2020年08月07日

胃酸分泌抑制薬・PPIはコロナ時代には減量すべき

胃酸分泌抑制薬・PPIはコロナ時代には減量すべき

   
Increased risk of COVID-19 among users of proton pump inhibitors


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  胃酸分泌抑制薬・PPIは、胃潰瘍と逆流性食道炎では欠かせない治療薬です。
 しかし、胃酸分泌抑制薬・PPIに関しては、注意勧告がいろいろな論文から指摘されています。
  新型コロナ流行の現在、PPIの減量を勧める論文が雑誌に掲載されていました。
 かなりバイアスがかかっている研究のため簡単に纏めてみました。


 1) 2020年5月から6月にかけて、上部消化管症状のある人53,130人を登録しています。
   (詳しくは下記のPDFを参照してください)
   3,386人が新型コロナ陽性者でした。(6.4%)

 2) 結果
    PPIを一日一回服用している人は、新型コロナに罹患する危険率が2.15倍で、
    PPIを一日二回服用していると危険率は3.67に増加していました。

 3) 考察
    胃酸を抑制することは、感染症の機会を増加させるかもしれません。
    逆流性食道炎も患者の症状のみで処方しているケースがあり、適切にPPIを服用
    しているとは限らないので、PPIを徐々に減量する必要性が新型コロナの時代には必要です。
    さらに、H2ブロッカー(ガスター、アシノン、タガメット)への変更も考慮すべきとしています。
    減量および変更は34%で可能で、PPIを中止しても1年後の15%は無症状でした。



  私見)
   本院でも従来より、PPIの減量とH2ブロッカーへの変更を行っていましたが、コロナの時代には
  なお一層実施して参ります。







ppi コロナ2.pdf


本論文の表より.pdf





posted by 斎賀一 at 13:25| Comment(0) | 感染症・衛生
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