2023年10月21日

シイタケ皮膚炎

シイタケ皮膚炎

Shiitake Dermatitis
[n engl j med 389;15 nejm.org October 12, 2023]



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 雑誌NEJMに、シイタケ皮膚炎の画像が掲示されています。
適切な解説なのでブログしました。


1) 本症例は72歳の男性。 
   2日前より、背中の痒みを伴う発疹にて救急外来を受診しています。
   発疹が出現する2日前に、シイタケの入った料理を食べています。

2) 背中と上臀部に、鞭でたたかれたような線状の発赤を認めています。
   リンパ節炎、皮膚描記症、口腔粘膜病変等の所見はありません。
   シイタケアレルギーは半生なシイタケを食してなります。
   縞模様の発疹で、鞭打ち様紅斑(flagellate erythema)とも言われます。
   同じような発疹は、ブレオマイシン、皮膚筋炎、成人型スチール病でも稀に認められ
   ます。

3) 自然治癒します。シイタケを完全加熱する事で予防できます。





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私見)
 私はflagellate erythemaは皮膚描記症と勘違いしていました。











posted by 斎賀一 at 17:51| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2023年10月19日

鎮咳薬・抗生剤の供給不足

鎮咳薬・抗生剤の供給不足

Treatment of the Common Cold in Children and Adults



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 抗生剤を始めとして解熱剤、鎮咳薬などの呼吸器感染症関連の薬の供給が滞っています。
抗生剤などの乱用が問題視されて久しいですが、却ってよい結果になっているのかもしれ
ません。しかし、実地医家にとっては喜んでばかりはいられません。
 古い文献ですが感冒に蜂蜜が良いとの記載がありました。
まさしく今に光を当てた文献のような気がしたので、引っ張り出してブログします。
ピンチはチャンスと考えております。何卒ご理解をお願いいたします。




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  上の表は呼吸器感染症に関する薬剤の一覧表ですが、殆どがno effective 効果なし
  と決めつけています。





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   一方で、上の一覧表には蜂蜜が有効との事です。






雑感)
 経済大国からも軍事大国からも、日本は遠く離れています。二流国ではいけないので
 しょうか。
 かの国の様に、軍事大国や経済大国を目指したくもありません。
 もう一度医療も原点に戻って、泥臭くても熱い心で医療をしたいものです。






感冒の薬.pdf







posted by 斎賀一 at 14:56| 喘息・呼吸器・アレルギー

2023年09月06日

市中肺炎・NEJMの総説

市中肺炎・NEJMの総説

Community-Acquired Pneumonia
[N Engl J Med 2023;389:632-41.]



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 市中肺炎の総説が雑誌NEJMに掲載されていますので、要点をブログします。


1) 誤嚥にも微小のmicroaspirationと大きめのmacroaspirationがあります。
   microaspirationは病因の微生物(ウイルスおよび細菌など)が最初に肺に侵入する
   形態ですが、macroaspiraionが誤嚥性肺炎を引き起こします。(明確な区別は記載
   していませんが、肺炎を引き起こすにはmacroが必要かもしれません。)
   肺内のマクロファージが最初の防御システムです。そこからサイトカインが働きますが、
   サイトカインの過剰生産が炎症を増幅し、肺組織の損傷に繋がります。

2) 市中肺炎の原因を考えるときは、頻度の高い微生物(microorganism)を先ず考えます
   が、常に稀な原因も想定しなくてはなりません。
   市中肺炎は急性疾患ですが、現在では多系統の疾病と捉え長期の合併症を誘発し、しかも
   死に至る疾患と考えられています。




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3) 肺炎の診断には、色々なツールが紹介されています。(本ブログでは省略)
   原因としてはウイルスと細菌があります。その鑑別にプロカルシトニンがあります。
   細菌感染の時に増加し、細菌感染が消退するとプロカルシトニンも低下します。
   但しプロカルシトニンは必ずしも精度が高いわけでなく、出血性ショックや腎障害の時
   には擬陽性となります。しかし、マイコプラズマ感染症の時には正常範囲です。

4) 市中肺炎の時に原因となる微生物を同定するのは一般的でなく、経験的な抗生剤投与も
   推奨しています。但し新型コロナ、インフルエンザなどの迅速検査は有効です。
   レジオネラの迅速検査や、MRSA鼻咽頭のPCR検査も診断には有効です。

5) 治療
   ガイドラインでは3つのラインを推奨しています。
   ・サワシリン+オーグメンチン
   ・マクロライド(ジスロマック、クラリス)
   ・ドキシサイクリン

   3か月以内に抗生剤を投与されていた人で慢性の心疾患、腎疾患、肝疾患、肺疾患のある
   人、糖尿病、アルコール依存症、喫煙者はサワシリン+オーグメンチンに更にマクロライド
   かドキシサイクリンを追加して処方する。
   セファロスポリン系にアレルギー反応のある人はキノロン系を使用する。
   多くの患者は3日以内に軽快する。

6) 治療期間
   一般的には2日以内に症状は安定する。
   最短でも5日間が基本だが、症状が完全に安定していれば治療期間は3日間が最も最適で
   ある。その際にプロカルシトニンの低下は抗生剤の中断に良い指標となる。

7) 結論
   ウイルス性感染でも細菌感染が合併していることも多々ある。
   簡単にウイルス感染だけと決めつけない方が良い。
   その際に、経過でプロカルシトニンの上昇が一つの目安となる。
   3日以内に症状が軽快すれば、その後は全体で5日コースが一般的に推奨される。





私見)
  プロカルシトニンの迅速検査を以前は実施していましたが、コロナ禍ではりあまり汎用して
  いません。初期の診断段階での使用よりも、経過中に治療の変更を模索する際に有効の様
  です。プロカルシトニンの復活を考えましょう。








市中肺炎 suppl.pdf









posted by 斎賀一 at 18:58| 喘息・呼吸器・アレルギー