2019年10月23日

脂質異常症治療薬・スタチンの一次予防効果

脂質異常症治療薬・スタチンの一次予防効果
 
Statins for primary prevention of cardiovascular disease



1023.PNG




 これまでもスタチンに関してはブログで多々紹介しました。
医療全般に関して積極的な意見と、やや控えめに構える考えがありますが、今回のスタディ紹介の論文
はスタチンに対して控え目の立場です。 (スタチンで検索)
 最近、高齢者でもスタチンの継続服用を勧める論文を紹介しましたが、今回はスタチンの一次予防効果
 (既往歴に心血管疾患はないが、脂質異常があるために服用して疾病予防する。)は余りないとする
論文です。


1) 脂質異常症の治療においてスタチンは重要な位置にありますが、医療費問題に関しての側面では
   その効果、特に一次予防においてのメリットを検討する必要がある。
   最近のデータでは、スタチンを一次予防目的で服用している人は男性で57%、女性で73%です。
   1987年からガイドライン変更の2016年に掛けて、スタチン処方の割合は8%から61%に増加して
   います。そして、その殆どが一次予防目的です。
   従って低リスクの患者さんが服用している数は、40から400に増加しています。その結果、低リスク
   でのスタチン効果も10倍以上薄まってしまいます。

2) 多くの研究論文が二次予防効果(心血管疾患の既往のある人が再発を予防するために服用する)と
   一次予防効果を混合している。
   一次予防と二次予防を完全に分離している研究は、3論文程度しか見られなかった。
   その代表がCTT研究である。




         1023-2.PNG



    
 上の表より、スタチンの一次予防効果は全体の死亡率を0.91に減少し、心血管疾患も0.85になって
います。
しかし注意が必要なのは、心血管疾患の10年リスクのベースラインを見てみますと、10年リスクの5%
以下の低リスク群でも心血管疾患を0.80に減少していますが、interval(0.43~1.47)と幅が広いよう
です。
この事は、リスクが最大で57%減少するが逆に47%増加している事も想像できるわけで、その効果は
不確かとも言えます。
 また女性のリスク減少が多いように見えますが、相対的リスクを見ますと問題点が浮き彫りになります。



         1023-3.PNG

   

4) 結論として、論者はスタチンを一次予防で処方する場合は下記の点を考慮して、患者とコンセンサス
   をとるべきだとしています。
   ・年齢 ・性差 ・喫煙 ・コレステロール値 ・血圧






私見)
 スタチンには脂質を低下させる効果と多面的作用(pleio- tropic effect)があります。
 一概にスタチンに一次予防は無いとは断言できないと思いますが、単にコレステロール値のみでの適応
 には問題が多いようです。






Statins for primary prevention of cardiovascular disease.pdf










posted by 斎賀一 at 19:37| Comment(1) | 脂質異常
この記事へのコメント
来年から木曜が休診日になるんですね‼

私の職場も最初は木曜が休みで、あるきっかけで曜日が変更になったのですが...

そのまま木曜が休みのままだったら、先生のとこに、危うく通院できなくなるとこだった〜(>.<)
Posted by at 2019年10月23日 23:05
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