Long COVIDの研究の課題
Clinical Trials: Top Priority for Long COVID
アメリカではLong COVIDの発生が、成人で6.1%と推定されております。
主な症状は脳神経系の筋肉痛/慢性疲労(ME/CFS)です。
現段階で色々な研究(スタディ)がされているとの事です。今後の発展が期待される一方で、
課題もあるとの事がMedscapeに掲載されています。
簡単にブログしてみますと
・ウイルス感染症に対するME/CFS、自己免疫疾患、AIDSなどの治療薬が50種類ほど
Long COVIDに対しても治験されていますが、十分な効果が上がっていません。
・Long COVIDの病態そのものが多岐にわたっており、必ずしもその治療が単一ではなく、
研究にも注意して解析をしなくてはならない。
・慢性疲労症候群などの一般的な行動治療は、Long COVIDの場合は却って症状の悪化を招く
ため均一な行動治療、エクササイズを取り入れてはならない。
・研究の対象者とコントロール群の設定にPCRや抗体検査を用いる場合には、注意が必要と
なる。
感染しても抗体が陽性になるseroconverは1/3で、逆に数か月で抗体が陰性になるserorevert
も同様に認められるからである。
・Long COVIDの症状は他の一般的な症状とも近似しており、その鑑別が問題である。
・治療の成果としての転帰(エンドポイント)は明白な効果が必要で、軽度な症状の回復は排除
しなくてはならない。
・Long COVIDの多くは数か月で自然に回復するが、中には再炎する事もあり、研究の対象者を
選定するには注意が必要となる。
・稀ながらLong COVIDには治療しなくては症状の軽快が乏しい症例もあり、それに焦点を
集めるべきである。
・Long COVIDの問診を十分に行うことが最重要となります。
勿論、血液検査のデータの推移も参考になりますが、単純なアンケート調査では却って問題が
生じます。
私見)
Long COVIDは、研究も治療もこれからが勝負の様です。
Clinical TrialsTop Priorityfor Long COVID.pdf
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