2020年11月28日

糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬の副作用 用量依存性に関する考察

糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬の副作用
用量依存性に関する考察

Clinical Adverse Events of High-Dose vs Low-Dose Sodium–Glucose
Cotransporter 2 Inhibitors in Type 2 Diabetes


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 糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬は、今や第一選択薬に上り詰める勢いです。
心臓疾患や腎臓疾患にも優位に働くため、使用の幅が広がっています。単独使用の場合には、
低血糖の心配もあまりなく、処方しやすい薬剤の一つです。
副作用として懸念されているのが、稀とは言われていますが、現段階ではカナグルとフォシーガに、
尿路感染症、ケトアシドーシス、急性腎障害があります。
カナグルに、下肢切断、骨折のボックス ワーニング(警告)もされています。
問題は血糖改善のために効果を上げるため、低用量から高用量に増量した時に副作用が出ないか
心配になります。今回、雑誌J Clin Endocrinol Metabの論文が全文medscapeに掲載されています
ので、纏めてみました。


 1) 2006年1月1日から2020年3月10日のメタ解析です。
    51の文献から、24,371人のSGLT-2阻害薬服用者を登録しています。
    それぞれのSGLT-2阻害薬の中で12,208人の低用量と、12,163人の高用量を比較して
    副作用を調べています。

    副作用のチェックは全体の安全性として、
    ・すべての副作用 ・重篤な副作用 ・副作用で薬の中断 ・死亡 などです。
    特別な安全性として、
    ・感染症 ・骨筋肉症状 ・胃腸症状 ・多尿 
    ・めまい ・腎障害 ・脂質異常症、高尿酸血症 です。

 2) 全体として、何らかの副作用出現は低用量群で69.3%、高用量群では69.4%でした。
    高用量群の低用量群に対する危険率は、1.08とほぼ同じです。
    血糖降下作用は容量依存性です。高用量により、HbA1cは0.5%から1.5%の低下です。
    加えてフォシーガは、尿酸を下げる効果もあり、用量依存性で5から50mg低下しています。
    心血管疾患と腎疾患に関しての効果に関しては、その用量依存性は証明されていません。
    カナグルにおいては、高用量の方に副作用が多いようです。ただし、それは頻尿においてでした。
    一般的に低用量より、高用量の方が副作用が多いのは26週以上の経過後です。

 3) 特別な副作用に関しては、性器真菌症は両群で同等でした。
    性器感染症は、フォシーガでは高用量の方が多い傾向です。
    尿路感染症は、両群で差はありませんでした。

 4) 多くの利尿薬(サイアザイド系とループ利尿薬)は、用量依存性で利尿効果が上がりますが、
    血清カリウム、耐糖能や尿酸値に影響を与えてしまいます。
    一方で、SGLT-2阻害薬における利尿効果は、尿細管に限局して作用し、バゾプレッシン
    (抗利尿ホルモン)を刺激し、尿の再吸収を誘導して、結局は体内の水分量は保持します。
    このことが従来の利尿薬と異なり、心不全に対するSGLT-2阻害薬の独特の有効性を発揮します。

 5) 結論としては、血糖コントロール不良の場合はSGLT-2阻害薬の増量は可能であり、
    副作用に関しては、低用量と高用量で差はありませんでした。



私見)
 SGLT-2阻害薬の安全性と有効性が証明され始めています。しかしながら、コストの問題と
それでも注意が必要のようです。



SGLT 副作用.pdf






posted by 斎賀一 at 17:31| Comment(0) | 糖尿病
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