2018年08月23日

エピネフリンの鼻用スプレー;アナフィラキシー対策

エピネフリンの鼻用スプレー:アナフィラキシー対策
         
     <業務連絡用>



 2018-6-18 の私のブログで掲載しましたが、本院職員が実用的な器具を作成してくれました。
患者さんに充分なコンセンサスを得て実行したいと思います。
下記に器具をPDFしました。
また再度、アナフィラキシーの診断基準を下記のPDFで掲載します。





ボスミン鼻腔噴霧.pdf

鼻用スプレー.pdf

アナフィラキシー診断.pdf






















posted by 斎賀一 at 13:48| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2018年08月07日

食物アレルギーとアナフィラキシー

食物アレルギーとアナフィラキシー

宮城県立こども病院アレルギー科
   三浦 克志
  アレルギー67(1),1−7,  2018(平30)



0807.PNG
 

        
 食物アレルギーが全身症状のアナフィラキシーに成らないか、又学校でそれが起きた時に適切な対応が出来るか、保護者の方の心配は尽きません。
今回、食物アレルギーに関して良く纏まった論文がありましたのでブログしてみます。


 1) 食物アレルギーを起こすアレルゲンが生体に侵入する経路は問わず、経口、経皮、吸入、粘膜、
    注射、胎盤などが考えられる。

 2) 「アレルゲン等の侵入により複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を
    与え得る過敏反応」をアナフィラキシー、さらには、「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を
    伴う場合」をアナフィラキシーショックと定義

 3) 全国の小学校、中学校、高等学校における食物アレルギーは平成16年の割合が2.6%だった
    のが、平成25年には4.5%とこの間に1.7倍と増加していた。アナフィラキシーに至っては、
    平成16年の0.14%から平成25年の0.5%と3.6倍に増加していた。

 4) グレード1(軽症)、グレード2(中等症)、グレード3(重症)に分けられ、
    グレード3には日本小児アレルギー学会の「一般向けのエピペンの適応」の症状が含まれている。
    アドレナリン筋肉注射の適応は、グレード3の症状を認めた場合であるが、
    グレード2の症状でも、@過去に重篤なアナフィラキシーの既往がある場合、
    A症状の進行が激烈な場合、B呼吸器症状で気管支拡張薬の吸入でも改善しない場合、
    はアドレナリンの投与を考慮する。

 5) 症状が一旦改善した後に、再びアナフィラキシー症状が出現する二相性の反応があり、
    多くの場合は初回のアナフィラキシー発症後、72時間以内に発症する。
    最近のsystematic reviewによると、アナフィラキシーの症状を呈した患者の4.6%に
    発症している。

 6) 教育機関での食品摂取に対して、安全性を担保した指導が行われる必要がある。
    このため、家庭で行う必要最小限の除去とは異なり、完全除去か、解除かの二者択一による
    給食提供が推奨されている。



私見)
 以前ですが、ある出版社の担当の方から私のブログに関してクレームがありました。ある書籍を、
まるまる掲載してしまったためです。私は図らずもウッカリ「ブログを見て頂きありがとうございます」と
お礼をしてしまいました。
 私の欠点は反省はするのですが、懲りない点です。
 今回も素晴らしい論文でしたので職員の皆さんに知ってもらいたいとコピペしてしまいました。


下記にエピペンのサイトを掲示します。
 https://www.youtube.com/watch?v=caZv1Zwznis



食物アレルギー.pdf


文部科学省 対応指針.pdf









posted by 斎賀一 at 21:14| Comment(1) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2018年07月07日

気管支喘息吸入薬の吸入ステロイド+LABAは安全

気管支喘息吸入薬の吸入ステロイド+LABAは安全
 
Combined Analysis of Asthma Safety
Trials of Long-Acting β2-Agonists
N Engl J Med 2018;378:2497-505



0707.PNG



 長期作用型の気管支拡張吸入薬(LABA)が上市された時は、その効果と使用方法に驚愕を受けたことを覚えています。
しかしその後黒人を中心とした死亡例の報告があり(SMART試験)、アメリカのFDAの警告によりwarning boxに入ってしまいました。その後はLABAと吸入ステロイドを併用すれば重大な副作用は無いとされ、混合薬が使用されています。
しかし、少数例ながら併用でも重大な事象の懸念から、FDAは各メーカーに市販後調査を命令しました。アストラゼネカ(シムビコート)、グラクソスミスクライン(アドエア、レルペア)、メルク、ノバルティスの4社
です。FDAの管理下で同様なプロトコールの基で調査を行いました。この管理委員会に雑誌NEJMも加わっています。
(尚、予め混合したものと別々に併用したのかが明白でないため、ブログでは混合薬とか併用薬と記載しますが、同じ意味に解釈してください。)



論文を纏めますと

1) 主要転帰(一次エンドポイント)は喘息に関連した挿管や死亡、副次的転帰(二次エンドポイント)は
   重篤な喘息関連の状態、喘息発作などとしています。

2) 対象は36,010人を吸入ステロイド+LABAの併用療法の群と吸入ステロイド単独の群の2群に
   分けています。

3) 喘息に関連する挿管が 3件(吸入ステロイド群 2 件、併用療法群 1 件)と、喘息に関連する死亡
   が 2 件(いずれも併用療法群)ありました。
   これは1/7,200人の発生です。
   重篤な喘息関連イベント(入院、挿管、死亡の複合)の副次的解析では、1件以上の複合イベントが
   吸入ステロイド群 18,006 例中 108 例(0.60%)と、併用療法群 18,004 例中 119 例
   (0.66%)で発生し(併用療法群の相対リスク 1.09)、1 件以上の急性喘息増悪発作が、吸入ステ
   ロイド群の 2,100 例(11.7%)と、併用療法群の 1,768 例(9.8%)で発生した。
   (相対リスク 0.83)
   明らかに併用療法の方が有効でした。

4) LABA+吸入ステロイド併用療法では、吸入ステロイド単独と比較して重篤な喘息関連イベントの
   リスクが有意に高まる結果とはならず、喘息発作が有意に少なかった。
   これは併用の方が喘息増悪を17%減少していました。

5) 併用の方で増悪する場合がありましたが、これは治療に対する反応が悪い喘息のパターンもあり、
   対象が多くなればこのような一群が存在するのは仕方ないと説明しています。

6) 結論として、LABA+吸入ステロイド併用療法では吸入ステロイド単独と比較して、重篤な喘息関連
   イベントのリスクが有意に高まる結果とはならず、喘息発作が有意に少なかった。

7) 論文の最後にLABA+吸入ステロイド併用の併用療法はFDAのwarning boxから解き放されたと
   しています。





私見)
 LABA+吸入ステロイドの合剤が無罪放免となり嬉しい限りですが、更に発作の時だけ吸入ステロイドに
LABAを使用したり、更にお許しが出ればLABA単独の発作時使用も可能な時が来ないかと夢見ながら。

お休みなさい。




吸入薬.pdf

配合剤.pdf













posted by 斎賀一 at 15:30| Comment(1) | 喘息・呼吸器・アレルギー