家庭でのコロナ抗原検査
Comparison of Home Antigen Testing With RT-PCR and Viral Culture
During the Course of SARS-CoV-2 Infection
During the Course of SARS-CoV-2 Infection
アメリカのCDCから、4月29日に新型コロナ感染に対する家庭での抗原検査の検証が報告
されています。
第7波が現実化しています。しまい込んでいた論文を急遽ブログしました。
1) 2021年5月に調査されています。
参加者は事前に抗原検査キットを15回分渡されています。
鼻咽頭まで挿入されていない場合、溶解液に適切に使用していない場合、不適切な判定
結果も全体に含まれます。
PCR検査で確認された225人を対象にしています。
抗原検査の延べ回数は3,044件です。
抗原検査の方法は次の3方法です。
・プロトコール1 ; 1回の抗原検査
・プロトコール2 ; 連日2回の抗原検査
・プロトコール3 ; 2日間隔で、2回の抗原検査
2) ピーク時にはPCRが発症3日後で95%、
抗原検査は発症後4日で77%の感度です。
抗原検査の全体での感度は50%で、特異度は97%でした。
ピーク時での結果は、プロトコール1が77%、プロトコール2が81%、
プロトコール3は85%です。
無症状では感度20%でした。
3) 家庭での抗原検査は、陰性なら日を改めて再度検査を勧めています。
隔離療法後の再検査を、CDCは推奨していません。
(本論文の記載はやや明白さに欠けますが、下記のグラフからも分るように発病後7日
過ぎると、抗原検査は陰性化してしまいます。
一方でPCR検査は陽性が続いてしまいます。
この事が、CDCが隔離療法の解除に再検査を勧めない根拠です。)
本論文では、隔離療法は10日間を勧めています。
私見)
本研究はオミクロン株以前のデータです。
実地医家としての感想では、明らかにオミクロン株の感染力は増しており、発症後2日で抗原
検査は陽性となり、PCRでも発症当日で既に陽性となっています。
以前のブログでも述べていますが、家庭で抗原検査が陰性の場合でも症状が続き、来院された
方には、本院ではPCRを実施しています。
本論文の様に家庭内で検査をする場合は、日を改めて2回目の再検をすることも選択肢かもしれ
ません。
本論文 JAMA.pdf
自宅での抗原検査の盲点.pdf
新型コロナ・抗原検査(クイックナビ)の精度.pdf
新型コロナ抗原検査の擬陽性.pdf
無症状の濃厚接触者・2回抗原検査の活用法.pdf
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