胃酸分泌抑制薬・PPIはコロナ時代には減量すべき
Increased risk of COVID-19 among users of proton pump inhibitors
胃酸分泌抑制薬・PPIは、胃潰瘍と逆流性食道炎では欠かせない治療薬です。
しかし、胃酸分泌抑制薬・PPIに関しては、注意勧告がいろいろな論文から指摘されています。
新型コロナ流行の現在、PPIの減量を勧める論文が雑誌に掲載されていました。
かなりバイアスがかかっている研究のため簡単に纏めてみました。
1) 2020年5月から6月にかけて、上部消化管症状のある人53,130人を登録しています。
(詳しくは下記のPDFを参照してください)
3,386人が新型コロナ陽性者でした。(6.4%)
2) 結果
PPIを一日一回服用している人は、新型コロナに罹患する危険率が2.15倍で、
PPIを一日二回服用していると危険率は3.67に増加していました。
3) 考察
胃酸を抑制することは、感染症の機会を増加させるかもしれません。
逆流性食道炎も患者の症状のみで処方しているケースがあり、適切にPPIを服用
しているとは限らないので、PPIを徐々に減量する必要性が新型コロナの時代には必要です。
さらに、H2ブロッカー(ガスター、アシノン、タガメット)への変更も考慮すべきとしています。
減量および変更は34%で可能で、PPIを中止しても1年後の15%は無症状でした。
私見)
本院でも従来より、PPIの減量とH2ブロッカーへの変更を行っていましたが、コロナの時代には
なお一層実施して参ります。
ppi コロナ2.pdf
本論文の表より.pdf
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