2021年08月17日

イベルメクチンは効果があるのか その2

イベルメクチンは効果があるのか その2
 
Ivermectin to prevent hospitalizations in patients with COVID-19
(IVERCOR-COVID19)a randomized, double-blind,
Placebo controlled trial



30817.PNG

       

 雑誌BMCにアルゼンチンからの報告がありました。


1) 2020年8月19日から2021年2月22日までの入院を要さないコロナ患者、501人を登録して
   います。 平均年齢は42歳です。
   イベルメクチン投与群が250人と、プラセボ群の251人を比較しています。
   イベルメクチンの投与量は12mg/日を2日間服用で合計24mgです。

2) 主要転帰は入院の阻止率です。

3) 結果は、入院率はイベルメクチン群が14人/250人(5.6%)に対して
   プラセボ群は21人/251人(8.4%)でした。
   (若干は効果があるようですが筆者は著変なしとしています。)
   入院までの期間も同等で差はないとの結論です。
   人工呼吸器の装着期間はイベルメクチン群が5.25日でプラセボ群は10日でした。



          30817-2.PNG



   
4) 結論としては、イベルメクチンの入院阻止の効果はあまりないとしています。






私見)
 日本人として効果は若干あるようにも見えるのですが、やっぱりだめですか。
 その他の文献として下記に掲載します。

 ・雑誌NEJMにイベルメクチンの副作用について掲載しています。
  特に小児における神経症状には注意が必要の様です。
 ・日本でのガイドラインでは新型コロナに対してイベルメクチンの使用を推奨していません。
 ・海外におけるイベルメクチンの論文集があります。
 
 出荷制限によりイベルメクチンは本院において手に入りません。
 ネットで海外から個人輸入が可能かもしれませんが、家畜用のイベルメクチン製剤も混ざっており注意
 が必要です。






1 本論文 (3).pdf

2 NEJM Ivermectin1.pdf

3 コロナガイドライン 厚労省 イベルメクチン.pdf

4 コロナガイドライン 厚労省 重症度分類.pdf

5 イベルメクチン論文集.pdf








posted by 斎賀一 at 20:49| Comment(2) | 感染症・衛生

2021年08月16日

イベルメクチンは効果があるのか? その1

イベルメクチンは効果があるのか? その1
 
Effect of Ivermectin on Time to Resolution of
Symptoms Among Adults With Mild COVID-19



30816.PNG
 

    

 新型コロナ陽性者の急増から、自宅療養の患者さんも増加の一途です。
保健所の業務も逼迫しており、開業医の役割が取りざたされています。
政府の方針は、急に中等症以下は自宅待機とし開業医責務論を展開しています。
我々は何も逃げ腰ではありません。サブとロジの観点から、何故ロジの方針を立ててくれないのか不満が
募ります。
 前線で自宅療養の患者さんを診察している、ある実地医家の先生がイベルメクチンを処方しているの
には戸惑いを感じました。しかし現段階でやむにやまれぬ心情と察します。

 雑誌JAMAにイベルメクチンの効果について論文が掲載されていましたので簡単に纏めてみます。


1) 2020年7月15日から11月30日の間に軽症で自宅か病院にて療養していた467人の患者を登録
   し、2020年12月21日まで経過を見ています。

2) イベルメクチンの300μg/kgを5日間服用する群の200人と、服用しないプラセボ群の200人を
   ランダム化しています。平均年齢は37歳です。

3) 主要転帰は21日間までの症状の寛解です。副反応は自己申告制です。

4) 結果は、症状の持続はイベルメクチン群が10日に対して、プラセボ群は12日と差はありません
   でした。21日までの寛解率はイベルメクチン群で82%に対してプラセボ群では79%と、これも有意な
   差はありません。
   副反応としての症状の報告に於いても、その差異はありませんでした。
   イベルメクチン群で7.5%、プラセボ群は2.5%でした。




          30816-2.PNG




  
5) イベルメクチンのウイルスに対する効果の研究は、動物実験からです。
   実際の人体での薬物動態における血液と肺での薬の濃度は動物実験とかなり異なっています。
   つまり、通常の投与量では有効な濃度に達していないのですが、今までの研究報告によりますと、
   それでも効果ありの結果です。
   しかも今までの報告は全て査読段階で、その後正式な雑誌による掲載は未だありません。
   本研究の服用量は従来の間歇的服用より肺でのイベルメクチン濃度は高く、薬に対する忍容性も
   ありました。アメリカのFDAが承認している他の寄生虫に対する薬用量より、本研究の服用量が多い
   ことから、今回の研究では十分量のイベルメクチンを服用したものと推定されます。
   (つまり、十分量を服用しても効果なしとの見解です。)







私見)
 その2で記載します。







jama_lpezmedina.pdf











posted by 斎賀一 at 21:58| Comment(1) | 感染症・衛生

2021年08月11日

デルタ株 その4 medscapeより

デルタ株 その4 medscapeより

'War Has Changed': CDC Says Delta as Contagious as ChickenPox



0811-2.PNG




 CDCからの発表を、専門家が解説してネットmedscapeに掲載しています。


 1) ワクチンを接種した人が感染すると(ブレイクスルー)、ウイルス量の多さから
    その感染力は通常並みとの事です。

 2) ワクチンを接種した人でも感染するのは、デルタ株が感染すると増殖して、
    他のウイルスと異なり、ウイルスの量が多くなり、免疫機能を凌駕するためと推定される。

 3) デルタ株は感染力が強いが、それから逃れることは出来ないので、早急なワクチン接種
    が必要である。

 4) ワクチン接種者が症状を呈したら、COVID-19の検査をして、陽性なら従来通り
    隔離すべきである。

 5) デルタ株は、水痘と同程度の感染力があるが、それは子供の頃を思い出してもらいたい。
    水痘に感染した友達と離れていても、同じインドアにいると感染してしまうという事実です。
    そして、簡単に家族の兄弟が感染してしまいます。しかし、感染形式は水痘やエボラ出血熱
    とは異なり、デルタ株の伝搬の主体は、従来通り飛沫感染です。そして水痘同様に、
    1人から8人に感染してしまいます。

 6) CDCが、リコメンデーションの変更を発表したのは以上のデータからです。
    つまり、ワクチン接種後もマスクの着用は肝要です。
    しかし、このことを一般国民が受け入れるのはかなり厄介です。
    CDCは、デルタ株は新しいウイルスとしてアナウンスしています。
    そして、ワクチン接種の必要性も述べています。ワクチンの効果は、デルタ株においても
    認められ、重症化、入院、死亡を軽減しています。さらに、感染の抑制も3倍軽減しています。
    しかも、デルタ株に感染するとウイルス量は多いのですが、必ずしも疾患を発生していません。



私見)
 NHKの昨夜の番組で、コロナ関連のフェイクニュースが取り上げられていました。
ネットのテロップだけを見たり、要約のみを読むとフェイクニュースと成りかねません。
私もその誹りを受けないよう、原文を読解するように注意します。
 取りあえず、我々が出来る事は、デルタ株に対しても従来通り、粛々と行っていくことにつきます。


2 デルタ株 medscape.pdf







posted by 斎賀一 at 22:31| Comment(2) | 感染症・衛生