新型コロナ治療薬ラゲブリオの効果
Molnupiravir plus usual care versus usual care alone as early
treatment for adults with COVID-19 at increased risk of
adverse outcomes (PANORAMIC)
treatment for adults with COVID-19 at increased risk of
adverse outcomes (PANORAMIC)
新型コロナに対するワクチンの普及率が向上した現在において、経口治療薬のラゲブリオが
どの程度効果があるかを調べた論文が発表になっています。
ラゲブリオはコロナウイルスの複製を抑制する作用があります。
以前の大規模試験のMOVe-OUT研究では、入院率と死亡率が30%減との報告でした。
しかしこの論文は査読の段階で、未だfull論文は発表になっていません。
現在では住民のほとんどがワクチン接種をしています。現段階でのラゲブリオの効果について
の研究が必要となっています。
1) 対象は50歳以上、もしくは比較的併発疾患を有する18歳以上の新型コロナ感染者で、
発症後5日以内の体調不良の在宅療養者です。
ラゲブリオ群(800mg、1日2回、5日間)+通常ケアと通常ケアのみの群を比較して
います。
年齢(50歳超、50歳未満)と、ワクチン接種の有無による層別化をしています。
2) 主要転帰は、28日以内の原因を問わない入院または死亡です。
26,411例が登録され、ラゲブリオ+通常ケア群12,821例、通常ケアのみ群12,962例、
その他の治療628例です。
最終的にラゲブリオ+通常ケア群12,529例、通常ケアのみ群12,525例が対象となって
います。
平均年齢は56.6歳、ワクチン3回以上接種者94%(25,708例中24,290例)でした。
3) 入院または死亡が記録されたのは、ラゲブリオ+通常ケア群105例(1%)、
通常ケアのみ群98例(1%)と、その効果の差はありませんでした。
顕著な有害事象は、ラゲブリオ+通常ケア群で50例(0.4%)、
通常ケアのみ群45例(0.3%)で、ラゲブリオに関連すると判定された有害事象は
ありませんでした。
4) 考察
入院率と死亡率に関してのラゲブリオの効果は限定的ですが、症状の早期回復とその維持
には明白な効果がありました。
(元文献の図表を参照してください。)
先ずはワクチンの接種を推奨すべきです。その上でラゲブリオの効果は、新型コロナに
感染した場合の症状の緩和と、ウイルス放出の低下により、コミュニティに対して感染
対策となる利点があるため考慮すべきです。
また、long-COVIDに関しても今後の研究が待たれます。
私見)
新型コロナの治療の根本はワクチン接種です。
インフルエンザの流行も思いの他といった感じです。
やはりマスクの効用は絶大です。コロナの治療薬も選択肢があります。
何事も根本は、やはり選択肢ではないでしょうか
Molnupiravir plus usual care versus usual care alone as early treatment for adults with COVID-19 at increased risk of adverse outcomes (PANORAMIC)_ an open-label, platform-adaptive randomised controlled trial.pdf
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