2019年10月29日

インフルエンザ治療薬・ゾフルーザの逆襲

インフルエンザ治療薬・ゾフルーザの逆襲
 
Genentech Announces FDA Approval of Xofluza
 (Baloxavir Marboxil) for People at High Risk of
Developing Influenza-Related Complications



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 ゾフルーザは塩野義製薬が創製し、開発してきました。
本薬の開発および販売は、現在、Rocheグループ(米国Genentech社を含む)との提携下で進めて
おり、日本と台湾における本薬の販売は塩野義製薬が、それ以外の国における本薬の販売はRoche
グループが行います。この米国Genentech社のPhase III CAPSTONE-2 studyの発表を受けて、
米国FDAが内容を承認したとの報道がありました。



使用に関する承認内容は
 ・合併のない急性インフルエンザ
 ・12歳以上
 ・症状が出現して48時間以内
 ・基礎疾患であるため、インフルエンザがハイリスクになる人
  CDCのハイリスクは喘息、慢性肺疾患、糖尿病、心疾患、肥満、65歳以上です。
 
ゾフルーザの副作用の内容報告は
 ・下痢が3% 細気管支炎3% 嘔気2% 副鼻腔炎2% 頭痛1%

効果は
 ・ハイリスク患者でプラセボーとの有症状期間の比較では、ゾフルーザが73時間に対して
  プラセボーは102時間
 ・有症状期間をタミフルと比較しますと、ゾフルーザが73時間で、タミフルが81時間と差はありません。
 ・B型インフルエンザでは、ゾフルーザが75時間に対して、プラセーボは101時間と有効でした。

不明確な点として
 ・12歳以下と体重が40kg以下の場合、安全性と効果は現在確立されていません。
 ・妊娠と胎児への影響は不明
 ・授乳の安全性は不明
 ・併用薬、サプリ、漢方薬との相互作用は不明

服用に関して
 ・食事の影響は無いので食前、食後に関係なく服用は可
 ・乳製品、カルシウム剤、下剤、制酸剤(潰瘍治療薬)、鉄剤、亜鉛、セレン及びカルシウムや
  マグネシウムを含むサプリとの併用は避ける。





 
私見)
 ゾフルーザの立ち位置が見えてきた感じです。
  ・12歳以上の人で、服用が1回で済むことを望む人
  ・基礎疾患のあるハイリスクの人
  ・65歳以上の人
  ・出来たら体重は40kg以上ある人


 小児に関してはタミフルが基本ですが、イナビルの懸濁吸入も上市されており、今後は職員と使用方法
 を検討します。
  (院内ではgood ideaとの評判です。)






インフ m.pdf









posted by 斎賀一 at 19:43| Comment(2) | インフルエンザ

2019年10月25日

インフルエンザ情報・日経メディカルより

インフルエンザ情報・日経メディカルより



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 最新情報が日経メディカルから数編発表になっていますので、まとめて報告します。


1) 沖縄からのインフルエンザ流行の知らせで、今シーズンは早い流行と考え準備を早急にしなくては
   と慌てましたが、下記のグラフより一旦は終息しているようです。 (厚労省の報告より)



         1225.PNG
         

   
   インフルエンザは赤道直下では一年中流行しており、6月から9月にかけてのモンスーンと共に東南
   アジアに拡大し、その地域からの旅行者がウイルスを沖縄に持ち込むこととなり、沖縄では例年夏季
   と冬の2回流行すると推定されています。

2) 2009年に起きたパンデミックH1N1は、最近では流行の間隔が短縮し流行の規模も縮小の傾向
   です。
   やがて消失するかもしれません。しかし遺伝子的には毎年変化しており、一気に病原性の変化を
   きたす可能性もあり危惧されています。

3) 昨シーズンに処方されたゾフルーザは、今シーズンは逆風のようです。
   ・耐性株の出現により、人―人感染が認められている。
    (ゾフルーザを服用している患者から、耐性ウイルスが萌出する。)
   ・ゾフルーザに対する低感受性株の出現が多く認められている。
    (小児では、ゾフルーザ服用により罹患期間が長引く可能性あり。)
   この事から、日本の各学会は小児(12歳以下)でのゾフルーザは慎重に、とのコメントです。

4) 吸入薬のイナビルが、コンプレッサーを用いる新製品を今季より上市しました。(下記PDF参照)








1 インフ情報.pdf

2 沖縄 インフ.pdf

3 インフルエンザ h1n1.pdf

4 ゾフルーザ 小児.pdf

5 ゾフルーザ 慎重 小児.pdf

5 小児 ゾフルーザ.pdf

6 ゾフルーザ 人人感染.pdf

7 イナビル吸入薬.pdf

8 イナビル.pdf

9 ゾフルーザ 授乳.pdf











  
posted by 斎賀一 at 20:30| Comment(0) | インフルエンザ

2019年09月30日

N95マスクとメディカルマスクの比較

N95マスクとメディカルマスクの比較
 
N95 Respirators vs Medical Masks for Preventing
Influenza Among Health Care Personnel



0930.PNG




 インフルエンザのシーズンとなりました。
予防には注意が必要ですが、医療従事者においては特にマスクの着用が必須です。
以前のサーズ問題の時から、マスクは厳格なN95が必要との事で本院も大量に備蓄してありますが、
最近ではインフルエンザの予防には、通常のマスク(medical mask又はsurgical mask)でも十分な
効果があるとされています。 (以前に私もブログで紹介しましたが、N95で検索してください。)
今回、それを証明した論文が掲載されています。


纏めますと

1) 2011~2015年にかけて、医療従事者2,862名を対象にN95マスクと通常マスクに振り分けて、
   調べています。  
   女性が82.8で、平均年齢が43歳です。
   (ナースが主体のため女性が多いようですし、若干若い方が多い気がします。)

2) 主要転帰は、検査でインフルエンザが確診した例
   二次転帰は、インフルエンザ様疾患、検査で確診した呼吸器感染症です。

3) インフルエンザ感染の確診はN95が8.2%、通常マスクが7.2%でした。

4) 結論としては、N95マスクと通常マスクとの差はありませんでした。






私見)
 対象者はインフルエンザ・ワクチンの接種をしています。
 先ずはワクチン接種を行いましょう。






n95.pdf











posted by 斎賀一 at 20:15| Comment(0) | インフルエンザ