2019年11月27日

慢性心不全薬の適正量の男性と女性の比較

慢性心不全薬の適正量の男性と女性の比較
 
Identifying optimal doses of heart
failure medications in men
compared with women
Lancet 2019 Oct 5; 394:1254



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 雑誌LANCETの論文を、下記のネットを参考にしてブログします。


ネット記事の内容を纏めてみますと

1) 最近のガイドラインは、薬の薬理学的動態よりもランダマイズ研究より、経験的なデータを重視し
   薬剤の適正量を決めていると言った欠点がある。

2) 今回はヨーロッパのBIOSTAT-CHF研究からの報告です。
   左室駆出率が40%以下の心不全患者(HFrEF)を対象にしています。
   治療開始して、少なくとも3か月が経過している(survived)患者さんです。
   男性が1,308名(平均年齢は70歳)で、女性(平均年齢は74歳)が402名です。
   治療はACE阻害薬、ARB、β-ブロッカーを漸増しています。

3) 男性はガイドラインに沿った100%の容量の服用で、最も高い率で心不全による入院と死亡を減少
   させています。しかし女性ではガイドラインの半分の容量で30%もリスク減少していましたし、その後
   容量を増やしても効果は同じでした。
   この傾向はASIAN-HF研究でも同様の結果でした。

4) ガイドラインに沿った漸増は一つのガイドであるが、決して指示では無い事を認識すべきである。
   もしかして我々臨床家は、患者に対して適正量ではなく害を与えているのかもしれない。






私見)
 論評者のClyde W Yancy MDの「guides not edicts」は実施医家にとっても重みのある言葉です。







1 LANCET.pdf

2 ネットより.pdf











posted by 斎賀一 at 19:14| Comment(0) | 循環器
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