新生児痙攣
Neonatal Seizures
[N Engl J Med 2023;388:1692-700.]
[N Engl J Med 2023;388:1692-700.]
新生児の痙攣について雑誌NEJMに総説が載っていました。本院では勿論、診断と治療において
守備範囲を超えていますが、稀に母子手帳に記載されていることがありますので、ブログで纏めてみました。
1) 誘発性痙攣は必ずしも、てんかんとは限りません。てんかんは、何かの誘因なくして
2回以上の痙攣発作と定められています。誘発性痙攣は、基本的には長期治療を必要と
しません。最近定義された新生児てんかん症候群は、稀な疾患群で、誘発性痙攣とは
異なり、長期治療を要する場合があります。
2) 新生児痙攣は、最初は部分的な(局所の)発作から始まりますが、全般性(全身の)
発作に進行する場合もあります。従って新生児の場合は、痙攣がしばしば、複雑部分
発作の形であったり、典型的でなく、わずかな症状の場合があり、見逃されることも
あります。
3) 診断のレベルを段階的に示すことも、経過を診るうえで有効です。
4) 基礎疾患を想定しての検索も有効です。
・ クロニック発作(間代発作)の場合は、脳梗塞が疑われ、画像診断が必須です。
(クロニック(Clonic)の発作は、発作が起こる際に、筋肉が繰り返し痙攣して、
拘縮する症状が特徴的な発作の一種です。この発作は、神経系の異常によって
引き起こされ、意識障害やけいれんの発作が起こることがあります。)
AIによる
・ トニック発作(強直性発作)は、低酸素の虚血性脳障害、代謝異常、チャンネル
異常、血管疾患、脳皮質異常が疑われます。
(トニック(tonic)発作は、突然意識を失わない部分的な発作で、筋肉が硬直
する症状が特徴的な発作です。この発作は、大脳皮質の神経細胞の過剰な興奮
によって引き起こされます。)
AIによる
(クロニック発作は、発作時に筋肉が繰り返し痙攣して拘縮する症状が特徴的で、
クロニック発作は、一般的には全身性の発作であり、全身の筋肉が同時に痙攣
して、繰り返し拘縮することがあります。
一方、トニック発作は、筋肉が硬直する症状が特徴的です。トニック発作は、意識
がはっきりしており、しばしば患者は、発作中に意識を保持することができます。
トニック発作は、一般的には局所的な発作であり、発作が起こる部位の筋肉が硬直
することが多いです。
さらに、トニック発作は、一般的には短時間で終わりますが、クロニック発作は、
繰り返し発作が起こり、発作の間隔や持続時間には個人差があります。)
以上チャットAIより
・ ミオクローヌス発作は、低血糖、低ナトリウム血症、アミノ酸代謝異常、その他の
代謝異常が考えられます。
(ミオクローヌス発作は、筋肉の急な痙攣や震えを伴う短時間の発作です。
ミオクローヌスは、一般的には身体のあちこちで起こり、瞬間的な運動の中断や、
落下、声の発生などがあります。ミオクローヌス発作は、通常数秒から数十秒続き、
一般的には意識を失うことはありません。
ミオクロニー発作は、てんかん発作としての表現であり、通常両側、あるいは
全般性の1-2秒間以内の連続した四肢の筋収縮であり、1-2秒間の意識減損を伴う
こともあり、単発のこともある。)
AIとネットより
・ 自律神経発作は心血管系、迷走神経系、呼吸器系などですが、低酸素性脳障害や
脳内出血の際に起こります。
・ 新生児の場合に、振戦、興奮、ミオクローヌス様運動などとの鑑別が困難な場合が
あります。電解質異常、低血糖、服用薬の中断、感染症などで起こります。
・ 一般的に、self-limitingな予後良好な良性睡眠時ミオクローヌス発作は、睡眠時に
起き、脳波は正常です。
・ 新生児ハイパーレクスプレキシア(hyperekplexia)は、遺伝子によって引き
起こされる希少な神経疾患の一種で、刺激に対する過剰な反応性が特徴的な疾患です。
(この疾患の患者さんは、非常に強い驚きや刺激に対して、全身の筋肉が硬直する
反射を示します。この反射は、まるで弾かれるように突き飛ばされるような症状が
出ることから、「弾かれ病」とも呼ばれています。)
5) 新生児てんかん症候群
ILAE(国際抗てんかん連盟)が、新たに新生児てんかん症候群の定義を発表して
います。
・ self-limited てんかん
病態的には色々です。家族性又はde novo(突然)があります。
出産後2〜7日後に出現し、6か月後に軽快します。
発作は家族性で、部分的かつトニック発作です。時にクロニックとなります。
・ 発達性―てんかん性脳症
治療抵抗性で、発達障害を伴う。器質的、遺伝的、代謝的な基盤があります。
生後3か月に色々な発作が起きます。
私見)
新生児でない乳児痙攣の場合に、保護者の方が録画をして来院される場合があります。専門医に紹介するとき、大変参考になります。次回に乳児痙攣について纏めてブログします。
痙攣性疾患.pdf