心房細動にアブレーションは第一選択・5つの考察
Ablation as First-Line Treatment for Atrial Fibrillation: 5 Things toKnow
心房細動の治療にはアブレーションが第一選択となり、薬物療法は次の一手となっています。
アブレーションもcryoablation(冷凍アブレーション)が主流の様です。
以前の私のブログでも紹介しましたが、纏めた情報がネットのmedscapeに載っていましたので
紹介します。
心房細動の治療の第一選択はcryoablationですが、その際に5つの考察があります。
1) 発作性心房細動の治療には、cryoablationが再発予防に効果があるとする2つの
スタディがあります。
EARLY-AF研究では1年後の経過観察で、再発率はcryoablationが42.9%に対して
薬物療法では67.8%でした。
STOP AF研究では、再発率はcryoablationが45.0%で、薬物療法が74.6%です。
2) 研究には制限(limitation)があります。
重大な副作用として、EARLY-AF研究によればcryoablationでは3.2%、
薬物療法では4%です。Cryoablationは横隔膜神経麻痺が主です。
また、両研究共に出資しているのはcryoablationのメーカーです。
3) 患者さんによってはアブレーションを承諾しない傾向も依然としてあります。
その際には専門家も患者さんの状態の経過によって判断をすべきです。
保守的な臨床家は、経過を診るというよりはアブレーションをしないという非侵襲的
治療を選択してしまうかもしれません。
患者さんも半分が即座にアブレーションを承諾しますが、残りの半分は躊躇してしまい、
結果的に無治療となっています。
患者さんの血液循環が安定していれば経過をみることも可能ですが、患者さんのリスク
評価を厳格にして、治療の決断を適切に行わなくてはなりません。
4) 心不全の状態がHFpEF(拡張不全)でも早期のアブレーションが有効です。
CASTLE-AF研究では、心不全患者においてもアブレーションの方が、薬物療法よりも
入院率と死亡率を低下させています。
CABANA研究も同様の結果でした。
5) 新しいアブレーションとして、PFAが注目されています。
(Pulsed field ablation(PFA)は、高電圧のpulsed electrical fieldを用いて
標的組織の細胞に非可逆的なelectroporation(電気穿孔)を引き起こすことでフォース
非依存性、心筋に対する高い組織選択性、障害組織の細胞外基質が保たれる組織学的
特性など、アブレーション治療にとって魅力的な特性を有する。) ネットより
下記に文献も掲載
本論文.pdf
Pulsed field ablation.pdf