2019年12月06日

川崎病の全身における動脈瘤発生の可能性

川崎病の全身における動脈瘤発生の可能性
 
Systemic Artery Aneurysms and Kawasaki Disease
     Vol. 144, Issue 6 1 Dec 2019



1206.PNG


    

 発熱の乳幼児において、川崎病は稀ならず診られる疾患です。
主に乳幼児(特に1歳前後)に好発する原因不明の急性熱性疾患で、病態は中小動脈血管の炎症です。
特に心臓の冠状動脈瘤の発生が重要で、早期治療が大事とされています。同胞の川崎病罹患歴を有する例が2.1%、再発例が4.2%であったと報告されています。  (以下は「今日の臨床サポート」を参照)

眼球結膜の充血
  眼球結膜の充⾎は⾎管炎を反映した⽑細⾎管の拡張であり、特に外側の眼球結膜で明らかである。
  ⾎管の拡張と蛇⾏を伴い、互いの⾎管が区別できるという特徴があり、診断的意義が⾼い。
  (下記のPDFを参照)
頚部リンパ節
  頚部リンパ節は多房性に腫脹しており、単房性に腫脹する化膿性リンパ節炎とは断層超⾳波検査で
  容易に鑑別できる。触診のみでは両者の鑑別が難しいことが多いため、診断に迷う例では断層超⾳波
  検査が有⽤である。

診断が難しい乳児例では、特徴的な眼球結膜の充血やBCG痕の所見のみのこともあります。
場合によっては、単に発熱時における不機嫌なだけの場合もあり経過観察が必要となります。
実地医家の場合は診断が重要となりますが、雑誌Pediatricsより発病後2か月以内で冠動脈瘤以外の動脈瘤を認めたとの報告がありました。


纏めますと

1) 中国からの報告です。
   川崎病発症後2か月以内の1,148名が対象です。
   リスク因子として、・大きな冠動脈瘤 ・治療中に冠動脈瘤が増大
              ・免疫グロブリン静注療法(IVIG)に抵抗性、以上を挙げています。
   そのリスクの患児にMRA、末梢血管造影、冠動脈造影を行っています。

2) 川崎病患児の218(19%)に冠動脈瘤を認めています。
   162名がその後のスクリーニング検査を受けています。
   MRA検査は110名、末梢血管造影は52名です。
   23名(14%)に全身の動脈瘤を認めています。川崎病全体の中では2%です。
   たった4名(4/23)のみに症状や所見がありました。
   傾向としては、生後5か月と有熱期間が12日と長い場合に、全身性の動脈瘤を併発していました。

3) 全身性の動脈瘤とは、腋下動脈、総腸骨動脈、上腕動脈、内腸骨動脈、鎖骨下動脈の順ですが、
   91%は多発していました。
   予後は良く、6か月以内に80%が動脈瘤は消褪していました。






私見)
 本論文で川崎病で全身の動脈瘤を報告していますが、これは氷山の一角かもしれないとの指摘も
 あります。
 川崎病患児の経過観察も下記のPDFを参照にしながら、本院も注意していく必要があります。
 ガイドラインのPDFの目次で検索してください。
 また、「今日の臨床サポート」にはご迷惑をお掛けします。







1 本論文.pdf

2 本論文及びその他 川崎病.pdf

3 川崎病ガイドライン.pdf

4 川崎病 臨床サポート.より.pdf










posted by 斎賀一 at 20:24| Comment(0) | 小児科
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: