2021年09月10日

糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬が心不全に効果  ジャディアンスが軽症心不全HFpEFに有効  

糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬が心不全に効果
ジャディアンスが軽症心不全HFpEFに有効
 
Empagliflozin in Heart Failure with a Preserved Ejection Fraction
This article was published on August 27,2021, at NEJM.org.



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 糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬が糖尿病のない心不全患者にも有効であることは、以前の私のブログでも紹介しました。
今回は軽症の心不全であるHFpEFにも効果があるという大規模研究が、雑誌NEJMに掲載されて
います。

 HFpEFとは、簡単に言えば心不全の血液検査BNPが異常でも、心エコーでは駆出率が正常な心不全
です。(簡便にE波とA波の比較も参考としています。)
HFpEFの治療にはアルダクトンA、ARB、利尿剤などが試みられましたが、全て無効でした。
本院でもHFpEFは経過観察としていました。
 最近ではフォシーガが心不全に有効との報告があり、私のブログでも紹介しています。


本論文を纏めてみますと

1) 心不全症状がNYHA分類のU〜W度で心駆出率が40以上のHFpEF患者5,988人を登録して
   います。ジャディアンス服用群とプラセボ群に振り分けています。
   主要転帰は心血管疾患による死亡と心不全の入院です。

2) 経過観察期間は26.2月以上です。
   主要転帰をみますと、ジャディアンス服用群で415人/2,997人(13.8%)発生しています。
   プラセボ群では511/2,991人(17.1%)です。  
   危険率は0.79。  その効果は、糖尿病の有無に関係がありませんでした。
   入院だけを見ても、ジャディアンス服用群407人に対して、プラセボ群は541人で危険率は
   0.73でした。
   副作用として、ジャディアンス服用群で尿路感染症、血圧低下がありました。

3) 結論的には、ジャディアンス服用群は心血管疾患の死亡率を21%減少し、心不全の入院率を29%
   減少させています。しかも糖尿病の有無は関係ありませんでした。
   また、ジャディアンス服用群の効果は、駆出率が低下している心不全(HFrEF)に於いても、同様
   の効果を示していました。
   更にサブグループとして駆出率が50〜60%と60%以上でも、入院率の危険率は1以下でした。






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           対象は当然ながらclass TとUが殆どです。





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           駆出率が50以上でも効果ありです。



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私見)
 軽症心不全でNYHAUかBNPが上昇傾向なら、SGLT-2阻害薬の適応でしょうか。
 エコーで下大静脈が2.0cm以上の場合は、少量の利尿薬を追加も選択肢と思います。







SGLT2阻害薬一覧.pdf










posted by 斎賀一 at 19:29| Comment(1) | 循環器
この記事へのコメント
SGLT2阻害薬の軽症の心不全HFpEFへの効果について勉強になります!
注目度がどんどん上がっていますね。
Posted by at 2021年09月14日 00:37
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