アルコールと認知症との関係
Changes in Alcohol Consumption and Risk of Dementia
in a Nationwide Cohort in South Korea
in a Nationwide Cohort in South Korea
アルコールと認知症との関係は今までも多く論じられており、本ブログでも紹介して参り
ました。
関係が一方的にあるとするものから、余りないとするものまで色々でしたが、今回雑誌
JAMAに、韓国からのスタディが掲載されています。
1) 全ての認知症、アルツハイマー型認知症、血管性認知症を対象としています。
40歳以上で、2009年から2011年にかけて登録し、2018年の12月まで解析しています。
2009年から2011年の登録時をベースラインとして、アルコール摂取量は0グループ、
軽度グループ(15gr/日以下)、中等度グループ(15~29.9gr/日)、
大量摂取グループ(30gr/日以上)に分けています。
その後のアルコール摂取量の変化として、0摂取を堅持、禁酒、節酒、現状維持、増量に
分けています。
(1) sustained nondrinkers, (2) quitters (those who stopped drinking),
(3) reducers (those who reduced their level of consumption but did
not stop drinking), (4) sustainers (those who maintained the same
level of consumption), and (5) increasers (those who increased
their level of consumption).)
2) 主要転帰は新たに診断された認知症です。
3) 結果
3,933,382人が登録されています。平均年齢は55.0歳。経過観察は平均で6.3年。
全ての認知症発生は100,282人、アルツハイマー型認知症は79,982人、
血管性認知症が11,085人でした。
アルコール摂取が全然しないことを維持した人を比較対象にしますと、少量を堅持した
群の危険率は0.79、中等度を堅持した群は0.83でした。
一方で大量接種を継続した人は1.08の危険率の増加です。
アルコールの量を増加したり、禁酒すると却って危険率は増加しています。
4) 少量又は中等度を持続している場合が危険率が低いようです。
(下記のグラフをご参照ください。)
(下段がベースラインで、摂取量の変化をプロットしています。)
私見)
お酒は百薬の長で、嗜むことが大事な様です。
禁酒を声高に指導するのではなく、上の表を示して節酒の意味を説明して参ります。
アルコール.pdf
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