2022年06月13日

本院でも子宮頸がんワクチン(HPV)の再開

本院でも子宮頸がんワクチン(HPV)の再開

<院内勉強編>



 本院でもHPVの予約をされる方が出始めています。
積極的に接種を希望される方ですので、万全を期したいと思います。
uptodateより纏めてみました。


1) ヒトパピローマウイルスは200種類ありますが、リスクの高い遺伝子型の16と18で
   子宮頸がんの70%が引き起こされます。
   2価のサーバリックスは16と18です。
   4価のガーダシルは 6、11、16、18を含んでいます。
   9価のガーダシル9は 6、11、16、18、に更に31、33、45、52、58です。
   (ガーダシル9は日本では自費扱いとなり、まだ公費負担はありません。
    20%アップとなります。)
   アメリカではガーダシルのみが採用されています。
   uptodateによりますと、9価のガーダシルを勧めています。

2) 11歳から12歳が推奨されていますが、9歳からも可能です。
   13歳から26歳のキャッチアップは推奨されますが、27歳以上は一般的に推奨されて
   おらず、個人ベースとなります。
   スケジュールを逃した場合には、いかなる時間が過ぎていてもやり直しではなく、再
   スタートができます。(投与間隔は厚労省の方針に従います。)
   再ワクチンは必要でなく、2価又は4価ワクチンの済んでいる人がガーダシル9を追加で
   接種することは推奨していない。





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3) 他のワクチンとの同時接種は可能ですが、コロナワクチンとは2週間の間隔が必要
   (本院では同時接種は行いません。)

4) 一般的なワクチン、特にHPVでは失神を起こしやすいので、接種後15分間の仰臥位が必要
   接種の同日の失神の危険率は6.0で、2週間以内の局所皮膚感染の危険率は1.8です。

5) 妊娠中の接種は問題がないが、念のため避けてください。
   授乳は問題がありません。

6) 効果は97%です。
   効果は若い人の方があります。



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私見)
 本院では基本ガーダシルを採用しますが、被接種者の人数を制限し、接種後30分間は
 仰臥位をお願いします。








1 HPV・子宮頸がんワクチン_.pdf

2 HPVワクチンに関するQ&A.pdf

3 頸がんワクチン 厚労省.pdf

4 HPVワクチンに関するQ&A|厚生労働省.pdf

5 Syncope After Vaccination.pdf











posted by 斎賀一 at 20:20| 婦人科