ギラン・バレー症候群の先行感染
An International Perspective on PrecedingInfections
in Guillain-Barré Syndrome
in Guillain-Barré Syndrome
ギラン・バレー症候群(GBS)とは、先行感染などにより惹起された自己免疫機序による
急性炎症性ニューロパチーです。
臨床症侯は急性進行性の運動障害が主体ですが、感覚神経障害や自律神経障害を伴う事も
あります。
先行感染から1週間程度で発症することが多く4週以内に症侯のピークを迎え、その後、
自然回復傾向を示します。多くの症例では2週以内にピークとなります。
自然回復も期待できますが、重症度は軽微な筋力低下に留まる例から、呼吸筋麻痺を来たし
人工呼吸器装着を必要とする例まであり様々です。
脳神経障害の合併率は報告により幅がありますが、顔面神経麻痺(約50%)が最も多く、
次いで球麻痺(延髄にある脳神経核が障害され、口・舌・喉の運動障害によって起こる
症状である。構音障害、嚥下障害、呼吸や循環の障害が生じる。)(約30%)、
眼球運動麻痺(約20%)の順となります。
特に両側性顔面神経麻痺ではGBSを疑うべきです。感覚障害は、運動症状に比べると軽微
ですが、自覚的なしびれ感を含めると90%以上に認めるられ、疼痛の強い症例も存在します。
;以上、今日の臨床サポートより
今回、先行感染の頻度に関しての論文が出ていますのでブログします。
1) 768例のギラン・バレー症候群を対象にしています。
314例が先行感染を同定しています。
・キャンピロバクタが228例(30%)
・マイコプラズマ肺炎が77例(10%)
・サイトメガロウイルスが30例(4%)
・E型肝炎ウイルスが23例(3%)
・EBウイルスが7例(1%)
2) 症状としては
・脱力感が89%
・低反射または無反射が88%
・感覚運動系が61%
・純粋な運動系は20%
3) 地域や国により症状や頻度が異なります。
私見)
ギラン・バレー症候群は軽症例や病初期での診断には困難を極めることがあります。
自然治癒も含めると診断を見逃していることがあるかもしれません。
実地医家にとっては心する疾患の一つです。
教科書から勉強し直す予定です。
本論文 ギランバレー症候群.pdf
ギランバレー症候群.pdf
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