2021年04月26日

腎・糸球体の微細構造

腎・糸球体の微細構造

    〜予習編



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 雑誌NEJMに腎・糸球体の微細構造について総論が載っていました。
その趣旨は、従来考えていた以上に足細胞の足突起(podocyte)が重要な役割をしている点と、糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬が、腎疾患の進展予防に有効であることが明記されています。
その意味で本論文を頑張って通読してみました。
腎の糸球体構造は大変複雑ですが、単純に考えてしまえば単純です。 (全て当たり前ですが)
専門家には怒られるかもしれませんが、私は構いません。




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腎の糸球体の主役は血管です。コーヒーのドリップの様に糸球体に集まった細動脈から濾され(filtration)ボーマン嚢というカップに尿の原液が溜まります。




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糸球体の血管の束の周りをボーマン嚢の上皮細胞が覆います。これが足細胞です。





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これを電子顕微鏡で見ると毛細血管の束を中心でまとめるメサンギウム細胞があります。毛細血管の表面を基底膜が覆い、更にその外側を足細胞の足突起が覆っています。つまり毛細血管から尿が濾されるには基底膜と足突起を通らなくてはなりません。
もう一点、腎の糸球体圧を理解することが必要になります。
そのために膠質浸透圧を整理してみます。




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毛細血管の中にはアルブミンなどの膠質があり半透膜の血管壁を通して水分を引き込もうとします。
これをスターリングの法則と言います。




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一般的な血管でも、動脈側は血圧の圧力で血管内の物質が出ていきますが、静脈側になりますと膠質
浸透圧が血圧より勝り、逆に老廃物が血管内に入り込んできます。
結局、糸球体では下記の様になります。



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Hydrostaticとは一般的な圧です。Colloid osmoticが膠質浸透圧です。
NEJMの論文とはやや異なりますが、改めて説明します。
下記にROSSの組織学から抜粋したものをPDFにしましたので、ご参照ください。







ROSS組織学.pdf










posted by 斎賀一 at 21:31| Comment(0) | 泌尿器・腎臓・前立腺
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