本院でも子宮頸がんワクチン(HPV)の再開
<院内勉強編>
本院でもHPVの予約をされる方が出始めています。
積極的に接種を希望される方ですので、万全を期したいと思います。
uptodateより纏めてみました。
1) ヒトパピローマウイルスは200種類ありますが、リスクの高い遺伝子型の16と18で
子宮頸がんの70%が引き起こされます。
2価のサーバリックスは16と18です。
4価のガーダシルは 6、11、16、18を含んでいます。
9価のガーダシル9は 6、11、16、18、に更に31、33、45、52、58です。
(ガーダシル9は日本では自費扱いとなり、まだ公費負担はありません。
20%アップとなります。)
アメリカではガーダシルのみが採用されています。
uptodateによりますと、9価のガーダシルを勧めています。
2) 11歳から12歳が推奨されていますが、9歳からも可能です。
13歳から26歳のキャッチアップは推奨されますが、27歳以上は一般的に推奨されて
おらず、個人ベースとなります。
スケジュールを逃した場合には、いかなる時間が過ぎていてもやり直しではなく、再
スタートができます。(投与間隔は厚労省の方針に従います。)
再ワクチンは必要でなく、2価又は4価ワクチンの済んでいる人がガーダシル9を追加で
接種することは推奨していない。
3) 他のワクチンとの同時接種は可能ですが、コロナワクチンとは2週間の間隔が必要
(本院では同時接種は行いません。)
4) 一般的なワクチン、特にHPVでは失神を起こしやすいので、接種後15分間の仰臥位が必要
接種の同日の失神の危険率は6.0で、2週間以内の局所皮膚感染の危険率は1.8です。
5) 妊娠中の接種は問題がないが、念のため避けてください。
授乳は問題がありません。
6) 効果は97%です。
効果は若い人の方があります。
私見)
本院では基本ガーダシルを採用しますが、被接種者の人数を制限し、接種後30分間は
仰臥位をお願いします。
1 HPV・子宮頸がんワクチン_.pdf
2 HPVワクチンに関するQ&A.pdf
3 頸がんワクチン 厚労省.pdf
4 HPVワクチンに関するQ&A|厚生労働省.pdf
5 Syncope After Vaccination.pdf
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