2022年05月18日

小児重症急性肝炎に対する見解

小児重症急性肝炎に対する見解

・CDC Updates Testing Recommendations for Unknown Hepatitisin Kids
・Acute, severe hepatitis of unknown origin in children;PAHO



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 二つの論文が掲載されています。


1) CDCは検査する場合には下記の点を勧めています。
   ・全血をEDTAで保管する。
   ・鼻腔スワブで上気道の標本を採取
   ・直腸スワブで便検体を採取
   ・肝生検材料は生標本、ドライアイス、ホルマリン固定、通常の組織標本の何れか
    アデノウイルスを含めてのウイルス検査はPCR検査を推奨
    アデノウイルスが原因というよりは合併している可能性が高く、他の原因も想定して
    調査を進めるべきだ。

2) 多くの症例でアデノウイルスが同定されているが、そのウイルス量は低値である。
   しかも肝内にはアデノウイルスは同定されていない。
   従って原因ウイルスと断定できず、単に合併しているだけかもしれない。
   WHOは現段階ではサーベイランスの体制を取っていない。あらゆることを想定している
   ためである。近々原因ウイルスが判明されるものと確信している。
   その時にサーベイランスは開始される。





私見)
 本院レベルでは、消化器症状のある10歳以下の小児に対しては黄疸の有無、肝障害に注意して
 いきましょう。








1 CDC Updates Testing.pdf

2 2022-May-10_PHE-.pdf










posted by 斎賀一 at 18:34| 小児科