安全な乳児の睡眠
Prevalence and Factors Associated
With Safe Infant Sleep Practices
PEDIATRICS Volume 144, number 5, November 2019
With Safe Infant Sleep Practices
PEDIATRICS Volume 144, number 5, November 2019
アメリカでは、現在でも乳児突然死症候群(SIDS)が年間で3,500人発生するとの事です。
1992年、アメリカ小児学会(AAP)からの仰向け寝(back to sleep)の提唱により、SIDSは45%減少と
なっています。しかしその後は横ばいの状態で、10%しか減少していない様です。
今回、母親からの調査とケアワーカーの報告により、アメリカの州ごとに社会的背景も加味して
現状分析した論文が雑誌PEDIATRICSに掲載されていますので纏めてみました。
(尚、アメリカでは乳児の寝かせ方は多種類ありますが、適切な用語が見つからないのでベビーベッド類と
します。)
1) 学会が提唱している安全な乳児の睡眠は、下記の4点です。
・うつぶせ寝を排して仰向け寝 (back sleep position)
・乳児専用の安全なベビーベッド類を使用 (separate approved sleep surface)
・添い寝はしないで保護者と同じ部屋 (room-sharing without bedsharing)
・柔らかい寝具は避ける (no soft objects or loose bedding)
2) 母親からの報告では
仰向け寝は78.0%、添い寝はしないは57.1%、柔らかい寝具を避けるは42.4%、
乳児専用ベビーベッド類は31.8%でした。
3) 小児科医や専門のケアワーカーのアドバイスを受ける率は、州や社会構成の違いにより異なって
いました。 (この点は本ブログでは省略します。)
4) 小児科医などの専門家からアドバイスを受けた母親は12~28%程、乳児の睡眠に対して安全を
施していました。
5) 授乳は乳児の突然死のリスクを軽減すると言われています。
しかし授乳により当然ながら乳児とベットを共有しますが、母親が眠気を催したら速やかに乳児を
別のベビーベッド類に移し替える必要がある。
6) 喫煙と乳児突然死症候群とは関連性が言われている。
また、喫煙者は乳児専用の別の寝具を使用しない場合や柔らかい寝具を避ける事も低率で、
アメリカでは乳児の睡眠に対する安全策を怠る傾向でした。
乳児との共通の部屋で喫煙をしないよう指導する事も大事であるとしています。
7) アメリカでは多種類のベビーベッド類が発売になっているが、その安全性は十分に検証されて
いない。
また本来は乳児の成長に合わせて寝具を変えていかなくてはならないが、多くの母親は一つの
ベビーベット類でまかなっている。
(アメリカでのベビーベット類を下記のPDFに掲載します。)
私見)
アメリカにおける人種や社会的背景も本論文では指摘していますが、日本でもマスコミで取り
上げているように、幼い子供にとって受難の時代です。
これまで日本には、畳と言う素晴らしい家族のコミュニケーションの場がありました。
1 乳児 睡眠 Safe Infant Sleep Practices.pdf
2 ベビー.pdf