オミクロン株でクループ症候群は起きるのです。 その2
COVID-19–Associated Croup in Children
トルコの症例報告を受けて、雑誌PEDIATRICSが症例を集めて報告しています。
新型コロナの初期の変異株では、感染は下気道におきて、重症の肺炎や肺線維症を引き起こして
いました。最近のオミクロン株では、上気道が感染の場となっています。
そのためオミクロン株では咽喉頭、声帯に炎症が生じ、乳幼児から小児にかけて、クループ症候
群を発症します。当然ながら、小児でのクループ症候群の際に新型コロナと他のウイルスの混合
感染の可能性もあります。
1) ボストン及びマサチューセッツで、2020年3月1日より2022年1月15日までの統計を調
べました。
2) 結論
新型コロナにおけるクループ症候群は75例ありましたが、その内81%がオミクロン流行
時でした。
72%が男児で、88%が入院しています。全ての患児でコロナ以外のウイルスを検査して
いますが陰性でした。入院期間は平均で1.7日です。
4例が集中治療室に入院していますが、死亡例はありません。
3) 新型コロナの流行は2年以上となっています。その病態は一筋縄ではいかず多岐に亘り、
クループ症候群は単なる一つの症状かもしれません。
(黒と橙のプロットは小児のクループ症候群を表し、淡い青線はコロナ患者の発生を1000単位
で表しています。
ミクロン株が流行し始めた点線を境に、クループ症候群が増加していることが分かります。)
私見)
最近、本院でもクループ症候群の小児が来院しています。皆さん軽症で、通常の治療で軽快
しています。外来では、幸いにコロナ検査の陽性率が低下しています。
新型コロナもエンデミックの領域に入ったのでしょうか?
2 コロナ クループ.pdf