モデルナとファイザーのワクチンにおける皮膚反応
Cutaneous reactions reported after Moderna
and Pfizer COVID-19 vaccination
and Pfizer COVID-19 vaccination
以前のブログでも紹介しましたが、稀ですがモデルナワクチンよる皮膚反応の報告があります。
今回の論文では、mRNAワクチンであるファイザーも報告があるようです。
1) 2020年12月より2021年2月までの414例の報告です。
内訳はモデルナが83%で、ファイザーは17%でした。
平均年齢は44歳で90%が女性でした。
遅発性の局所反応が主体で、注射部位、蕁麻疹様、移動性です。
1回目の接種で皮膚反応が起きると、43%が2回目にも出現しています。
稀な皮膚反応に凍瘡様、顔にヒアルロン酸注入の反応、肢端紅痛症、ヘルペス、
ジベルばら色粃糠疹があります。
2) モデルナに関しては、接種後8日以降の遅発性の局所反応は1回目の接種で244例(0.8%)
2回目の接種では68例(0.2%)の報告です。
414例の内、両方の接種で確認が取れたのは180例です。
1回目の接種で38/180(21%)、2回目の接種で113/180(63%)
両方の接種では29/180(16%)でした。
皮膚反応は、1回目の場合は平均で接種後7日後で4日続きます。
2回目では、接種後2日で3日続いていました。
3) 考察
ワクチン接種後の皮膚反応は、局所的な注射部位から遅発性の局所反応まで幅が広い。
本研究報告では、1回目の接種により遅発性の皮膚反応を経験しても、それに続いての重篤な
アレルギー反応は起きていません。
また皮膚症状に対しては、ステロイド軟膏や抗アレルギー剤で対応可能です。
アイシングも有効です。蜂窩織炎を疑っての抗生剤は不要です。
これらの皮膚症状は、あたかも新型コロナ感染症に類似しています。
ワクチンそのものの直接的な皮膚反応と言うよりは、ウイルスに対する免疫応答かもしれません。
現に肢端紅痛症やジベルばら色粃糠疹などは、インフルエンザやB型肝炎のワクチンの場合にも
稀ながら認められています。
大事な点は、ワクチンによる即時型のアレルギー反応との鑑別です。
CDCの勧告では、即時型は接種後4時間以内としており、その場合は2回目の接種に対しては
禁忌の可能性が生じます。
しかし本反応は4時間以上ですし、多くが1日以上の遅発性です。
結論として、接種後4時間以上の皮膚反応は2回目の接種の禁忌ではありません。
私見)
mRNAワクチンの皮膚反応は4時間以内か、メジャーな全身症状(痒み、全身の蕁麻疹など)なのか、
十分な鑑別が必要になります。
Cutaneous reactions reported after Moderna and Pfizer COVID-19 vaccination_ A registry-based study of 414 cases.pdf
モデルナのワクチン・遅れての皮膚反応_ _Font Size=_6__斎賀医院壁新聞__Font_.pdf
新型コロナ・ワクチンによる血液障害_ _Font Size=_6__斎賀医院壁新聞__Font_.pdf
日本におけるファイザー・ワクチンの副反応_ _Font Size=_6__斎賀医院壁新聞__Font_.pdf
私が一番危なそうなので、有り難い事に次の日、職場自体を休みにしてもらえました。
ちょっとほっとしました。
遅発性の症状については特に勉強になりました。