「シクラメンのかほり」に秘めた嘘
〜男の挽歌〜
先日のNHK番組「日本のお名前」で、“シクラメンのかほり”にまつわる嘘を小椋佳が告白していました。
歌詞は北原白秋の詩からパクったそうです。シクラメンには香りがなく、うす紫のシクラメンは存在しない
ことも織り込み済みの嘘との事です。
「かほり」は香りでなく、奥さんの名前だということはよく知られた事実です。
しかし、結果的には小椋佳がNHK番組で、またも嘘をついたことになります。
私は女性に嘘をつかれたことはないので分かりませんが、噓つきの私は男の嘘が見抜けます。
歌詞の基調はともかくとして、紛れもなく小椋佳そのものの心象風景です。
しかも奥さんに恋心抱いた時の歌との事ですが、愛妻家の私でも真っ赤な嘘と見抜けます。
悲恋を愛する日本人にとって、この曲はメロディーと相まってヒットになりました。
布施明の澄んだ歌声からは、当然ながら悲しい恋歌となります。しかし番組で歌う小椋佳からは、男の
挽歌としか聞こえませんでした。
今日は穏やかな風が吹いていました。
養老川の土手をジョギングしていると、川風に吹かれながら一人の老人が土手の小道の隅にしゃがんでいます。通りすがりにチラッと見ると、傍に老犬も寄り添うようにいます。
目と目が会った時、シクラメンのかほりのメロディーが浮かんできました。
「疲れてしまった老人の様に、時は私を追い越さないでいる。
呼び戻すことができるなら、僕にはいまさら何ができるだろう。
季節が頬をぬらして過ぎてゆきました。」
コロナが収束したら、小椋佳の様に養老川の土手にしゃがんでシクラメンのかほりを口ずさみたいです。
匂いの香だと思ってました...(^_^;)
布施明を検索して見ていたら、今の奥さんが森川由加里だったのを知らなくて、びっくりでした。
えっ、先生嘘つきだったんですか?