オミクロン対応のモデルナ2価ワクチン
<その1>
A Bivalent Omicron-Containing Booster Vaccine against Covid-19
[This article was published on September 16, 2022, at NEJM.org.]
[This article was published on September 16, 2022, at NEJM.org.]
雑誌NEJMに、オミクロン対応のモデルナ2価ワクチン(mRNA-1273.214)の文献が掲載
されています。
1) モデルナ2価ワクチン(mRNA-1273.214)をブスターとして接種し、28日後の安全性、
反応原性(局所反応などの接種による有害事象)、免疫原性(ワクチンによる有害事象)
を調べています。
2) 結果
ブスター接種としてモデルナ2価ワクチン(従来のワクチン+オミクロンBA.1対応
ワクチン)の437例と従来のワクチンmRNA-1273の377例を比較しています。
最初と2回目のブスター接種の間隔は、平均で2価ワクチン群は136日に対して、従来
ワクチン群では134日とほぼ同じでした。
オミクロンBA.1に対する中和抗体は2価群で2372.4、従来群では1473.5です。
更にオミクロンBA.4とBA.5に対する抗体も、2価群では727.4、従来群では492.1
でした。
またアルファ株、ベータ株、ガンマー株、デルタ株においても2価群の方が優勢でした。
有害事象も、反応原性と免疫原性ともに両群で差はありませんでした。
臨床の場でのワクチン効果は、本研究では不明です。
3) 結論
中和抗体は2価のワクチンの方が明らかに誘導し優勢です。
更に安全性の懸念も従来と同じでした。
下記に有害事象のグラフを掲載します。
下記に中和抗体のグラフを掲載します。
私見)
従来のワクチンでも十分に効果はあるものと考えます。
臨床的有効性と有効期間は今後の研究によりますが、2価と言えども有害事象は同程度です。
接種可能なワクチンを優先してください。
再度、厚労省のガイドラインを下記に掲載しますが、ファイザーの2価ブスターもモデルナと
同じものと考えます。
オミクロン株ワクチン 厚労省.pdf