2020年06月12日

新型コロナの消化器症状

新型コロナの消化器症状
 
Are Gastrointestinal Symptoms Specific for COVID-19 Infection?
 


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 新型コロナにおいて、消化器症状は5~6%と報告では幅があります。
対象患者が外来か入院かでもバラつきが生じますし、研究がプロスペクティブかレトロスペクティブ
(後ろ向き研究)かにもよります。
(プロスペクティブ(前向き研究)とは、試験を開始した時点から未来に向かって情報を集めるところから、
このように呼ばれます。逆に、調査を開始した時点から過去に遡って対象者の情報を集める方法をレトロ
スペクティブ(後ろ向き研究)と呼びます。)

 今回の論文は外来患者を対象にしたプロスペクティブ(前向き研究)のため、より実地臨床に則した
研究と論者は述べています。



纏めますと

1) 2020年3月9日から4月15日にアメリカのボルチモアの基幹病院で、新型コロナのPCR検査を
   受けた患者を対象にしています。
   PCR検査陽性群と陰性群に分けて、消化器症状の差を調べました。
   更に陽性群の中での入院率は、消化器症状の有無で調べています。
   PCR検査はすべて鼻咽頭スワブを用いています。
   登録患者は340名 (陽性群が101名、陰性群が239名)です。 
   その後の転帰に関しては、電話アンケートをしています。

2) 結果
   消化器症状は陽性群が74%で、陰性群は53%と差がありました。
   内訳を調べますと
   食欲不振が53%対26%、下痢が50%対30%と差がありましたが、
   嘔気、嘔吐、腹痛、血便、には差はありませんでした。
   その他特徴としては味覚又は嗅覚障害があるかでは、両群で67%対14%と差異がありました。
   嗅覚障害の危険率は8.29で、味覚障害は3.41と高い値です。
   (以前の私のブログでも紹介しましたが嗅覚・味覚障害は全経過で出現しますが、初期での診断
    にも重要な所見となります。)
   その後の入院率に関しては、PCR検査陽性者の中で消化器症状の有無には関係なかったとして
   います。
   つまり、下痢と食欲不振だけでは診断確率は高くありませんが、それに嗅覚・味覚障害を加えますと
   感度と特異度が上がります。





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私見)
 感染性胃腸炎が流行り始めています。
 発熱に嗅覚・味覚障害があれば、新型コロナも鑑別する必要がありそうです。



 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html


 コロナ 消化器症状.pdf

 厚労省報告.pdf
















posted by 斎賀一 at 20:10| Comment(0) | 感染症・衛生
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