2020年09月14日

今季のインフルエンザ・ガイドライン

今季のインフルエンザ・ガイドライン
  〜米国小児科学会より〜 
Recommendations for Prevention and Control
of Influenza In Children, 2020–2021



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 米国における今シーズンの小児のインフルエンザ・ガイドラインは、新型コロナの感染により若干変更があります。


1) ワクチンは前年と同じ4価で(A[H1N1],A[H3N2],B[Victoria]が新しくなり、B[Yamagata]は
   従来のものです。)

2) 5歳以下の小児は、入院率と重症率が高い点に注意

3) ワクチン接種にあたり、軽い感冒症状での接種は可能
   軽い発熱、咳、鼻水、くしゃみなどは接種しても支障はないが、中等症以上の場合は延期する。

4) インフルエンザ・ワクチンにはギランバレー症候群との因果関係は否定的であるが、ギランバレー
   症候群を罹患している場合は6週間以上の間隔をあける。

5) 米国では、インフルエンザは10月から翌年の5月まで流行するがその間ピークが2回ある。
   いつ流行が始まるかは、予測が不可能である。
   残念ながらワクチンの効果は時間とともに減弱する。
   特に新型コロナの流行している今シーズンでは、ワクチン効果の期間が重要問題となる。
   米国学会は、それでも10月末までのワクチン接種を勧めている。
   特に2回接種を必要とする乳幼児では、間隔を4週間あける必要があるため、ワクチンが入荷でき
   次第接種をすべきとしている。
   しかし最近のデータでは、早期の接種はインフルエンザ・シーズンの後半には効果が減弱している
   と報告されている。特に乳幼児や高齢者では減弱が強く、中でもA(H3N2)が顕著である。
   一般的には1か月に7〜10%の減弱率である。ただし流行のシーズンにより異なる。
   ワクチンの効果は、接種後5か月で全くなくなるわけではない。
   接種後6か月で50%の予防効果が減衰するとの報告の一方で、ヨーロッパからの報告では4か月で
   予防効果は消失する方向としている。 
   (ワクチン効果はそもそも期待値として60%ですから、最悪を想定しますと4〜5か月で効果なし
   でしょうか?データが錯綜しており、明快な見解がありません。)
   ガイドラインではそれでも新型コロナの流行が重なる今シーズンは、出来るだけ早期の接種を勧めて
   いる。

6) 以前のインフルエンザ・ワクチンで、アレルギー反応がある人は専門家に相談すべきである。
   卵アレルギーに関しては、特別の配慮は必要ない。
   妊婦の接種はいつでも可能である。胎盤を通して胎児に移行するが、却って胎児にも効果的である。
   授乳中も可能であり乳児にも害はない。

7) 治療
   タミフルとリレンザは有熱期間を36時間短縮する。
   タミフルは小児の中耳炎の発症を34%低下させる。
   喘息の小児には特に効果ははっきりしない。
   タミフルの嘔気、嘔吐の副作用は5%である。
   治療は出来るだけ早く開始することが大事で、診断を待つことによる遅延を避ける。
   家族にワクチン接種をしていない乳幼児や基礎疾患のある同胞がいる場合は、健康児でも積極的に
   インフルエンザ治療を施す。
   インフルエンザの重症例や入院例は、48時間以降でもタミフルなどの治療を行うことが推奨されて
   いる。

8) 予防投与
   原則、家庭内接触の場合に48時間以内なら効果的
   臨床家は予防投与のリスク及び服用を中止したら即感染の可能性が生ずることと、症状発現では
   フルドーズに切り替える必要性を説明する。






私見)
 厚労省の通達では10月1日より65歳以上の高齢者を優先としていますが、
 本院では理想的には10月下旬から11月上旬を目途に乳幼児および高齢者の積極的な接種をお願い
 する方針です。ご理解とご協力をお願いします。







ガイドラインインフルエンザ .pdf
















posted by 斎賀一 at 18:41| Comment(0) | インフルエンザ
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