2019年06月12日

エナジードリンク(栄養ドリンク)による心電図変化

エナジードリンク(栄養ドリンク)による心電図変化
 
Impact of High Volume Energy Drink Consumption
on Electrocardiographic and Blood
Pressure Parameters: A Randomized Trial



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 アメリカでは、カフェイン含有ドリンクによる救急医療機関受診や死亡例も多く報告されています。
以前の私のブログでも、ドリンクが血圧に影響すると報告しましたが、今回の論文は心電図変化です。


纏めますと

1) 健康な34名のボランティア(18~40歳の平均年齢22.1歳)を対象
   AとBの2種類のエナジードリンク(カフェイン含有量は304mg及び320mg/32オンス=907gr )
   とプラセボを使用。このエナジードリンクにはタウリン、グルクロン酸、 ビタミンも含んでいます。
   調査の48時間前から、ボランティアはカフェインとエナジードリンクを飲まないようにします。
   AとBとプラセボを別の日に、それぞれ60分以上かけて32オンス量を飲みます。
   その後30分おきに4時間まで心電図を測定します。
   心電図のQTcと血圧の変化を調べました。

2) プラセボと比較してQTcはAが6.1ms、Bが7.7ms 延長していました。
   最初の1時間の延長は、脈拍数の増加に関係すると推測されます。
   そのQTc変化は4時間も持続していました。
   血圧に関してはプラセボに比して収縮血圧が5mmHg高くなっています。

3) QT延長が30ms増加すると重大な不整脈に関与すると言われています。
   一般的にはカフェインが400mg以下では心配はないと言われていますが、本ドリンクの中にある
   タウリンとカフェインの相互作用も推定されます。
   特にQT延長症候群の実験動物では、タウリンは用量依存性にQTが延長する事が証明されて
   います。
   以前の抗アレルギー薬トリルダンは、QT延長のために発売が中止されています。
   高血圧患者やQT延長症候群の人は、特にエナジードリンクには注意が必要としています。




  
私見)
 日本のエナジードリンクは大方がカフェイン含有は50mg以下ですが、夏の暑い時に元気を出す意味で飲むのは避けたいものです。特に子供には注意が必要となります。
 (元気のないお父さん、バイアグラとの併用は禁忌です。)





Energy Drink.pdf











  
posted by 斎賀一 at 19:34| Comment(1) | 循環器

2019年05月20日

少量アスピリンは頭蓋内出血のリスクを増加?

少量アスピリンは頭蓋内出血のリスクを増加?
        <ツイッター版>


  
 
 以前の私のブログでも紹介しましたが(アスピリンで検索してください)少量アスピリンは、1次予防の
効果に関して疑問符がついています。
しかも、雑誌JAMAからは追い打ちを掛けるように、少量アスピリンにより頭蓋内出血の危険率が増加
するとの報告です。
頭蓋内出血の危険率は1.37、特に硬膜下と硬膜外出血の危険率は1.53です。
脳内出血やくも膜下出血の危険率は低かったようです。




参考)
尚、頭蓋内出血とは頭蓋内にみられる全ての出血の総称であり、出血の部位により硬膜外出血、硬膜下出血、くも膜下出血、脳室内出血、脳実質内出血があります。
頭蓋内では、塊状出血の形をとる場合は、頭蓋内血腫ともよばれ、血腫が周囲を圧迫すること(Mass effect)が、二次的な障害を起こします。  (ネットより)

 


          0520.PNG 


   
 

私見)
 所謂、心血管系性疾患に由来する頭蓋内出血はそれ程では無いようです。
 それにしましても、少量アスピリンを処方する場合にはそれが1次予防か2次予防か、厳格に峻別しなく
 てはならない様です。  (意外にグレーゾーンがあると思っています。)






Frequency of Intracranial Hemorrhage With Low-Dose Aspirin in I.pdf









posted by 斎賀一 at 19:38| Comment(0) | 循環器

2019年04月27日

心室性不整脈と自律神経障害

心室性不整脈と自律神経障害

Nocturnal ventricular arrhythmias are associated with the severity of
cardiovascular autonomic neuropathy in type 2 diabetes



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 糖尿病患者で、心血管性の自律神経障害が高度の場合は、夜間の心室性不整脈(心室性期外収縮)
の頻度が高くなるとの報告が中国南京の研究者よりありました。


 1) 心血管性自律神経障害(CAN)とは、起立性低血圧、呼吸性脈拍変動、起立性脈拍変動、
    バルサルバ手技による脈拍変動などです。

 2) CANが確定してからホルター心電図検査を実施しています。
    CANの程度を、無し、早期、確定、進行性の4段階に分類しています。

 3) CANが無い場合は、夜間心室性不整脈が18.6%、早期が29.9%、確定が36.2%、
    進行性が60%でした。
    CANが増大すると、夜間不整脈の危険率は1.765でした。

 4) 夜間不整脈は、心血管疾患の重症化と夜間の死亡率と関連があると言われており、
    CANと夜間不整脈、特に心室性期外収縮の診断が重要としています。



私見)
 今後、特に糖尿病患者さんでの心電図検査時に立位での追加測定をする事と、ホルター心電図では、
夜間での心室性期外収縮の頻度に注目する必要がありそうです。



Nocturnal ventricular arrhythmias are associated with the severity of cardio.pdf







posted by 斎賀一 at 16:23| Comment(1) | 循環器