胆嚢ポリープ
Longitudinal Ultrasound Assessment of Changes in Size and
Number of Incidentally Detected Gallbladder Polyps
Number of Incidentally Detected Gallbladder Polyps
最近、人間ドックで胆嚢ポリープを指摘され本院に来院された患者さんがいらっしゃいます。
以前のブログと新たな文献もありますので、参考にして下さい。
1) ヨーロッパにおけるガイドラインでは、経過観察によりポリープが2mm増加の場合に
胆嚢摘出術を勧めていますが、本研究ではその考えはやや保守的として異論を展開して
います。
2) 2010年1月1日から2020年12月30日までの研究です。
対象者は肝がんサーベイランスです。
9,683人の患者の内、753人(8%)に少なくとも1回のエコー検査でポリープを同定
されています。更にその中の434人が複数回のエコー検査を実施しています。
3) 6mm以下が368例、7〜9mmが52例、10mm以上が14例でした。
ポリープの数は9%で増加し、14%で減少しています。
ポリープの大きさは10%で増加し、16%で減少、56%で変化はありませんでした。
19例で胆嚢摘出術を実施されていますが、胆嚢癌はありませんでした。
4) 考察
大腸ポリープとは異なり、胆嚢ポリープではシークエンス(ポリープから癌への移行)は
稀で、しかも腫瘍性ポリープからの癌化は6%とされています。
人間ドックや本院で見つかる胆嚢ポリープはほとんどがコレステリンポリープで、腫瘍性
ではありません。
アメリカ放射線学会では6mm以下のポリープは経過観察の必要はないとしていますが、
7〜9mmの場合は年に1回の検査を勧めています。
それでもポリープの増大に関しては、明白にコメントしていません。
本研究でも胆嚢ポリープは数および大きさにおいて変動を認めており、自然史かもしれ
ないとしています。
私見)
取りあえず、日本でのガイドラインを下記に掲載します。
胆嚢 原文.pdf
胆嚢ポリープ・文献より.pdf
胆嚢ポリープの予後・20年間.pdf