2018年04月21日

インフルエンザ検査キット

インフルエンザ検査キット

インフルエンザウイルス抗原検出キットの実力
  日本医事新報 No.4830 2016.11.19



0421.PNG

     

 若干古い文献ですが、入手しましたので掲載します。
私としては認識を新たにした点もあり、今後の参考にしようと思っていますので職員の皆さんも共有して
ください。


1) 適切な鼻汁検体を使用すれば、A型ウイルスに対する感度は90~95%である。
   ところが如何なる方法を用いても、B型ウイルスに対する感度は90%未満である。

2) 一般的に低年齢かつ検査時までの体温が高く、症状発症後の経過時間が長いほど、感度は高いと
   報告されており、発熱直後では偽陰性になることをしばしば経験する。
   一方、成人では小児と比べてキットの感度は低いと言われている。

3) 迅速診断キットの一部では、鼻腔拭い液採取用に特殊な新タイプの細毛を配した綿棒flocked
   Swabを採用しているため、キットの感度に関してこの綿棒による鼻腔拭い液、が鼻咽腔吸引液に
   匹敵するかどうかを検討する価値はある。

4) インフルエンザであった場合、2〜3日間の投薬によりキットが陰性化することは、まずありません。
   強く疑った場合は投与を開始して、後日再検査してもかまいません。

5) インフルエンザB型の流行時には、どのような検査体制をとるべきかを考えると、B型ウイルスに対
   するイムノクロマト法キットの感度は十分ではないので、B型検出感度が高い銀増幅イムノクロマト
   法を導入し、イムノクロマト法キットと併用して検査することが1つの方法としてお勧めできます。



            0421-2.PNG




私見)
 フジの高感度の機器を大いに活用しつつ、検査体制を再構築したいと思っています。








posted by 斎賀一 at 15:16| Comment(0) | インフルエンザ

2018年02月20日

今季のインフルエンザ・ワクチンの効果

今季のインフルエンザ・ワクチンの効果

Interim Estimates of 2017–18 Seasonal
Influenza Vaccine Effectiveness −
United States, February 2018



0220.PNG




 アメリカでの今季のインフルエンザの流行は、pmd09の時を凌ぐ勢いとのことです。
それを受けて、早くもCDCより今季のインフルエンザ・ワクチンの効果判定の中間報告が出ました。
概ね36%の効果の様です。


1) 調査は2017年11月より2018年2月までです。
   4,600人の7日以内の咳嗽をもった急性呼吸器疾患が対象です。
   確定診断で38%がインフルエンザでした。その内43%がワクチンを接種していました。

2) 効果は
      ・インフA(H3N2) :  25%
      ・インフA(H1N1)pdm09 :  67%
      ・インフB :   42%

3) しかし年齢層で効果は異なりました。
      ・6カ月より8歳までの効果は59%
      ・18歳から49歳の効果は33%

4) A(H3N2)の効果が低かったのは今後の課題であるし、更に効果のあるワクチンの開発の必要性が
   ある。 (私の抗原原罪説のブログを参照ください。)
   しかし乳児や高齢者のワクチンの予防効果はあり、抗インフルエンザ薬の使用と合わせ、重症化を
   防ぐ事が大事である。




私見)
 ワクチンの効果は無いようでいて、実はあるとしています。
 好意的にみるか、懐疑心で解釈するかが分かれ道のようです。
 (勿論、私は何時も何でも好意的です。)

インフルエンザの漢方に対する雑感
 巷間に「タミフルを含めたインフルエンザ治療薬に害はあるが効果はない。だから診断する必要も
 ない。」といった考えが流布しているようです。
 更に麻黄湯は、タミフルと同等の効果があるとする文献もあるようです。
 上記の事に関しては私なりに考えがありますが、今回は省略します。
 ただ漢方と言っても、充分に理解して服用しなくてはいけません。
 この点に関して浅学ながら私の考えを記載します。

 
 1) 中国の傷寒論が基だと思います。この中で急性期に使用するのは解表薬です。
    この解表薬の代表が麻黄湯と桂枝湯です。体を温めて邪を追い払うのを目的としています。
    一般的に体力がある人(実証)が麻黄湯で、体力が低下している人(虚証、つまり強い発汗には
    耐えられない人)には桂枝湯です。
    葛根湯はその中間で麻黄湯の温める作用や発汗作用を和らげる意味で、冷やす葛根を追加した
    処方です。(葛根はくず湯のように温めるものと勘違いしている人が多いのですが、実はお湯に
    溶かすから温まるのです。)
    麻黄は明らかにエフェドリンです。麻黄湯は病初期に用いるのが原則です。
    一方葛根湯は初期から後半にも服用できます。(だから葛根湯医者とは、なんでもかんでも葛根湯
    を処方する藪医者の代名詞となっています。因みに私は葛根湯が大好きです。)
    小建中湯は桂枝湯に飴をいれて甘くしたものです。

 2) 以上より自ずから処方の注意が分かると思いますが
     ・小児は小建中湯が基本
     ・チョット体力があれば葛根湯は何時でもOK
     ・麻黄湯がインターフェロンを誘発し、抗ウイルス作用があると信じた時には注意して少量用いる。
       (エフェドリンがバンバン!)

 3) 診療には虚心坦懐で臨みたいと思います。
    高僧の様に座禅を組んで無の境地になれれば良いのですが。





Interim Estimates of 2017–18 Seasonal Influenza Vaccine Effectiveness − Unit.pdf
















posted by 斎賀一 at 20:26| Comment(0) | インフルエンザ

2018年02月14日

インフルエンザは空気感染する?

インフルエンザは空気感染する?
             <ツイッター版>
  
Infectious virus in exhaled breath of symptomatic
seasonal influenza cases from a college community



 どの様にしてインフルエンザが伝播するかに関しては、以前のNEJMの動画からも飛沫感染が主体で空気感染の可能性は低く、一般的なマスクで良いとしていました。 (私の思い違いかも?)
今回のPNASからの論文では空気感染の可能性もあり、しかも咳やクシャミをしていなくても呼吸だけで他人に伝播するとの事です。



1) インフルエンザと診断された大学内での142人が対象です。
   2012~2013年の季節性インフルエンザの時期に調査を行っています。

2) 患者サンプルは鼻咽頭スワブと30分間の呼気からです。(fineは5μ以下、courseは5μ以上で両者
   を採取。つまりfineは空気感染で、courseは飛沫感染を意味します。)

3) 登録者は発病3日以内で普通の呼吸、会話、咳、クシャミにおける状態で採取しています。

4) インフルエンザウイルスは、呼気のfine粒子の中に意外に長い時間いる事が分かり、空気中に漂う
   かもしれない様です。

     ※鼻咽頭のスワブで89%、呼気のfine粒子の中に39%存在していました。

5) 咳やクシャミをしなくても普通の呼吸でウイルスは飛散していました。





私見)
 勿論マスクは他人にうつさない点では重要ですが、個人の防御の点では不十分とのガイドラインです。
 手洗い励行も併せて推奨しています。
 どのマスクを用いるかは、来たる新型インフルエンザに備える観点からも重要になりそうです。
 日本での学級閉鎖は高く評価されています。
 また、以前のpmd09の際のCDCからの報告では空気感染の可能性は低いとする論文もありました
 が ...!?





seasonal influenza cases from a college community.pdf






posted by 斎賀一 at 19:16| Comment(1) | インフルエンザ