鉄欠乏性貧血における鉄剤の服用
Effect of dietary factors and time of day on iron absorption
from oral iron supplements in iron deficient women
from oral iron supplements in iron deficient women
静脈の投与と異なり、経口薬の鉄剤は余分な量は排出されるので、一般的には安全性が確立
されています。ガイドラインではビタミンCとの併用と、空腹時の服用を推奨しています。
但し副作用として消化器症状があり、本院では食後服用もありと説明していました。
uptodateによりますと、やはり空腹時での服用を勧めておりますが、副作用の胃部不快感が
あれば食事中での服用も認めています。
また、隔日での服用も副作用の軽減に繋がるとしています。
今回鉄剤の吸収に関しての論文が載っていましたので、ブログします。
1)鉄欠乏性貧血患者34人を対象にしています。血清フェリチンの平均値は
19.4㎍/Lです。
鉄剤100mgを6通りの方法で服用しています。
・朝に水と服用
・80mgのビタミンC(AA;ascorbic acid)と併用
・500mgのAAと服用
・コーヒーと併用
・コーヒーとオレンジジュース(AAが90mg以下)を含む朝食に服用
・午後に水と服用
2)結果
・80mgのAAとの服用は30%吸収増だが、500mgにAAを増加しても吸収増には繋がら
ない。
・コーヒーとの併用は、54%まで吸収減
・朝食とコーヒーを併用すると、オレンジジュース(AA90mg)が含まれても66%吸収減
・午後では朝と比べて37%吸収減
3) 考察
ポリフェノールが鉄の吸収に抑制的に働きますが、コーヒーのchlorogenic acidが
主に作用しているようだ。
午後の吸収が悪いのは、hepcidinの日内変動によるものと思われる。
(hepcidinは鉄の吸収をコントロールしており、高くなると吸収が抑止されますが、
日内変動で午後に高くなるので、鉄の吸収が低下します。)
4) 結論
鉄剤は朝食前にコーヒーも飲まずにAAもしくは野菜と服用すると吸収が増す。
私見)
鉄剤の服用に関しては、本院での指導をやや変更して参ります。
uptodateによりますと、AAつまりビタミンCとの併用までは勧めていません。
また、原則として隔日の服用とします。
本論文 (3).pdf
デニーズのはちみつ檸檬ミルクかき氷が美味しくて 先生いちごミルク派かなぁと思ったので1度食べてみて欲しいと伝えようと思ったら終わってしまいました残念(-_-;)