2021年09月07日

新型コロナの経口治療薬

新型コロナの経口治療薬
 
Pfizer, Merck Launch New Trials of Oral COVID-19 Drugs
 


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 世界で新型コロナに対する新薬の開発が、しのぎを削っています。
日本の製薬会社も頑張っていますが、巨大製薬会社のファイザーとメルクが先行しているようです。
ロイター通信からの報道は、スガさんではないですが明るい兆しが見えてきました。


・ファイザー社のPF-0732133
  コロナウイルスが増殖する際に必要な酵素を阻害します。
  
・メルク社のモルヌピラビル
  コロナウイルスであるRNAにエラーを起こして、最終的にウイルスの複製を妨げ増殖を阻止します。
  アメリカ政府は12億ドルを支払って、本年の後半には緊急使用を承認するようです。

・ロッシュ社のAT-527
  RNAウイルスの複製に不可欠な酵素である、ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼを特異的に阻害
  するように設計されています。
  日本の中外製薬が契約しています。





私見)
  C型肝炎の特効薬であるDAAの話題が私のブログから消えて久しいものがありますが、今回の新型
  コロナウイルスの経口薬も同じ範疇に入るようです。
  そうなると、効果は100%に近いものがあると期待します。
  DAAが上市された時にはその薬価にびっくりしましたが、まさかそれはないでしょうね!?







コロナ治療薬.pdf








posted by 斎賀一 at 20:18| Comment(1) | 感染症・衛生

2021年09月04日

新型コロナにおける吸入ステロイド(ブデソニド)の効果

新型コロナにおける吸入ステロイド(ブデソニド)の効果
 
Inhaled budesonide for COVID-19 in people at high risk of complications
in the community in the UK (PRINCIPLE):



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 肺の上皮に存在する新型コロナウイルスのレセプターがACE-2と言われていますが、その場での炎症が新型コロナの病状に関係することが、当初より判明しています。
不思議なことに、肺疾患の喘息やCOPDの患者さんでは新型コロナの発生頻度が低いことも報告されています。吸入ステロイドの治療が影響しているのかもしれません。更にステロイドの全身投与も重症化を防ぐとの研究結果があります。
全てがステロイドの抗炎症作用によるものです。しかしステロイドの全身投与は副作用があり、その効果に対して反対の見解も報告されています。

 今回のLANCETの論文は、65歳以上か基礎疾患のある50歳以上を対象に、吸入ステロイド剤のブデソニドの効果を調べた報告です。


1) 2020年11月27日から2021年3月31までの研究です。
   新型コロナの症状が14日まで好転しないが入院も必要でない患者が対象です。
   全体で4,700人が登録しています。
   ブデソニドを800㎍/回、2回/日を14日間継続する群の1,073人、通常の治療群の1,988人、
   他の治療群の1,639人を先ず調べました。
   最終的に新型コロナ感染の確信例として、ブデソニド群が787例、通常群が1,069例、
   その他の治療群が974例を比較しています。

2) 主要転帰は ・最初に回復した自己報告 ・入院 ・新型コロナ関連死です。
   自己申告による病期の短縮は、ブデソニド群が通常群より2.94日短縮しています。
   入院と死亡では、ブデソニド群が6.8%に対して、通常群で8.8%でした。
   危険率はブデソニド群で0.75となります。
   重篤な副作用がブデソニド群で2例、通常群で4例でした。




   
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3) 合併症のある層でのブデソニド吸入は、それなりの効果を示しています。







私見)
 自宅療養者の対応は保健所から「町医者」が担うべき、との暴論とも受け止められる非難がマスコミに
 溢れています。お気持ちは分かるのですが、対策を十分に練らないでトップダウンされては、下々の
 町医者は戸惑うばかりです。
 竹やりで突っ込めと言わんばかりです。
 せめて本院では、ブデソニド(パルミコート)を処方します。
 イベルメクチンは手に入らないのですから ...。
 中和抗体は、町医者にとっては高嶺の花です。





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コロナ budesonide LANCET.pdf










   
   
posted by 斎賀一 at 16:51| Comment(1) | 感染症・衛生

2021年09月01日

コロナワクチン接種後の心筋炎

コロナワクチン接種後の心筋炎

Myocarditis after Covid-19 mRNA Vaccination

        


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 ファイザーワクチン接種後の心筋炎について以前にブログしましたが、今回、雑誌NEJMに
心筋生検を含めた2例の報告がありました。


  ・ 症例1
    
      45歳の女性。ウイルス感染の前駆症状はありません。
      1回目のファイザーワクチンを接種して、10日目に呼吸苦と眩暈が生じています。
      鼻咽頭のウイルス検査ではすべて陰性です。血清学的PCRでも、ウイルス感染を同定
      されていません。
      受診時に頻脈、心電図でST低下、トロポニン値上昇を認めています。
      心エコーで駆出率が15〜20%に低下。冠動脈造影では著変なし。
      心筋生検ではT細胞、マクロファージの心筋組織への浸潤を認めています。
      治療により、症状発現から7日で駆出率が60%に回復して、退院しています。



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  ・ 症例2
    
      42歳男性です。モデルナワクチンを2回接種し、2週間後に呼吸苦と胸痛が出現しています。
      ウイルス感染の前駆症状はありません。
      頻脈と発熱で受診しています。心電図はST上昇、心エコーで駆出率が15%に低下。
      冠動脈造影では著変ありません。心原性ショックを起こし、症状発現後3日で死亡しています。
      病理解剖がなされています。



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結論
 
  2例とも劇症心筋炎の組織像です。コロナワクチン接種後の2週間以内に発生しています。
 


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私見)
 9月から新学期がスタートします。ワクチン接種も12歳までが対象となります。若い人への接種を
本院もすすめて参りますが、ワクチンの有効性のみが先行する事には、十分な注意が必要です。
 心筋炎に対しては迅速な対応として、呼吸苦、胸痛、頻脈の症状に心電図、トロポニン、
簡易心エコーが必須です。
 心不全の治療、methylprednisolone (1 g daily for 3 days)




1 Myocarditis after Covid-19 mRNA Vaccination.pdf

2 ブログ 心筋炎.pdf

3 心筋炎 ped.pdf








posted by 斎賀一 at 21:40| Comment(0) | 感染症・衛生