2020年06月08日

持続性心房細動のアブレーションの有効性について

 
持続性心房細動のアブレーションの有効性について
 
Persistent atrial fibrillation ablation with contact force sensing catheter
 


20608.PNG
 


 発作性心房細動に対しては、アブレーション治療の進歩によりかなり標準化しています。
今回アメリカの雑誌JACCより、持続性心房細動におけるアブレーションの有効性に関する論文が載って
いましたのでブログしてみます。


先ず「今日の臨床サポート」より抜粋しますと

「心房細動はその持続時間から、発作性(7日間以内、多くは48時間以内)、持続性(7日間以上)、
長期持続性(1年以上)および永続性(除細動が不能)に分類される。
発作性の心房細動は毎年5.0〜8.6%で慢性化するとされている。
尚、発作性から慢性への移行は初期に多く、最初の5年で約25%が永続性の心房細動に移行するとの
データがある。最新の日本循環器学会ガイドラインでは、高度の左房拡大や左室機能低下を認めず、
薬物治療抵抗性症候性発作性心房細動に対し、カテーテルアブレーションの適応はクラスTとなって
いる。」
                                        以上「今日の臨床サポート」より


さて本論文を纏めてみますと

1) 持続性心房細動の381名を登録しています。
   アブレーション後の3か月の投薬調整期間と、3か月の観察期間を経ています。
   (medical consolidationつまりblanking period ;術後3ヶ月以内のBlanking period内
   では比較的再発が多いのですが、左房焼灼部位の治癒過程で不整脈が起こることが知られて
   います。)この期間の繰り返されるアブレーションは許されています。
   その後の9か月の経過観察となります。






          20608-2.PNG

           SCR;臨床スケジュール HMホルター心電図

          20608-3.PNG




  Blanking time では2回までのアブレーションは許されるようです。

  348名が登録されました。56%がPVIアブレーションで44%が追加アブレーションを行っています。
  (PVI;肺静隔離術)

2) 1週間以内の副作用は3.8%です。
   心タンポナーデが1.5%、脳梗塞が0.6%、横隔膜麻痺が0.3%、血管合併症が0.9%でした。

3) 効果の基準は心房細動発作が30秒以内としています。
   15ケ月時点で62%の効果でした。
   心房細動の症状の消褪は80%でした。
   アブレーションの再施行は14%です。


  


私見)
 持続性心房細動でも適応を満たせば効果は60%で、症状の軽快も80%はあると説明出来そうです。
 ガイドラインでは、患者さんの意向を重視とする意見と慎重にとの見解があります。
 結局はクラスUa~bという事の様です。
 患者さんが「やった方が良いですか?」と問われれば「それはあなたが決める事です。」と言うコンサルト
 の回答は最後まで控えましょう。
 専門医への丸投げも避けたいものです。





 ◆参考書籍等

  ・エクスプレス循環器病ファイル;メディカル・サイエンス・インターナショナル;村川裕二
  ・medical practice ;V.37 N.3 2020
  ・今日の臨床サポート






1 アブレーション.pdf 本論文.pdf

2 心房細動アブレーション文献より.pdf
3 アブレーション不整脈..pdf

4 アブレーションエキスプレス循環器病ファイル.pdf

5 心房細動アアブレーション治療.pdf 漫画.pdf

6 アブレーション 日本ガイドライン.pdf

7 発作性心房細動.pdf

8 慢性心房細動.pdf

9 AF Ablation Clinician Summary.pdf

10 AF Ablation Slide Set.pdf

11 カテーテルアブレーション 旧ガイドライン.pdf










posted by 斎賀一 at 18:28| Comment(3) | 循環器
この記事へのコメント
今日はとても暑くて、外でのマスク着用がきつかったですが、明日から雨になるみたいですね...(-_-;)

先日しょ専門店の、のがみではない

Posted by at 2020年06月10日 16:41
すみません、また途中で指が滑って誤発信しちゃいました(^o^;)

続きですが、かなり前に先生がパンの美味しいお店を教えて欲しいと、ブログにコメントされてましたが...

食パン専門店のがみではない方の、たまに食パンを買うお店で、都内に何店舗か出店してて、千葉市にも2年前位にできたのですが、ちょっと単価が高いので、食パン以外は買ってなかったのですが。

試しに普通のシンプルなハ―ド系の、見た目お世辞にも美味しそうに見えない、堅そうなパンを買ってみたのですが(^o^;)

食べた瞬間に、期待を裏切る美味しさで久しぶりのヒットでした\(^o^)/

パン好きの先生にも試しに食べてみてもらいたいので、ボ―ナス出たら?先生にごつつおしますね〜
Posted by at 2020年06月10日 17:07
だれでも、心房細動と診断された時から、治療方法やいろいろ不安に思うこと、今後の治療の選択に迷うことがしばしばあると思います。特に、カテーテルアブレーション治療は、ネット上に散らばっている医療サイトを検索し、役立つ知識を探すのは、結構大変なんです。今回、アブレーション治療する場合の流れ(分かりやすい漫画解説)や、その適応可否、手術方法、ガイドライン等の各PDF資料をワンストップでまとめていただいて、それを考えている方は、今後大変役立つのではないかと体験から思います。いつも患者の視点に立っての治療方法、健康指導などありがとうございます。
最後に、夜のニュースで、未だに、介護や医療関係者の方々やその家族に対する偏見や差別が拡大しているとの報道がありました。もう少し、人にやさしい、また寛容な社会であってほしいものです。
Posted by at 2020年06月12日 00:05
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