2020年05月02日

新型コロナの軽症、中等症の総説・NEJMより

新型コロナの軽症、中等症の総説・NEJMより
 
Mild or Moderate Covid-19
This article was published on April 24,2020, at NEJM.org.



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 雑誌NEJMに軽症を中心とした新型コロナの総説(vignette)が載っていましたので、纏めてみました。



1) 伝搬
   主に咳とクシャミで人から人に感染する。所謂distanceを2mとれば伝搬は減少する。
   一般的には飛沫感染で、空気感染(マイクロ飛沫感染)は稀と考えられる。
   特別な場合として謳っているのは、ネブライザー使用などがマイクロ飛沫感染の危険因子として
   挙げられる。この場合、空気中にウイルスは3時間漂う。
   (ライブは要注意。医院でのネブライザーは厳格に)
   ウイルスは血液や糞便にも存在するが、それからの感染ついてはエビデンスがない。
   金属、プラスチックの表面に数日間ウイルスは存在し続けるため、それらによる伝搬の可能性
   が生じる。
   主な感染は患者の症状が出現する前である。データでは前症状の1〜3日が多く40~50%まで
   感染する。
   患者は症状が出現するとほぼ直ぐに鼻咽頭スワブ検査で陽性となり、その後1週間で陽性率は低下
   する。
   しかし重症者ではウイルスの排出は長く続き、どの位かは明白でない。

2) 臨床症状
   潜伏期間は概ね4〜5日。患者の97.5%は感染後11.5日以内で症状は消褪する。
   症状は発熱、咳、咽頭痛、筋肉痛、倦怠感である。時には消化器症状の吐き気、下痢も生ずる。
   息苦しさは症状出現の5〜8日後に認められる。
   これは重症化への移行のサインでもあり注意が必要。
   重症化のリスクは下記の表





         20502-2.PNG




    
   検査では、リンパ球の減少、d-ダイマー、CRP
   重症化の予測としては肝障害、プロカルシトニン、d-ダイマー、CRP など。
   特に白血球増多なのにリンパ球減少は注意
   画像診断としては、すりガラス様、浸潤影

3) 診断
   症状が出現するとほぼ直ぐにPCR検査は陽性になる。
   しかし偽陰性も認められ、その頻度は明白でない。よって新型コロナを疑う場合は頻回の検査が
   必要となる。
   痰でのPCRは感度が高いが、咽頭深くの採取が鼻咽頭よりも優れていると言うエビデンスは無い。
   FDAは最近、鼻腔浅くでの個人の採取を認めている。この方法は個人が自宅で行うので、医療現場
   での拡散を予防できる。  (楽天の根拠の様です。下記にPDFを掲載します。)

4) 評価
   当初の武漢での報告では、81%が軽症、14%が重症、5%が重篤です。
   軽症者は新型コロナの診断を受けなくても良いかもしれない。
   なぜならば自然に治癒するからである。しかし中には1週間後に重症化する場合もある。
   従ってリスク因子のある人に対しては十分なモニタリングが必要で、特に呼吸困難の徴候には
   注意が必要となる。
   過呼吸と酸素飽和度(Spo2)もチェックポイントである。
   呼吸数が30以上、Sp02は93%以下が問題の基準となる。心電図のQTcもチェックポイントとなる。
   胸部レントゲンは最初の画像診断として有効である。
   超音波を取り入れている病院もある。しかしCTをルーティン化するのには反対意見が多い。
   CT検査は特定の患者に絞るべきである。
   D-ダイマー、CRP、プロカルシトニンも有効の場合がある。

5) 管理と治療
   軽症者は十分なサポートのもとで、原則ガイドラインに沿って自宅での療養となります。
   細菌性肺炎の可能性があれば抗生剤の経験的投与を勧めますが、可能な限り短期での投与が
   好ましい。
   新型コロナに関しては有効薬が上がっていますが、未だ十分なエビデンスがありません。
   (色々な薬剤が解説されていますが、日本初のアビガンが隅に追いやられています。
    ここでもアメリカの白人趣味が表れています。)
   従来の降圧薬や吸入ステロイド剤は、引き続き使用するように勧告しています。





私見)
 筆者の言い分を勝手に解釈するとこうです。
 「軽症と思われる人の全てにPCR検査をしていたら医療崩壊です。自然に8割は治るのですから、
  重症になりそうな人をターゲットにすればいいのです。
  残念ながらそれから漏れる人も出てきますが、全体を見れば少ない頻度です。
  そういう人を捨て駒にして医療行為を進めるのかと言う質問ですか。
  ならばプライドを捨てて、韓国方式を今からでもあなたの国でとったらいいでしょう。」
 「素人が自宅でPCRをするのに疑問をお持ちですか。厚労省の方針で開業医がPCRをやらないお蔭で
  日本では医療従事者の感染が抑えられているのです。保健所や厚労省に感謝され非難される事
  ではないのです。
  素人の個人がPCR検査して、その尻拭いを開業医がすればいいのです。
  新しいものに飛びつくのが企業家です。楽天は単に楽天的に行っただけです。     
  FDAも認めているのですよ。」

 本総説で最新の知見を学習できました。明日から本院でも採用できそうな項目もありました。
 しかし、医療は効率とエビデンスで動くものでしょうか。
 今回のコロナのパンデミックの中で世界の医療従事者が奮闘しているのを見ると、何か新しく芽生えた
 高遠な考えも伝わってきます。
 私も多少の義勇軍の正義感をもってコロナに立ち向かいたいと思います。
 最後にFDAの見解を必死でみつけました。
 下記のPDFの中に赤で記しておきましたので、ご参照ください。
 又はしおりの「ここです」で探してください。






Mild or Moderate Covid-19.pdf

FDAより.pdf














posted by 斎賀一 at 16:37| Comment(2) | 感染症・衛生
この記事へのコメント
四日に政府から「新しい生活様式」が提示されました。内容は、エビデンスに基づいての提示なのでしょうが、具体例の一部(冠婚葬祭や食事の仕方)には、殺伐とした世の中に、又は人間関係を希薄させるような例もあるなと感じました。
愛する家族が、コロナ感染で亡くなられた方のお別れの仕方やまた、普通の病気等で入院している愛する家族に面会が出来ないなど、いたたまれない気持ちになります。早く新型コロナが落ち着いて平穏な日常に戻りたいです。奮闘している全ての医療従事者に感謝しながら本当に思います。
Posted by at 2020年05月06日 22:30
先生、いつもお気遣いいただき感謝しておりますm(__)m

正直なところ結構痛くて辛かったので、一昨日までは、この状態で仕事ができるのか、体力的にも精神的にも参ってしまっていて...(-_-)

ほんとに果てしなく、先が見えないと言うかいつまで続くのかと思うとやりきれない気持ちになってしまって、先生に愚痴りたくなって、ブログのコメント欄に、先生どうしたらいいのでしょうか?と入れようかと思ってました。

でも、昨日私なんかよりずっと先生の方が大変なんだと、頑張らなきゃいけませんね...

私も何か楽しみを見つけますo(^o^)o

バイセコ―(笑)
Posted by at 2020年05月06日 23:32
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