頻回の内視鏡検査、を挙げています。





私見)
 日本では自動洗浄装置が普及していますし、学会でのガイドラインの遵守を基本としています。
 張本さんの言うようにアメリカのやっている事ですので。
 しかしコンプライアンスのチェックは、さすがアメリカと思いました。
 今まで通りにガイドラインの遵守に努めましょう。





内視鏡 感染.pdf







posted by 斎賀一 at 19:55| Comment(1) | 消化器・PPI