2019年11月15日

原因不明の胃潰瘍

原因不明の胃潰瘍
 
Clinical features and natural history of idiopathic peptic ulcers:
 a retrospective case–control study



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 胃潰瘍の原因はピロリ菌と鎮痛解熱剤(NSAIDs)が主体ですが、最近ではピロリ菌の治療効果と
感染の低下により、ピロリ菌関連の胃潰瘍は減少傾向と言われています。

 今回イタリアから、原因不明の消化性潰瘍(IPUD;idiopathic peptic ulcer disease)についての
論文が発表されました。


纏めますと

1) 2002~2018年にかけて、内視鏡検査を受けた9,212人を対象に検討しています。
   ピロリ菌、NSAIDs、稀な疾患を除外した原因不明の消化性潰瘍;IPUDと定義しています。
   潰瘍のあった380人の内95人がIPUDでした。
   IPUD群と潰瘍のないコントロール群を比較しています。

2) 危険因子としては
   年齢の危険率は3.520、男性は3.126、入院している場合は2.968、
   薬剤の多剤併用の場合は2.808でした。

3) 治療としては潰瘍治療薬のPPIが有効で、40~60日間服用で治癒は97.6%でした。






私見)
 論評では原因不明と言っても、その原因を追究する事が重要としています。
 しかし、現段階では高齢者の薬剤の多剤併用は、胃にとって何らかの負担かもしれません。
 取りあえず、UPTODATEより一般的でない潰瘍の原因を調べました。(unusual peptic ulcer)
下記にPDF化しました。







1 Clinical features and natural history of idiopathic peptic ulcers_ a retrosp.pdf

uptodate unusual-causes-of-peptic-ulce.pdf














posted by 斎賀一 at 21:01| Comment(0) | 消化器・PPI

2019年11月11日

胃酸分泌抑制薬のザンタックに対する続報・FDAより

胃酸分泌抑制薬のザンタックに対する続報・FDAより
 
Statement on new testing results,including
low levels of impurities in ranitidine drugs
 


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 以前の私のブログでも紹介しましたが、ザンタックに発癌物質のNDMAが混入している可能性についてアメリカのFDAから続報が発表されました。
基本的にはこの不純物は低濃度との事です。


纏めますと

1) ザンタックのメーカからその後のデータを収集し、FDA自らも試験をしています。

2) ザンタックを正常の食事において服用し、胃酸や腸液に触れた後に、NDMAの生成をFDAが調べて
   いますが検出されませんでした。

3) メーカからの報告では、ザンタックに含まれていたNDMAは、食品として焼かれた肉に含まれる量と
   ほぼ同程度との結果報告です。

4) NDMAの許容範囲は  96 nanograms /日、 又は 0.32 ppmです。
   現在はこの範囲を逸脱していない様ですが、FDAは今後もメーカーと協調して監視を続ける必要が
   あるとしています。
   また、なぜザンタックにNDMAが検出されたのか、今後も調査を続けるとしています。

5) 今回は中間報告だが、ザンタックの回収は従来通りに継続するよう勧告しています。

6) 現時点ではザンタックに代わる他の潰瘍治療薬を処方するよう勧める。
   もしザンタックを以前に服用していたり今後続ける場合は、主治医と患者で十分なコンセンサスを
   とる事を勧める。

7) FDAは、患者の不明確なリスクを最大限に減少する努力を今後も採りつづける。そのためには安易
   な結論にならない様、十分な時間をかけて調査をする必要性があると述べています。






私見)
 本院でも出来る限り回収に努力して参ります。
 しかし今までに服用されてしまった方は、必要以上に心配をしなくともよいと理解しています。
 この点に関しては、直接本院のスタッフか医師にご質問ください。





ザンタック FDA.pdf










posted by 斎賀一 at 20:01| Comment(0) | 消化器・PPI

2019年11月09日

大腸内視鏡検査の前処置

                     大腸内視鏡検査の前処置
      <業務連絡> 
  


                                                             

 最近、ニフレックの服用が困難な方に、代替としてビクシリアを採用しています。
職員に頼んで服用マニュアルを作成してもらいました。 (下記のPDF参照)

前処置薬のPEGは、摂取量が多いため十分に補水が出来ていると誤解されがちですが、腸管から水分を
引いてくるため逆に脱水が心配されます。
高齢者や腎機能低下の患者さんでは、その影響は1か月も続くとの論文もあります。
大腸内視鏡検査の前後は、十分に注意して参りましょう。






1 大腸内視鏡検査を受けられる方へ2.pdf

2 大腸内視鏡検査を受けられる方へ1.pdf

3 ビジクリア飲み方 排便チェックシート.pdf







posted by 斎賀一 at 15:11| Comment(0) | 消化器・PPI