新しい血糖降下薬のコストパフォーマンス
<短 報>
First-Line Therapy for Type 2 Diabetes With Sodium–Glucose Cotransporter-2
Inhibitors and Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists
Inhibitors and Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists
アメリカの糖尿病ガイドラインでは、第一選択薬はメトグルコからSGLT-2(以下省略記載)
とGLP-1にシフトする勢いです。
今回雑誌Annal Internal Medicineから、そのコストパフォーマンスに関する論文が掲載
されています。
1) 生涯費用でメトグルコと比較しますと、SGLT-2は$43,000、GLP-1は$49,000の
増加となります。
2) 寿命の効果はメトグルコと比較しても、SGLT-2でたったの3か月、GLP-1で4か月の
延長にしかなりません。
3) 但し、新しい薬剤は糖尿病の合併症を低下させます。
それによるコストの削減による効果は明白です。
其々の合併症の生涯における発生頻度では
心不全;
メトグルコは14.2%、SGLT-2は13.2%、GLP-1は13.1%
虚血性心疾患;
メトグルコは18.8%、SGLT-2は17.3%、GLP-1は17.2%
心筋梗塞;
メトグルコは27.0%、SGLT-2は26.0%、GLP-1は25.5%
脳卒中;
メトグルコは17.2%、SGLT-2は16.3%、GLP-1は16.2%
その他の細動脈疾患、例えば下肢切断、腎機能低下、網膜症の合併症は、3剤とも同じ
発生頻度でした。
4)結論
臨床家にとって、新しく登場したSGLT-2とGLP-1の心血管系疾患に対する効果は魅力的
です。
しかし常にそのコストを勘案し、患者に適した薬剤を選択する事は必要です。
私見)
糖尿病の治療の進歩は素晴らしいもので、選択肢が広がっています。
高齢者の自己負担が上がります。当然ながら実地医家もコストパフォーマンスを念頭に処方
しなくてはなりません。ただ行きつく先は労働力としての国民のコストパフォーマンスに
ならない事を後期高齢者は願います。
First-Line Therapy for Type 2.pdf